二十四節気の意味と歴史【図解】

二十四節気

二十四節気にじゅうしせっきは1年を24分割し、最も昼の長い日を夏至、最も昼の短い日を冬至、昼と夜の長さが同じ日を春分・秋分とし、それぞれを春夏秋冬の中心に据えることで季節を決めた暦です。

ここでは二十四節気の意味、日にち、仕組み、歴史、実際の気候とのずれ、季節ごとの旬の食べ物などを紹介します。

二十四節気とは

二十四節気-農業

二十四節気にじゅうしせっき」とは、日本では平安時代から使われているこよみのことで、もともとは古代中国で農業の目安として作られた暦です。春秋戦国時代(BC.770~BC.221)黄河流域で作られたと言われます。

古代中国では暦として月の運行に基づいた「太陰暦」が使われていましたが、これですと実際の季節とズレが生まれてしまうため、太陽の位置を元に1年を24等分した「二十四節気」や、それをさらに約5日ごとに分割した「七十二候しちじゅうにこう」が作られ、季節の変化をさらにきめ細かくとらえて農事に生かしました。

この二十四節気は、2016年に中国の無形文化遺産としてユネスコに登録されました。

二十四節気の読み方・意味・日にち

まずは二十四節気にどんなものがあるのか、一覧表で見てみましょう

下の表は二十四節気の「読み方・意味・日にち」に関する一覧表です。日にちに関しては2024年のものを掲載していますが、年によって変わります。

二十四節気の一覧
節気意味日付
(2024年)
小寒しょうかん最も寒い頃の始まり1月6日
大寒だいかん最も寒い時期1月20日
立春りっしゅん春の始まり2月4日
雨水うすい雨が大地を潤す2月19日
啓蟄けいちつ虫が出てくる3月5日
春分しゅんぶん春の中間3月20日
清明せいめい明るく清らか4月4日
穀雨こくう雨が穀物を育てる4月19日
立夏りっか夏の始まり5月5日
小満しょうまん作物が実り始める5月20日
芒種ぼうしゅ稲などの種をまく6月5日
夏至げし夏の頂点6月21日
小暑しょうしょ炎熱に向かう7月6日
大暑たいしょ炎熱の時期7月22日
立秋りっしゅう秋の始まり8月7日
処暑しょしょ暑さが止む8月22日
白露はくろ露が見え始める9月7日
秋分しゅうぶん秋の中間9月22日
寒露かんろ露に寒さを感じる10月8日
霜降そうこう霜が降る10月23日
立冬りっとう冬の始まり11月7日
小雪しょうせつ雪が見え始める11月22日
大雪たいせつ雪が盛んに降る12月7日
冬至とうじ冬の頂点12月21日

