小雪

小雪

小雪しょうせつとは二十四節気にじゅうしせっきの1つで冬の2番目の節気です。

このページでは小雪の意味、成り立ち、実際の季節感とのずれ、2019年の小雪の日にちと期間、小雪の七十二候、小雪の食べ物や季節の花などを紹介していきます。

なお、2019年の小雪は11月22日となっています。

小雪とは

小雪

小雪しょうせつとは二十四節気にじゅうしせっきの1つで、「まれに雪が降る頃」を意味します。太陽の位置を表す黄経で240度の時を言い、新暦では11月22日~23日ごろで年によって変わります。

寒さが増してきますがまだ雪などは降ってもほとんど積もらず、冬本番の序ノ口といった季節です。

小雪は二十四節気の1つ

二十四節気とは古代中国で作られた暦で、日本では平安時代から使われています。上の図のように1年を24等分し、それぞれに名前を付けたものです。

二十四節気は太陽の運行に基づいており、1年で最も昼の長い日を夏至げし、1年で最も昼の短い日を冬至とうじ、昼と夜の長さが同じ日を春分しゅんぶん秋分しゅうぶんとし、この4つを春・夏・秋・冬の中心として決めた暦です。この4つの節気は合わせて「二至二分にしにぶん」と呼ばれています。

二十四節気の仕組み

この二至二分が二十四節気を決めるうえでの基準となっています。

立冬はこの秋分と冬至のちょうど中間の日で、暦の上ではこの日から冬が始まります。

冬の節気は立冬りっとう小雪しょうせつ大雪たいせつ冬至とうじ小寒しょうかん大寒だいかんとなっており、小雪は冬の2番目の節気です。

また、立春りっしゅん立夏りっか立秋りっしゅう立冬りっとうの4つを「四立しりゅう」と言い、それぞれ春夏秋冬の始まりの日として重要な節気となっており、二至二分と四立を合わせて「八節はっせつ」と言います。

二十四節気の成立時期
二十四節気の成立時期。殷の頃に二至二分、西周の頃に八節、春秋戦国の頃に二十四節気がそれぞれ成立しました。

2019年の小雪はいつ?

小雪の日にちと期間

二十四節気のそれぞれの節気には、その日1日を意味する場合と、次の節気までの期間を意味する場合があります。

2019年の小雪であれば、以下のようになります。

・日付としての2019年の小雪は11月22日。

・期間としての2019年の小雪は11月22日~12月6日まで。

二十四節気と実際の季節感がずれる理由

二十四節気は「実際の季節感とずれている」と感じることがあります。特に立春(2月上旬)、立夏(5月上旬)、立秋(8月上旬)、立冬(11月上旬)の4つの節気はそれぞれ春夏秋冬の始まりを意味しますが、「春というにはまだ早い」などと感じます。

ここではその「実際の気候とずれる理由」について解説します。

春夏秋冬の決め方

二十四節気

夏至は昼の時間の最も長い日、冬至は昼の時間の最も短い日です。

けれども夏至に最も暑くなり、冬至に最も寒くなるかというとそうではなく、実際にはそれより1~2か月ほど遅れて最も暑い日、最も寒い日がやってきます。

ただし二十四節気はこの「夏至を夏の中心」「冬至を冬の中心」そして「昼と夜の長さが同じ春分・秋分を春の中心と秋の中心」として1年を4等分し、春夏秋冬を決めました。

そのため「立春と言われてもまだまだ寒く、冬と感じる」ということが起こります。

日本と中国との気候の違い

「小雪」と聞くといかにも雪がイメージされますが、11月の下旬、東京であれば雪はまず見かけません。

にもかかわらず「小雪」と名が付いているのは、この二十四節気が紀元前の中国黄河流域で作られたものであり、現在の東京の気候とはややずれがあるためです。

二十四節気が作られた地域の地図

上のグラフは二十四節気が作られた中原ちゅうげん洛陽らくよう周辺一帯)から代表して洛陽(春秋戦国時代の周の首都)を選び、東京と年間の平均最高気温を比べたものです。

グラフの6月あたりを見ると、中国には梅雨と台風がないため暑さのピークが日本よりも1~2か月程度早くなっています。この部分が二十四節気と日本の実際の季節とが最も異なる箇所になります。立夏は5月上旬ですが、中国のグラフでは夏の始まりと言われて納得がいくものの、日本のグラフでは夏はもう少し先と感じます。

