TECC

TECCとは

TECCはコミュニケーション能力を測るテスト

TECCは日本における中国語資格試験の一つですが、名前のTECCはTest of Communicative Chinese(中国語コミュニケーション能力検定)の頭文字で、この名前が示すとおり、中国語によるコミュニケーション能力を測定する検定です。

TECCはコミュニケーションの際の中国語運用能力を測る

TECCは中国語の知識を測る試験ではなく、実際にコミュニケーションする際の中国語運用能力を測る試験ですから、出題内容も日常生活やビジネスシーンから出題されます。中国語検定試験などが中国語の知識を測る試験である傾向が強いのに比べて、「どれくらい話せるか」「話を理解できるか」が問われる試験だと言えましょう。ある意味、語学好きのおしゃべりぎらいという日本人の弱点を克服するための試験と言ってもいいかもしれません。

TECCの評価はスコア方式

TECCの評価は1000点満点のスコア方式になっています。中検HSKとも級別試験ですが、これはどんなレベルの人も一緒に同じ試験を受けてスコアが出る試験です。自分のレベルが体温計のように見てすぐわかるわけですが、初級者とプロレベルが一緒に受ける試験問題というのは初級者には辛いものがあります。初級者には問題の大半がわからない…この点がこの試験がなかなか広まらないネックの一つかもしれません。もっともこの批判を受けてB-TECCというジュニア版TECCも作られています。同タイプの問題ですが大学の第二外国語レベルの受験者にちょうどいいレベルの試験になっています。

TECCの質問は日本語、答えは四択

HSKでは質問も中国語ですが、TECCは質問は日本語です。答えは四択問題です。四択は鉛筆を倒してもそれなりの点数は取れる…と思うかもしれませんが、この試験は「項目応答理論」に基づいて統計処理されるので、「鉛筆倒しても…」は効き目がありません。実力がそのまま反映される、と主催団体は言っています。

TECCの問題数と時間について

TECCの問題はリスニング問題70問、リーディング問題70問の全140問、時間はリスニング問題35分、リーディング問題45分、計80分です。

TECCで出題される問題

リスニング問題とリーディング問題の二本立て

TECCの問題形式は、リスニング問題とリーディング問題の二本立てになっています。

TECCのリスニング問題
問題形式問題数
基本数量問題10問
図画写真問題20問
会話形成問題20問
会話散文問題20問
TECCのリーディング問題
問題形式問題数
語順問題10問
補充問題20問
語釈問題20問
読解問題20問

TECCの問題の傾向と対策

それぞれの問題について詳しく見ていきましょう。

TECCの問題の傾向と対策
問題形式解説
基本数量問題日付・時間・電話番号・お金・重さなど生活に出てくる数字の聞き取りです。それぞれ2回ずつ読まれます。
図画写真問題問題用紙に印刷された絵や写真の内容について中国語が流れます。情景描写の中国語の聞き取りです。音声は1回しか流れません。
会話形成問題甲乙二人の会話で2句目を選ぶ問題(乙の返事)、3句目を選ぶ問題(甲の返事)の二種類があります。音声は1回のみ。会話の流れを瞬時につかむ必要があります。
会話散文問題会話や散文を聞いて、それに関する問いに答える問題です。音声は1回のみ。やや長い文に耳がついていけるか、難度の高い問題です。
語順問題与えられた語句を文中のどこに入れるか選ぶ問題です。副詞、助動詞、接続詞などが語句としてよく使われます。文法力と語感が問われます。
補充問題( )の中に入れる語句を選ぶ問題です。成語なども出題されます。語彙量がポイントです。
語釈問題文中の下線が引かれた語句と同じ意味の語句を選ぶ問題です。類義語の分別が問われる問題です。
読解問題300~500文字の長文を読んでそれに対する問いに答える問題です。ふだんから長文を読んでいないと時間がなくなります。語彙量も決め手です。

TECCの効果的な対策は?

とりあえず受けてみて自分の実力を見るというのも悪くありませんが、目標スコアがあるならば対策を立てた方がいいでしょう。過去問集が出ていますので、それを一通りやってみるとコツがつかめます。またそこで自分の弱点を見つけてそこに特化した勉強――たとえば「中国語文法」とか「中国語単語」とか「長文」とかをしっかりやると、スコアとはまた別に力は確実につきます。

TECCのメリット

資格試験というのはその資格を取ることで何かメリットがあるから受けるわけです。一般には就職する際の能力証明に使うという人が多いでしょう。そういう意味で言うならTECCはあまり社会的認知度が高くなく知る人ぞ知るですからメリットは小さいでしょう。ただこの試験をそうしたメリットのためではなく、中国語力をつけるために使うなら、この試験を何度か受けることでコミュニケーション用中国語能力は確実についていくものと思われます。