二十四節気の日にちと期間

二十四節気の日にちと期間

二十四節気の一つ一つには、ある1日を表す日にちとしての意味と、次の節気までの期間としての意味があります。

例えば、春分であれば、春分の日1日という意味と、次の清明までの約15日の期間としての意味を持ちます。

このことが「実際の季節よりも早い」と感じる理由にも繋がってきます。

二十四節気の仕組みと歴史

二十四節気と太陽の位置

夏至・冬至・春分・秋分

二十四節気は地球と太陽の位置関係で決まる暦です。

基準となったのが「夏至げし冬至とうじ春分しゅんぶん秋分しゅうぶん」の四つの節気です。

これらは以下のような性質があります。

「夏至」……1年で最も昼の時間が長く、夜の時間が短い。

「冬至」……1年で最も昼の時間が短く、夜の時間が長い。

「春分」……昼と夜の長さが同じ。

「秋分」……昼と夜の長さが同じ。

この四つを「二至二分にしにぶん」と言います。

二至二分

これらを元に春夏秋冬を決め、春分を春の中心、夏至を夏の中心、秋分を夏の中心、冬至を冬の中心としました。

名称は違いましたが、この仕組みに関しては、古代中国の殷の時代、今から三千年以上昔から存在しています。

四立(立春・立夏・立秋・立冬)と八節

八節

二十四節気で二至二分の次にできたのが立春りっしゅん立夏りっか立秋りっしゅう立冬りっとうの4つです。

これらは「四立しりゅう」と呼ばれ、それぞれ季節の始まりとなっています。それぞれの特徴は以下のようになっています。

「立春」……春の始まり。冬至と春分の中間。

「立夏」……夏の始まり。春分と夏至の中間。

「立秋」……秋の始まり。夏至と秋分の中間。

「立冬」……冬の始まり。秋分と当時の中間

二至二分(夏至・冬至・春分・秋分)と四立(立春・立夏・立秋・立冬)を合わせて「八節はっせつ」と言います。古代中国の周(西周)の時代にこの八つの節気になりました。

この八節は二十四節気の中でも重要だったため、現在でもその日になるとニュースなどで取り上げられています。

八節から二十四節気へ

黄経

二十四節気はこの八節をさらに分割したものです。

八節だけだと農作業の目安にするには足りなかったため、より細かく分割した二十四節気が生まれました。

八節から二十四節気になったのは古代中国の春秋戦国時代の頃です。

二十四節気の成立時期
二十四節気の成立時期。

七十二候

七十二候

七十二候しちじゅうにこう」とは、二十四節気の後に生まれたより細かく分割した暦です。

二十四節気の1節気につき3つの候があります。そのため、二十四節気の1節気が約15日間なのに対し、七十二候の1候は約5日間となります。

例えば、立春であれば以下のようになります。

初候…「東風はるかぜこおりく」(2月4日頃~2月8日頃)

次候…「黄鶯睍うぐいすく」(2月9日頃~2月13日頃)

末候…「うおこおりのぼる」(2月14日頃~2月18日頃)

二十四節気が日本と古代中国で同じものを使っているのに対し、この七十二候には部分的に日本独自のものがあります。

漢字二文字で表していた二十四節気に対し、七十二候のほうはより具体的な表現が入っているため、日本人の感覚とかけ離れたものは江戸時代に改良されたようです。

季節を細かく分類した理由

日時計

電気のない時代、1日の日照時間は生活するうえで大切でした。

三千年以上昔、古代中国では日時計によって日々の日照時間の移り変わりを確認していました。そのため、昼の最も長い日「夏至」や、昼の最も短い日「冬至」、昼と夜の長さが同じ日「春分」「秋分」を知ることができました。

また、農業を行う上で、種まきの時期、収穫の時期などを正確に知ることも非常に重要でした。

このため、季節を正確に知ることの必要性が生じ、その結果、二至二分を八節へ、八節を二十四節気へ、二十四節気を七十二候へ、と細分化されていきました。

「24とか72とか、なんでこんなに細かく分類したの?」という疑問が現代人の感覚だと生まれてきますが、この細かさは農作業の基準・タイミングのために作られたものなのです。

季節の仕組みと公転・自転

公転と自転

二十四節気は地球と太陽の位置関係による暦です。この仕組みを紹介するため、まずは用語を解説します。

地球は太陽の周りを1年で1周します。これを「公転こうてん」と言います。

また、地球は1日に1回転します。これを「自転じてん」と言います。

太陽と地球をひもで結んでぐるぐる回っていると考えてみてください。この時にできる円盤面を「公転面こうてんめん」と言います。

地球の北極点と南極点の間に長い棒を刺してぐるぐる回していると考えてみてください。この長い棒を「自転軸じてんじく」と言います。

地球を「赤道せきどう」で南北に分割し、赤道より北にある部分を「北半球きたはんきゅう」、南半分を「南半球みなみはんきゅう」と言います。

この公転面の上に長い棒を垂直に突き立てたとします。自転軸はこの垂直な棒から約23.4度傾いています。この傾きのために四季はできました。

自転軸の北極側が最も太陽の方を向く日が、北半球にある国(日本・中国など)にとっては「夏至」です。

北半球で夏至の日、すなわち1年で最も昼の長い日は、南半球にとっては1年で最も昼の短い日でもあります。

このため、日本など北半球が夏の時、オーストラリアなど南半球は冬になります。

また、この夏至の頃、太陽の方を向いている北極付近では1日中太陽が沈まない「白夜びゃくや」と呼ばれる現象が起こります。

白夜
白夜。真夜中でも日が沈まず、明け方のような光が差しています。

黄経

黄経

黄経こうけい」とは地球から見える太陽の位置を数値化したものです。

春分の時の太陽の位置を「0度」とし、図のように1年で1周(360度)します。

この黄経が「15度」進むごとに、二十四節気は1つ節気が進みます。

七十二候は黄経が「5度」進むごとに1つ候が進むことになります。

日本で改良された七十二候と雑節

日本が二十四節気を取り入れた時期

日本がこの二十四節気と七十二候を暦の中に取り入れたのは平安時代です。ただ二十四節気だけでは日本の気候の説明には足りないので、「雑節ざっせつ」というものを設けました。雑節には、節分・彼岸・八十八夜・入梅・半夏生・土用・二百十日などがあり、このうち彼岸や節分は現代の日本でも行事として残っていますね。