日本が1月・2月で気温がほぼ変わらず12月はそれより暖かいのに対し、中国では1月が最も寒く2月より12月の方が冷え込んでいます。これも冬の季節感のずれに繋がっています。

節気には日付と期間の2つの意味がある

また、二十四節気の1つ1つには期間としての意味もあるものの、カレンダーやニュースなどではもっぱら日付としての意味で使われています。このことも二十四節気と日本の実際の季節感がずれる要因となっています。

二十四節気と七十二候

七十二候

「二十四節気」は、古代中国で作られた農事を指導するために作られた暦で、春秋戦国時代(BC.770~BC.221)黄河流域で作られたと言われます。中国では暦として月の運行に基づいた「太陰暦」が使われていましたが、これですと実際の季節とズレが生まれてしまうため、太陽の運行の軌跡を24等分した「二十四節気」や、それをさらに約5日ごとに分割した「七十二候しちじゅうにこう」が作られました。このようにして季節の変化をきめ細かくとらえて農事に生かしたのです。

この「二十四節気」は日本では平安時代に取り入れられました。日本と中国とでは位置も気候も異なり、中国の二十四節気は必ずしもすべてが日本の気候に合うものではありませんでしたが、私たちの生活に根付き、大多数の日本人が農業とは無縁になった現代でもテレビのニュースなどで「今日から立春です」などと使われています。

1年には春夏秋冬4つの季節がありますが、古代中国人はそれをさらに24の「節気」に分けました。1年を24に分けるならそれぞれ約15日、その節気にはまたそれぞれ3つの「候」を設け、3×24で72候、約5日で1つの候としてそれぞれの候にその季節の特徴を表す言葉をつけました。

日本は平安時代からこの二十四節気を暦の中に取り入れましたが、これだけでは日本の気候の説明には足りないので、「雑節」というものを設けました。雑節には、節分・彼岸・八十八夜・入梅・半夏生・土用・二百十日などがあります。

さらに「七十二候」については江戸時代の天文暦学者・渋川春海が日本の気候に合わせて改訂版を出し、その後明治時代に「略本暦」が出てそれまでの「七十二候」を大幅に変えました。現在使われている日本の七十二候はこれが元になっており、上の図に書かれているのもこの七十二候です。

なお2016年に中国の「二十四節気」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。

小雪の七十二候(日本)

虹蔵れて見えず
虹蔵れて見えず。

日本の小雪の七十二候は以下のようになります。

小雪の七十二候
内容時期
初候にじかくれてえず11月22日頃

11月26日頃
次候朔風さくふうはら11月27日頃

12月1日頃
末候たちばなはじめてなり12月2日頃

12月6日頃

雨の後虹が見えることはなくなり、木枯らしが木々の葉を落とし、橘の実が黄色くなってくる季節です。

木枯らし
朔風葉を払う。
橘始めて黄なり
橘始めて黄なり。

次候にある「朔風」の「朔」とは、「一日(ついたち)」という意味と「北」という意味があります。朔風は「北風」、「木枯らし」のことです。

「萩原朔太郎」という「日本近代詩の父」と呼ばれる詩人がいますが、彼は長男で一日生まれだったので「朔太郎」と名付けられたそうです。

末候にある「橘(タチバナ)」は日本古来の野生のカンキツ類、つまりミカンの一種です。常緑樹であったことから、生命力や長寿のシンボルとして昔から珍重され、文化勲章も橘の花をかたどっています。

