清明

清明

清明せいめいとは二十四節気にじゅうしせっきの1つで、春分しゅんぶんの次、春の4番目にあたる節気です。

このページでは清明の意味、成り立ち、実際の季節感とのずれ、2019年の清明の日にちと期間、清明の七十二候、清明の食べ物や季節の花などを紹介していきます。

なお、2019年の清明は4月5日となっています。

清明とは

清明

清明せいめいとは二十四節気にじゅうしせっきの1つで、「すべてのものが清らかで明るい時期」を意味します。太陽の位置を表す黄経で15度の時を言い、新暦では4月4日~5日頃になりますが年によって変わります。

「万物生長此時、皆清浄明潔」(万物が成長していくこの時、もの皆清らかで明るくきれいである)ところから「清明」と名付けられたと『歳時百問』という明代の本にあります。

確かに春先には明るさだけでなく、これから成長していくものの清らかさが感じられます。

清明は二十四節気の1つ

二十四節気とは古代中国で作られた暦で、日本では平安時代から使われています。上の図のように1年を24等分し、それぞれに名前を付けたものです。

二十四節気は太陽の運行に基づいており、1年で最も昼の長い日を夏至げし、1年で最も昼の短い日を冬至とうじ、昼と夜の長さが同じ日を春分しゅんぶん秋分しゅうぶんとし、この4つを春・夏・秋・冬の中心として決めた暦です。この4つの節気は合わせて「二至二分にしにぶん」と呼ばれています。

二十四節気の仕組み

この二至二分が二十四節気を決めるうえでの基準となっています。

立春りっしゅんはこの冬至と春分のちょうど中間の日で、暦の上ではこの日から春が始まります。

春の節気は立春りっしゅん雨水うすい啓蟄けいちつ春分しゅんぶん清明せいめい穀雨こくうとなっており、清明は春の5番目の節気です。

また、立春りっしゅん立夏りっか立秋りっしゅう立冬りっとうの4つを「四立しりゅう」と言い、それぞれ春夏秋冬の始まりの日として重要な節気となっており、二至二分と四立を合わせて「八節はっせつ」と言います。

二十四節気の成立時期
二十四節気の成立時期。殷の頃に二至二分、西周の頃に八節、春秋戦国の頃に二十四節気がそれぞれ成立しました。

2019年の清明はいつ?

清明の日にちと期間

二十四節気のそれぞれの節気には、その日1日を意味する場合と、次の節気までの期間を意味する場合があります。

2019年の清明であれば、以下のようになります。

・日付としての2019年の清明は4月5日。

・期間としての2019年の清明は4月5日~4月19日まで。

二十四節気と実際の季節感がずれる理由

二十四節気は「実際の季節感とずれている」と感じることがあります。特に立春(2月上旬)、立夏(5月上旬)、立秋(8月上旬)、立冬(11月上旬)の4つの節気はそれぞれ春夏秋冬の始まりを意味しますが、「春というにはまだ早い」などと感じます。

ここではその「実際の気候とずれる理由」について解説します。

春夏秋冬の決め方

二十四節気

夏至は昼の時間の最も長い日、冬至は昼の時間の最も短い日です。

けれども夏至に最も暑くなり、冬至に最も寒くなるかというとそうではなく、実際にはそれより1~2か月ほど遅れて最も暑い日、最も寒い日がやってきます。

ただし二十四節気はこの「夏至を夏の中心」「冬至を冬の中心」そして「昼と夜の長さが同じ春分・秋分を春の中心と秋の中心」として1年を4等分し、春夏秋冬を決めました。

そのため「立春と言われてもまだまだ寒く、冬と感じる」ということが起こります。

日本と中国との気候の違い

また、二十四節気が作られたのは紀元前の中国黄河流域のため、現在の東京の気候とはややずれがあります。

下の地図の中央左にある洛陽らくようが東周時代の首都で、中原ちゅうげんとはこの周辺一帯を指す言葉です。二十四節気はこの中原で作られたと考えられています。

二十四節気が作られた地域の地図

気候の違いについては以下のグラフを見ながら解説します。

二十四節気が作られた地域の地図

上のグラフは二十四節気が作られた中原ちゅうげん から代表して洛陽を選び、東京と年間の平均最高気温を比べたものです。

グラフの6月あたりを見ると、中国には梅雨と台風がないため暑さのピークが日本よりも1~2か月程度早くなっています。この部分が二十四節気と日本の実際の季節とが最も異なる箇所になります。立夏は5月上旬ですが、中国のグラフでは夏の始まりと言われて納得がいくものの、日本のグラフでは夏はもう少し先と感じます。