さらに細かな季節の説明である「七十二候」については、江戸時代に日本の気候に合わせて改訂版が出され、その後明治時代に「略本暦」が出てそれまでの「七十二候」を大幅に変えました。現在使われている日本の七十二候はこれが元になっています。中国の「七十二候」と日本で改訂された「七十二候」を読み比べると、彼我の季節感の違いが浮き立って面白いです。

二十四節気と実際の気候とのずれ

二十四節気に書かれている季節と、実際に感じる季節との間にはやや違いがあります。

特に立春(2月上旬)、立夏(5月上旬)、立秋(8月上旬)、立冬(11月上旬)の4つの節気はそれぞれ春夏秋冬の始まりを意味しますが、「2月上旬は春というにはまだ早い」などと感じます。

ここではその「実際の気候とずれる理由」について解説します。

春夏秋冬の決め方

二十四節気

夏至は昼の時間の最も長い日、冬至は昼の時間の最も短い日です。

けれども夏至に最も暑くなり、冬至に最も寒くなるかというとそうではなく、実際にはそれより1~2か月ほど遅れて最も暑い日、最も寒い日がやってきます。

ただし二十四節気はこの「夏至を夏の中心」「冬至を冬の中心」そして「昼と夜の長さが同じ春分・秋分を春の中心と秋の中心」として1年を4等分し、春夏秋冬を決めました。

そのため「立春と言われてもまだまだ寒く、冬と感じる」ということが起こります。

日本と中国との気候の違い

また、二十四節気が作られたのは紀元前の中国黄河流域のため、現在の東京の気候とはややずれがあります。

下の地図の中央左にある洛陽らくようが東周時代の首都で、中原ちゅうげんとはこの周辺一帯を指す言葉です。二十四節気はこの中原で作られたと考えられています。

二十四節気が作られた地域の地図

気候の違いについては以下のグラフを見ながら解説します。

二十四節気が作られた地域の地図

上のグラフは二十四節気が作られた中原ちゅうげん から代表して洛陽を選び、東京と年間の平均最高気温を比べたものです。

グラフの6月あたりを見ると、中国には梅雨と台風がないため暑さのピークが日本よりも1~2か月程度早くなっています。この部分が二十四節気と日本の実際の季節とが最も異なる箇所になります。立夏は5月上旬ですが、中国のグラフでは夏の始まりと言われて納得がいくものの、日本のグラフでは夏はもう少し先と感じます。

日本が1月・2月で気温がほぼ変わらず12月はそれより暖かいのに対し、中国では1月が最も寒く2月より12月の方が冷え込んでいます。これも冬の季節感のずれに繋がっています。

節気には日付と期間の2つの意味がある

また、二十四節気の1つ1つには期間としての意味もあるものの、カレンダーやニュースなどではもっぱら日付としての意味で使われています。このことも二十四節気と日本の実際の季節感がずれる要因となっています。