タチバナの花
タチバナの花。

小雪の七十二候(中国)

中国の小雪の七十二候はそれぞれ「虹藏不見」「天氣上升,地氣下降」「閉塞而成冬」で、次候、末候が日本と異なります。「雨の後の虹を見ることがなくなり、大気の陽の気は上がり陰の気は下がって天地は巡らず、陰陽も交わらず、万物は生機を失い閉塞して厳寒の冬になる」という季節です。中国のこの七十二候は陰陽や気で説明されており、日本人は受け入れにくかったことでしょう。

保存食作りの時期

中国ではこの時期保存食作りが始まります。「香腸」と呼ぶソーセージや、「臘肉」と呼ぶベーコンを作って、春節のお祝いに備えるのです。

香腸
香腸。中国で小雪の頃作られてきたソーセージ。
臘肉
臘肉。中国で小雪の頃作られてきたベーコン。

中国では古代からハム(火腿)やソーセージ、ベーコンを作っていました。漢民族は牧畜民族ではありませんが、古くからブタを家畜として飼っていました。食事としては草食系の日本人とは異なり、豚肉や羊肉などを食していた肉食系民族です。

日本人は奈良時代のころから国を挙げて仏教に帰依し、肉食、特に四つ足の動物の肉食が禁じられましたが、日本にその仏教を伝えた中国で民衆に肉食を禁じた歴史はありません。ただし中国のお坊さんや仏教徒は肉食をしませんし、イスラム教徒(回教徒)は豚肉を食べません。

小雪の「旬の食べ物」

柿

柿には様々な種類がありますが、採れる時期は9月~12月ごろ。

リンゴ

リンゴ

リンゴには様々な品種がありますが、11月~1月ごろは様々な品種で旬の時期を迎えます。

サツマイモ

サツマイモ

寒くなってくるとサツマイモのおいしい季節になります。10月~1月ごろが旬の時期。スーパーなどで見かけるようになります。

ユズ

ユズ

ユズが取れるのは11月~12月。ユズは柑橘類の中でも酸味が強いため、搾って焼き魚に掛けるなど、主に調味料として使われます。

冬至になるとお風呂にユズを浮かべ、柚子湯に入るという習慣があります。

ゆず湯

ごぼう

ごぼう

ごぼうの旬の時期は11月~12月ごろで、冬の煮物料理などによく使われます。

大根

大根

大根は品種改良などの結果、一年中見かけるようになりましたが、本来の旬の時期は12月~1月ごろ。小雪の頃にはおいしい大根が出回り始めます。

寒い時期に昔から食べられてる「ふろふき大根」などは冬の季語になっています。

ふろふき大根

小雪の「季節の花」

モミジ

モミジ

小雪の頃に各地で赤くなったモミジを見かけるようになります。見ごろの時期は11月中旬~12月下旬ごろ。

菊

日本の秋の花と言えば菊。10月中旬~12月中旬ごろに咲きます。

シクラメン

シクラメン

様々な品種のあるシクラメンの開花期は10月~3月ごろ。冬の間は見かけることができます。

サザンカ

サザンカ

サザンカはツバキとよく似た花ですが、サザンカのほうが先に咲きます。開花期は10月上旬~1月下旬ごろ。

ポインセチア

ポインセチア

ポインセチアは11月ごろから開花し、クリスマスのころに出回るため「クリスマスフラワー」とも呼ばれます。開花期は11月~2月。

セイヨウヒイラギ

セイヨウヒイラギ

セイヨウヒイラギが赤い実を付けるのは11月~12月。クリスマスの時期に飾りなどとして出回るため、「クリスマスホーリー」とも呼ばれます。

小雪の関連ページ

小雪の項は以上で終了となりますが、このサイトでは小雪の1つ前の節気「立冬りっとう」や、小雪の次の節気「大雪たいせつ」、また「二十四節気にじゅうしせっき」や「七十二候しちじゅうにこう」についてもリンク先で詳しく紹介しています。