自暴自棄
意味
自暴自棄とは、やけになって自らを傷つけたりダメにしたりすること。
例文
会社をリストラされてからすっかり自暴自棄になって、一日中酒浸りだ。
出典
『孟子』離婁 上
……『孟子』とは:孟子は古代中国の鄒の人。戦国時代の儒学者で、儒教では孔子に次いで重要な人物。書物としての『孟子』は孟子の言行をまとめた書。
……離婁とは:伝説上の人物。百歩離れた所からでも毛の先が見えたという抜群の視力の持ち主。離朱ともいう。
……『孟子』とは:孟子は古代中国の鄒の人。戦国時代の儒学者で、儒教では孔子に次いで重要な人物。書物としての『孟子』は孟子の言行をまとめた書。
……離婁とは:伝説上の人物。百歩離れた所からでも毛の先が見えたという抜群の視力の持ち主。離朱ともいう。
「自暴自棄」の由来
まずは「自暴自棄」の由来となったお話の年表と歴史地図から紹介します。
「自暴自棄」の故事の時代
「自暴自棄」の故事の場所
「自暴自棄」の故事
「自暴自棄」は儒教の始祖の一人・孟子の話に出てくる言葉です。
ではその原文・書き下し文・現代語訳を下に掲げましょう。
「自暴自棄」の原文
孟子曰、自暴者、不可与有言也、自棄者、不可与有為也、言非礼義、謂之自暴也、吾身不能居仁由義、謂之自棄也、仁人之安宅也、義人之正路也、曠安宅而弗居、舎正路而不由、哀哉。
「自暴自棄」の書き下し文
孟子曰く、自ら暴(そこ)なう者は、与(とも)に言うあるべからざるなり。自ら棄つる者は、与に為すあるべからざるなり。言、礼義を非(そし)る、これを自暴と謂う。吾が身、仁に居り義に由る能わざる、これを自棄と謂う。仁は人の安宅なり。義は人の正路なり。安宅を曠(むな)しくして居らず。正路を舎てて由らず。哀しきかな。
「自暴自棄」の現代語訳
孟子はこう言いました。
「自分自身をだめにする人間とは共に語ることはできない。自分自身を捨てるような人間とは共に何かをすることはできない。
その言葉で礼儀をそしる者、これを自暴と言う。自分自身を仁の中に置いたり、義に基づくことができない者、これを自棄と言う。
仁とは安心して住める家のようなものである。義とは人が正しく歩める道のようなものである。その家を空き家にして住まず、その道を捨てて歩まないとはなんと哀れなことだろうか」
孟子は性善説の立場に立ち、仁と義を重んじたことで有名です。
「自暴自棄」の関連語
「自暴自棄」と同じく『孟子』がもとになってできた故事成語には、「五十歩百歩」「性善説」「助長」などがあります。
孟子の母の話が元になってできた故事成語には、「孟母三遷」「孟母断機」などがあります。
『孟子』
(孟子の生涯や思想、著作『孟子』の中にある名言などについて詳しく紹介しています。)
(孟子の生涯や思想、著作『孟子』の中にある名言などについて詳しく紹介しています。)
「自暴自棄」の中国語
中国語 | 自暴自弃 |
---|---|
ピンイン | zì bào zì qì |
音声 | |
意味 | 自暴自棄になる。 |
日本語とまったく同じように使われています。