二十四節気の覚え方

二十四節気の中にはよく使われるものとあまり見かけないものがあります。覚えてみたい方のために覚えやすい形でまとめました。

まずは重要な八節を覚えましょう。

「夏至」…1番昼の長い日。

「冬至」…1番夜の長い日。

「春分」…昼と夜の長さが同じ日。

「秋分」…昼と夜の長さが同じ日。

「立春」…春の始まり。

「立夏」…夏の始まり。

「立秋」…秋の始まり。

「立冬」…冬の始まり。

この八つはよく聞くので覚えやすいのではないでしょうか。

八節

次に、春を覚えましょう。

「立春」…春の始まり。

「雨水」…雪解け水が流れ、

「啓蟄」…虫が出てくる。

「春分」…昼と夜の長さが同じ日。

「清明」…清らかな春。

「穀雨」…今度の雨は穀物の恵みの雨。

春には「雨」が2回出てきますが、立春の次と最後に「雨」が出てくると覚えるとわかりやすいかもしれません。

穀雨

次に夏を覚えましょう。

「立夏」…夏の始まり。

「小満」…収穫期の早い作物が育ってきます。

「芒種」…種まきの時期。

「夏至」…1番昼の長い日。

「小暑」…少し暑くなってきます。

「大暑」…かなり暑くなってきます。

小暑・大暑は覚えやすいのではないでしょうか。夏至の前に種をまくと覚えるといいかもしれません。

芒種

次は秋です。

「立秋」…秋の始まり。

「処暑」…暑さが和らぎ始め、

「白露」…夜の気温が下がり朝露が見られるようになります。

「秋分」…昼と夜の長さが同じ日。

「寒露」…露の冷たさが感じられるようになり、

「霜降」…霜が見られるようになります。

秋はつゆが2回としもが1回出てきます。白い露が寒い露になり、霜が降りてきます。

霜

最後は冬です。

「立冬」…冬の始まり。

「小雪」…わずかに雪が降り始めます。

「大雪」…本格的に雪が降るようになります。

「冬至」…1番夜の長い日。

「小寒」…寒くなってきます。

「大寒」…かなり寒くなってきます。

冬は最も覚えやすいのではないでしょうか。雪の小・大が先にあって、寒の小・大が後です。

大寒

二十四節気の意味と旬の食べ物

二十四節気の各節気について、意味や旬の食べ物、その期間の七十二候などを紹介していきます。

また、ここでは日本の七十二候だけを取り上げていますが、各節気の個別ページでは中国の七十二候についても紹介しています。

立春(りっしゅん)

二十四節気-立春

立春とは「春の始まり」を言います。「立」は中国語で「始まる」という意味です。黄経315度、新暦では2月4日か5日ごろです。春と言うより春の気配を感じる頃のこと、これからだんだん暖かくなっていきます。

立春の食べ物

フキノトウ

フキノトウはちょうど立春の頃に採れます。花が開かないつぼみのうちに食べるのが一番おいしいと言われています。

立春の七十二候

ウグイス
立春の七十二候
時期七十二候意味
初候東風はるかぜこおり春風が吹いて川などの氷が解け出し
次候黄鶯睍うぐいす湖に張った氷が薄くなり
末候うおこおりのぼそこから魚が飛び跳ねている

雨水(うすい)

二十四節気-雨水

雨水は新暦2月19日前後。太陽は黄経330度。

雨水になるといよいよ農作業が始まります。農作業に雨は欠かせません。雨は天からの贈り物です。またこの時期は中国では「元宵節」(げんしょうせつ)、元宵節は中国のお正月「春節」の最後の行事で、ランタンフェスティバルという名前で知られています。

雨水の食べ物

桜餅

雨水の期間の終わりごろにあるひな祭りでは、桜餅や菱餅などを食べる習慣があります。

雨水の七十二候

草木萌え動く
雨水の七十二候
時期七十二候意味
初候土脈どみゃくうるおこる春の大地は潤い
次候かすみはじめてたなび山々に霞がぼおっとたなびき
末候草木くさきうご草木が芽を出し始める

啓蟄(けいちつ)

二十四節気-啓蟄

二十四節気の3番目「啓蟄」は太陽黄経345度、新暦では3月6日ごろを言い、春の暖かさを感じるようになる時期です。

「啓蟄」は「土の中の虫がはい出すころ」という意味です。

啓蟄の食べ物

苺

啓蟄の頃は苺が旬を迎えます。

啓蟄の七十二候

桃の花
啓蟄の七十二候
時期七十二候意味
初候すごもりのむしひら土の中で冬ごもりをしていた虫がうごめき出し
次候ももはじめてわら桃の花のつぼみがほころび
末候菜虫なむしちょうさなぎが蝶になり舞い始めます

春分(しゅんぶん)

二十四節気-春分

春分は新暦の3月20日か21日ごろ。黄経はゼロで昼と夜の長さが同じになる日です。

春のちょうど真ん中という意味があります。

春分の食べ物

ぼたもち

日本では、春分の日を間に置いた前後7日間を「春のお彼岸」と言い、先祖や親族のお墓参りに行きます。この「お彼岸」にはぼたもちを食べる習慣があります。

春分の七十二候

桜
春分の七十二候
時期七十二候意味
初候すずめはじめてくう雀が巣を作り始め
次候さくらはじめてひら桜のつぼみがほころび始め
末候かみなりこえはっ春雷が鳴り始める

清明(せいめい)

