故事成語

故事成語

故事成語について

故事成語とは、昔の出来事を元に作られた熟語のことです。ここでは日本語の中にある中国の故事成語を、その由来となった出来事の歴史地図、年表、関連する参考画像などとともに紹介していきます。

故事成語の意味・例文・出典などについても紹介していますが、何と言っても故事成語は、一つ一つに由来となった歴史や物語があり、そこに面白さがあります。このサイトでは、すべての故事成語について一つ一つその当時の地図を作りました。年表や登場人物の画像(昔の絵や現在の石像の写真など)なども入れているので、合わせて見ることで、より一層故事成語の物語が楽しめるのではないかと思っています。

故事成語一覧

四面楚歌

四面楚歌

楚の国の王である項羽が敵の劉邦軍に囲まれます。楚の国の歌が敵の陣地から聞こえてくる状況で、項羽は敗北を悟りました。
捲土重来

捲土重来

長江の西岸まで落ち延びてきた項羽に対し、その地の長が「長江を渡り捲土重来を期してください」と言います。けれども項羽は親に顔向けできないと断り自刎します。
鴻門之会(鴻門の会)

鴻門之会

項羽と劉邦の戦いの序盤の山場である「鴻門之会」について、歴史地図や人間関係図を使って紹介します。
先んずれば人を制す

先んずれば人を制す

秦末期に、各地で反乱がおこります。項羽の叔父項梁が殷通に反乱についての相談を持ち掛けられる話が元となっています。
左遷

左遷

秦を滅ぼした後、項羽は劉邦のことを僻地へと飛ばします。
右に出る者はいない

右に出る者はいない

高祖劉邦に捕らわれた趙王に付き従ってくる者たちがいます。趙王の誤解が解けた後に謁見してみると皆素晴らしい者たちでした。「左右はどちらが上か?」という話と合わせて紹介します。
背水の陣