二十四節気-清明

清明は新暦4月4日か5日ごろです。黄経は15度。

「万物生長此時、皆清浄明潔」(万物が成長していくこの時、もの皆清らかで明るくきれいである」ところから「清明」と名付けられました。

清明の食べ物

清見

清見はみかんとオレンジの中間のような特徴を持ち、酸っぱさの少ない柑橘類です。3~4月に採れ、清明の頃が旬となります。

清明の七十二候

ツバメ
清明の七十二候
時期七十二候意味
初候玄鳥つばめきた燕が南からやってきて
次候鴻雁こうがんきたへかえる雁は北へ帰り
末候にじはじめてあらわ雨が上がると春の空に虹がかかる

穀雨(こくう)

二十四節気-穀雨

新暦4月19日~21日ごろ。黄経は30度です。穀雨を迎えると気温は急速に上昇し、寒気が訪れることはなく、雨が降る日も増えていきます。

穀雨の食べ物

新茶

立春から数えて八十八夜が穀雨の終わりごろです。この時期に摘んだ新茶が最もおいしいと言われています。

穀雨の七十二候

牡丹
穀雨の七十二候
時期七十二候意味
初候あしはじめてしょう川辺の葦が芽吹き
次候しもんでなえ霜が降りることがなくなって苗が元気に育ち始め
末候牡丹ぼたんはなさく牡丹の花が咲くころです

立夏(りっか)

二十四節気-立夏

二十四節気・春は「穀雨」で終わり、夏は「立夏」で始まります。立夏は新暦5月5日か6日ごろ。黄経は45度です。

立夏の食べ物

ちまきと柏餅とショウブ

立夏はちょうど子供の日の頃。子供の日にはちまきや柏餅を食べる習慣があります。

立夏の七十二候

タケノコ
立夏の七十二候
時期七十二候意味
初候かわずはじめて田んぼから蛙の合唱が聞こえ始め
次候蚯蚓みみずずる土の中からミミズが這い出し
末候竹笋たけのこしょう竹林のあちこちからタケノコが頭を出しています

小満(しょうまん)

二十四節気-小満

二十四節気・夏の第2節気は「小満」で、この日は新暦5月21日か22日ごろ。黄経は60度。大麦や小麦など夏の作物が実って穂が膨らんできますが、まだ成熟はしていません。「小満」はその状態を指した言葉です。

小満の食べ物

ビワ

ビワの旬の時期は5月下旬~6月上旬。ちょうど小満の頃になります。

小満の七十二候

桑
小満の七十二候
時期七十二候意味
初候かいこきてくわ蚕が桑の葉を食べ
次候紅花べにばなさか紅花が一面に咲き
末候麦秋ばくしゅういた麦も収穫の時期を迎えている

芒種(ぼうしゅ)

二十四節気-芒種

二十四節気・夏の第3節気は「芒種」で、この日は新暦6月5日ごろ。黄経は75度です。

「芒種」は穂の出るイネや麦などの種をまく季節のことです。

芒種の食べ物

さくらんぼ

6月いっぱいがさくらんぼの旬の時期になります。

芒種の七十二候

ホタル
芒種の七十二候
時期七十二候意味
初候螳螂かまきりしょうかまきりが生まれ
次候腐草ふそうほたる草が枯れたところからホタルが生まれ
末候梅子うめのみなり梅の実が熟して黄色くなる

夏至(げし)

二十四節気-夏至

二十四節気・夏の第4節気は「夏至」で、この日は新暦6月21日か22日ごろ。黄経は90度です。夏至は正午における太陽の高度が最も高く、昼間の時間が最も長い日です。

夏至の食べ物

夏みかん

夏ミカンの旬の時期はちょうど夏至の頃になります。

夏至の七十二候

アヤメ
夏至の七十二候
時期七十二候意味
初候乃東なつかれくさかるうつぼぐさの花穂が黒ずんだ色になり
次候菖蒲しょうぶはなさくアヤメの花が咲き
末候半夏はんげしょう半夏が生え始める

小暑(しょうしょ)

二十四節気-小暑

二十四節気・夏の第5節気は「小暑」で、この日は新暦7月6日から8日ごろ。黄経は105度です。「暑」とは「炎熱」の意味で「小暑」は「これから炎熱に向かう」という季節です。

小暑の食べ物

ウナギ

小暑の頃に土用の丑の日があり、ウナギを食べる習慣があります。

小暑の七十二候

蓮の花
小暑の七十二候
時期七十二候意味
初候温風おんぷういた時折熱風が吹き
次候はすはじめてひら蓮の花が咲き始め
末候たかすなわちわざなら鷹のヒナが飛び方を覚える

大暑(たいしょ)

二十四節気-大暑

二十四節気・夏の最後の節気は「大暑」で、この日は太陽暦7月23日か24日ごろ。黄経は120度です。大暑の季節はちょうど「三伏(さんぷく)」のうちの「中伏」、一年で最も暑い日です。

大暑の食べ物

桃

大暑の頃に桃が旬の時期を迎えます。

大暑の七十二候

土潤いて溽し暑し
大暑の七十二候
時期七十二候意味
初候きりはじめてはなむす桐の花が実をつけ
次候つちうるおいてあつ土から発散される熱気は蒸し暑く
末候大雨たいうときどき猛烈に降り出す

立秋(りっしゅう)

二十四節気-立秋

二十四節気・秋の最初の節気は「立秋」で、この日は太陽暦8月7日か8日ごろ。黄経は135度です。「立秋」は秋の初め、秋の気配を感じるころです。

立秋の食べ物

スイカ

夏休み真っただ中のこの時期にはスイカが旬となります。

立秋の七十二候

深い霧
立秋の七十二候
時期七十二候意味
初候涼風りょうふういた涼しい風が初めて吹いて秋の気配を感じさせ
次候寒蝉ひぐらしひぐらしが鳴き始め
末候蒙霧のうむ升降しょうこう朝方には霧がたちこめる

処暑(しょしょ)

二十四節気-処暑

二十四節気・秋の第2の節気は「処暑」で、この日は新暦8月23日か24日ごろ。黄経は150度です。夏の暑さもそろそろ終わる季節です。

処暑の食べ物

ブドウ

秋の味覚の中でもブドウは比較的早く、この時期に出回り始めます。

処暑の七十二候

綿
処暑の七十二候
時期七十二候意味
初候綿わたはなしべひら綿の実がはじけて中から白い綿が顔を出し
次候天地てんちはじめてさむ暑さはやわらぎ
末候こくものすなわちみのイネや麦などの穀物が収穫の時を迎える

白露(はくろ)

二十四節気-白露

二十四節気・秋の第3の節気は「白露」で、この日は新暦9月7日か8日ごろ。黄経は165度。

気温が下がってきて地面に近いところでは大気中の水分が露になって結びます。

白露の食べ物

栗

白露の時期には栗が取れます。日本では古くから栗ご飯が食べられてきました。

白露の七十二候

綿
白露の七十二候
時期七十二候意味
初候草露くさつゆしろ草に降りた露は白く
次候鶺鴒せきれいセキレイが鳴き始め
末候玄鳥つばめツバメが南の国に飛び去っていく

秋分(しゅうぶん)

二十四節気-秋分

二十四節気・秋の4番目の節気は「秋分」で、この日は太陽暦9月22日か23日ごろ。黄経は180度です。一日の昼と夜の時間がちょうど同じになる日です。

秋分の食べ物

マツタケ

秋真っただ中の秋分は、まさに「食欲の秋」。マツタケなど様々なものが旬の時期を迎えます。

秋分の七十二候

収穫の時期の田んぼ
秋分の七十二候
時期七十二候意味
初候かみなりすなわちこえおさ雷が鳴らなくなり
次候すごもりのむしとざ虫が巣ごもりし
末候みずはじめてかれ田んぼから水を抜いて稲刈りをする

寒露(かんろ)

二十四節気-寒露

二十四節気・秋5番目の節気は「寒露」で、この日は太陽暦10月8日か9日ごろ。黄経は195度です。地に近いところに下りる露もそろそろ霜になりそうな時期です。

寒露の食べ物

梨

10月には梨が最盛期を迎えます。薬膳ではのどが痛いとき話を食べるといいと言われています。

寒露の七十二候

菊
寒露の七十二候
時期七十二候意味
初候鴻雁こうがんきた雁の群れがやってきて
次候菊花きっかひら菊の花が咲き
末候蟋蟀きりぎりすこおろぎが戸口でさかんに鳴く

霜降(そうこう)

二十四節気-霜降

二十四節気・秋の最後の節気は「霜降」で、この日は新暦10月23日か24日ごろ。黄経は210度です。秋はいよいよ深まり、朝は霜が降りるほど冷えてくるのでこの名がついています。