背水の陣

川を背に陣を敷いて勝利する韓信の話です。
敗軍の将は兵を語らず

敗軍の将は兵を語らず

背水の陣を敷いた韓信によって倒された左車さしゃは、韓信から教えを請われるも辞退します。
完璧

完璧

「和氏の璧」を手に入れんとする秦の王と、奪われまいとする藺相如の話。無事に趙の国へと持ち帰ります。
怒髪天を衝く

怒髪天を衝く

「完璧」の話の中で秦王に激怒する藺相如ですが、その髪が逆立っていた様子が元となってできた言葉です。
刎頸の交わり

刎頸の交わり

「完璧」の話で株を上げた藺相如と、それをねたんだ廉頗の話です。この話の後お互いを信頼するようになります。
和氏の璧

和氏の璧

和という者が山で原石を見つけますが、それを王に献上したところ、価値を理解せぬ王に足を切られてしまいます。
一挙両得

一挙両得

戦国時代の秦は、「背後の広い土地を抑え、名と利の両方を得てから中央に打って出る」という政策を採用します。
合従連衡

合従連衡

強大化する秦の脅威に対抗するため縦に並んだ6国が同盟し、それを秦が個別に切り崩します。
遠交近攻

遠交近攻

戦国時代の秦は、「遠くの国と結び、近くの国を攻める」という作戦を採用します。
傍若無人

傍若無人

生きて帰ってこれないことがわかっている荊軻けいかは、友人の高漸離こうぜんりと酒を飲み、周りに誰もいないかのように振る舞います。
画竜点睛

画竜点睛

瞳以外が描かれた龍に瞳を入れると、龍が飛び立って行ってしまいます。
疑心暗鬼

疑心暗鬼

隣の家の息子が斧を盗んだに違いないと疑う人の話です。
蛇足

蛇足

「一番早くに蛇の絵を描けた者が酒瓶を飲める」という競争で、一番最初に蛇が描けたにもかかわらず酒を飲みそびれた男の話です。
漁夫の利

漁夫の利

鷸(シギ)と蛤(ハマグリ)が争い合った挙句、漁夫が得をした話を引いて、遊説家が戦争を思いとどまらせます。
臥薪嘗胆

臥薪嘗胆

呉の王は毎晩薪の上に寝ることで越への復讐心を忘れないようにし、越の王は動物の肝を舐めることで呉への復讐心を忘れないようにしました。
呉越同舟

呉越同舟

危機の中では仲の悪い呉と越の人々も協力し合ったという話から、孫子は戦では危機感を持たせることが重要であると説きます。
風林火山

風林火山

武田信玄の旗印「風林火山」は、『孫子』が元となっています。ほかの武将たちの旗印についても紹介します。
杞憂

杞憂

杞の国に、天が落ちてくるのではないかと不安に思う男がいました。その男の心配が解決する話です。
孟母三遷

孟母三遷

儒家の大家孟子を育てた孟母は、その教育環境のために何度も引っ越します。
孟母断機

孟母断機

学業を途中で放り投げて帰ってきた孟子を見て、孟母は途中まで織っていた織物を切り裂きます。
五十歩百歩

五十歩百歩

五十歩逃げた兵士も百歩逃げた兵士も同じではないか。他国と比較するのではなく王道の政治を行いましょうと孟子が説きます。
助長

助長

『孟子』の中で苗を引っ張って成長を助けようとし、だめにしてしまう人の話が出てきます。
自暴自棄

自暴自棄

孟子は「自分自身をだめにする人間とは共に語ることはできない」と説きます。
性善説

性善説

孟子は人間に備わっている善のきざしを育て発展させていけば、「仁・義・礼・智」という四つの徳を備えた聖人君子になることができると考えました。
性悪説

性悪説

荀子は「人間の天性は悪であり、思いのままに行動させれば社会が混乱する」と説きました。
是々非々

是々非々

荀子は「正しいものを正しいと判断し、間違っているものを間違っていると判断する」ように説きます。
塞翁が馬

塞翁が馬

馬が逃げて行ったことを、「かえって良かったかもしれない」と考える老人の話です。
大同小異

大同小異

『荘子』の中に出てきます。恵施という者が述べた「大同小異」の話について、荘子は批判する形で書いています。
大器晩成

大器晩成

「大器晩成」は『老子』41章に出てきますが、原義は日本語の故事成語としての意味とは違います。
朝令暮改

朝令暮改

前漢の時代の上奏文で民の苦しみを訴える中でこの「朝令暮改」が出てきます。
朝三暮四

朝三暮四

『荘子』の中での「朝三暮四」と『列子』の中での「朝三暮四」でやや意味が変わってきます。
井の中の蛙

井の中の蛙

黄河の神は北海へ到達した後、思っていたほど自らが大きくないことを知ります。
荒唐無稽

荒唐無稽

根拠のない説をいい意味でとらえる「荒唐」と悪い意味でとらえる「無稽」が合わさりました。
余地

余地

戦国時代の魏に牛を見事に解体する料理人がいました。彼は刃こぼれしない切り方について語ります。
食指が動く

食指が動く

「食指」は中国語で人差し指の意味です。あるところにこの指がピクリと動くと必ずうまい物にありつける男がいました。
虎の威を借る狐

虎の威を借る狐

『戦国策』の中に出てくる狐は、虎に食べられそうになったときに妙案を思いつきます。
矛盾

矛盾

『韓非子』の中で韓非は矛盾の話を用い、伝説上の王である尭を聖人とすることの誤りを指摘します。
鳴かず飛ばず

鳴かず飛ばず

3年間も鳴かず、飛びもしなかった鳥のたとえを用いて、王をいさめる者たちがいました。のちに彼らは重用されることになります。
逆鱗

逆鱗に触れる

普段は穏やかな龍ですが、1つだけ逆さに生えた鱗があり、これを触ると激怒します。
隗より始めよ

隗より始めよ

戦国時代の弱小国燕に招かれた郭隗は有能な人材の集め方について語ります。
不惑

不惑

40歳のことを不惑と言いますが、これは『論語』が元となってできた言葉です。そのほかの年齢についての言葉と合わせて紹介します。
温故知新

温故知新

孔子は『論語』の中で「歴史を学び現代を探求していく」ことの大切さを説きます。
和して同ぜず

和して同ぜず

『論語』の中で孔子は「君子は強調はするが流されない」と説いています。
良薬は口に苦し

良薬は口に苦し

『孔子家語』の中で孔子は苦言を呈す臣下がいなかった王が滅んでしまった例を引き「忠言は耳に痛いがよく効く」と説きました。
水清ければ魚棲まず

水清ければ魚棲まず

『孔子家語』の中で孔子は弟子から役人になることについて問われ、昔の聖王の冠などの話を引いて答えました。
有終の美

有終の美

『詩経』の中で滅びゆく周王朝について述べた部分がこの故事成語の元となりました。
牛耳る

牛耳る

春秋時代に覇権を争った諸侯たちは、牛の耳を使った儀式をしていました。
柔よく剛を制す

柔よく剛を制す

「柔よく剛を制す」は、原文では「柔・剛・弱・強」のそれぞれを使うべきところで使えと書かれています。
窮鼠猫を噛む

窮鼠猫を噛む

前漢時代に、塩や鉄といった生活の必需品を政府の専売制にすることに関する議論が起こります。