霜降の食べ物

柿

霜降の頃は柿のおいしい季節。干し柿もこの時期から作られ始めます。

霜降の七十二候

モミジ
霜降の七十二候
時期七十二候意味
初候しもはじめて霜が初めて降り
次候しぐれときどきほどこ時雨が時折降り
末候もみじつたなり紅葉や蔦が美しく彩られる

立冬(りっとう)

二十四節気-立冬

二十四節気・冬の節気は「立冬」で、この日は太陽暦11月7日か8日ごろ。黄経は225度です。「立冬」とはこれから冬が始まる日です。

立冬の食べ物

銀杏

茶碗蒸しでよく見かける銀杏はこの時期に採れます。

立冬の七十二候

サザンカ
立冬の七十二候
時期七十二候意味
初候山茶つばきはじめてひら山茶花(さざんか)の花が咲き
次候はじめてこお地面が凍り始め
末候金盞きんせんこうば水仙の花が咲いて良い香りが漂う

小雪(しょうせつ)

二十四節気-小雪

二十四節気・冬の2番目の節気は「小雪」で、この日は太陽暦11月22日か23日ごろ。黄経は240度です。寒さが増してきますがまだ雪などは降ってもほとんど積もらず、冬本番の序ノ口といった季節です。

小雪の食べ物

サツマイモ

晩秋~初冬にかけてはサツマイモのおいしい季節。石焼き芋をよく見かける時期でもあります。

小雪の七十二候

木枯らし
小雪の七十二候
時期七十二候意味
初候にじかくれてえず雨の後虹が見えることはなくなり
次候朔風さくふうはら木枯らしが木々の葉を落とし
末候たちばなはじめてなり橘の実が黄色くなってくる

大雪(たいせつ)

二十四節気-大雪

二十四節気・冬の3番目の節気は「大雪」で、この日は太陽暦12月7日前後。黄経は255度です。雪が盛んに降り始める季節です。

大雪の食べ物

ふろふき大根

大根は1年じゅう見かけますが、本来はこの時期が旬。ふろふき大根のおいしい季節です。

大雪の七十二候

閉塞く冬と成る
大雪の七十二候
時期七十二候意味
初候さむふゆいよいよ冬になったことを実感し
次候くまあなこも山では熊が冬眠
末候鱖魚さけむらがる鮭が産卵のために川を遡上してくる

冬至(とうじ)

二十四節気-冬至

二十四節気・冬の第4の節気は「冬至」で、この日は太陽暦12月21日から23日の間。黄経は270度です。冬至は北半球では日が一番短く影が最も長くなる日です。

冬至の食べ物

おせち料理

冬至の期間には年末年始があり、おせち料理・お餅など正月料理が食べられます。

冬至の七十二候

雪下麦を出だす
冬至の七十二候
時期七十二候意味
初候乃東なつかれくさしょうウツボグサの芽が出てきて
次候しかつのつる大鹿のツノが落ちて生え変わり
末候雪下せっかむぎだす雪の下から麦の芽が出てくる

小寒(しょうかん)

二十四節気-小寒

二十四節気・冬のの節気は「小寒」で、この日は太陽暦1月5日か6日ごろ。黄経は285度です。小寒からが「寒の入り」で、立春の前日が「寒の開け」、寒の入りから寒の開けまでの1か月を「寒の内」と言います。

冬至の食べ物

七草粥

1月7日は関東ではお正月の行事が終わる日、この日までを「松の内」と言い、この7日健康を願って、春の七草を入れた「七草がゆ」をいただきます。

冬至の七十二候

キジ
冬至の七十二候
時期七十二候意味
初候せりすなわちさかセリが群生し
次候水泉すいせんうご凍っていた泉が流れ出し
末候きじはじめてキジが鳴き始める

大寒(だいかん)

二十四節気-大寒

二十四節気の24番目、冬の最後の節気は「大寒」で、この日は太陽暦1月20日前後。黄経は300度です。二十四節気は「大寒」をもって終わりますが、この時期は一年中で最も寒い時期です。

大寒の食べ物

節分

大寒の最終日は節分。年の数だけ豆を食べると健康になれると言われています。

大寒の七十二候

沢の氷
大寒の七十二候
時期七十二候意味
初候款冬ふきのとうはなさく蕗(ふき)の花が咲き
次候水沢みずさわあつかた沢の氷は厚く硬く張り
末候にわとりはじめてにゅう鶏が卵を産み始める