日本が1月・2月で気温がほぼ変わらず12月はそれより暖かいのに対し、中国では1月が最も寒く2月より12月の方が冷え込んでいます。これも冬の季節感のずれに繋がっています。

節気には日付と期間の2つの意味がある

また、二十四節気の1つ1つには期間としての意味もあるものの、カレンダーやニュースなどではもっぱら日付としての意味で使われています。このことも二十四節気と日本の実際の季節感がずれる要因となっています。

二十四節気と七十二候

七十二候

「二十四節気」は、古代中国で作られた農事を指導するために作られた暦で、春秋戦国時代(BC.770~BC.221)黄河流域で作られたと言われます。中国では暦として月の運行に基づいた「太陰暦」が使われていましたが、これですと実際の季節とズレが生まれてしまうため、太陽の運行の軌跡を24等分した「二十四節気」や、それをさらに約5日ごとに分割した「七十二候しちじゅうにこう」が作られました。このようにして季節の変化をきめ細かくとらえて農事に生かしたのです。

この「二十四節気」は日本では平安時代に取り入れられました。日本と中国とでは位置も気候も異なり、中国の二十四節気は必ずしもすべてが日本の気候に合うものではありませんでしたが、私たちの生活に根付き、大多数の日本人が農業とは無縁になった現代でもテレビのニュースなどで「今日から立春です」などと使われています。

1年には春夏秋冬4つの季節がありますが、古代中国人はそれをさらに24の「節気」に分けました。1年を24に分けるならそれぞれ約15日、その節気にはまたそれぞれ3つの「候」を設け、3×24で72候、約5日で1つの候としてそれぞれの候にその季節の特徴を表す言葉をつけました。

日本は平安時代からこの二十四節気を暦の中に取り入れましたが、これだけでは日本の気候の説明には足りないので、「雑節」というものを設けました。雑節には、節分・彼岸・八十八夜・入梅・半夏生・土用・二百十日などがあります。

さらに「七十二候」については江戸時代の天文暦学者・渋川春海が日本の気候に合わせて改訂版を出し、その後明治時代に「略本暦」が出てそれまでの「七十二候」を大幅に変えました。現在使われている日本の七十二候はこれが元になっており、上の図に書かれているのもこの七十二候です。

なお2016年に中国の「二十四節気」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。

清明の七十二候(日本)

玄鳥到る
玄鳥到る。

日本の清明の七十二候は以下のようになります。

清明の七十二候
内容時期
初候玄鳥つばめきた4月4日頃

4月8日頃
次候鴻雁こうがんきたへかえる4月9日頃

4月13日頃
三候にじはじめてあらわ4月14日頃

4月19日頃

「燕が南からやってきて、雁は北へ帰り、雨が上がると春の空に虹がかかる」がという景色です。

燕は「玄鳥(げんちょう)」「乙鳥(つばくら)」「天女(つばくらめ)」など色々な呼び方があります。

鴻雁北へかえる
鴻雁北へかえる。
虹始見
虹始見。

清明の七十二候(中国)

桐の花
桐の花。

中国の清明の七十二候は、「桐始華」「田鼠化為鴽」「虹始見」で、「桐の花が咲き、陰を好む野ネズミがいなくなり、雨の後の空に虹がかかるようになる」という意味です。

清明節

二十四節気の「清明」の時期は「清明節」もあり、二十四節気の中で「清明」だけが、節気と節日を兼ねています。

中国の清明節は「お墓参り」の日。清明節の前後一か月ほど、人々は親族や先祖が眠るお墓に行き、雑草を取ったり、お墓の手入れをしたり、きれいになった墓前に酒など供物を捧げ、紙銭を焼いて冥福を祈ります。

日本ではお彼岸やお盆、命日などにお墓参りをしますが、中国では一般にこの日だけがお墓参りの日です。

鬼節

清明節はまた「鬼節」(死者の日)とも呼ばれます。「鬼節」は3回あり、この清明節と7月15日の「中元節」、10月15日の「下元節」を合わせて「三冥節」とも言います。最近では「ハロウィン」も「鬼節」と呼ばれたりします。

日本で「鬼」と言えば、あの角が生えて毛むくじゃら、虎のふんどしかパンツをつけて片手に金棒を持った姿の妖怪?ですが、中国で「鬼」は普通亡霊を意味します。

清明の頃の遊び

清朝のブランコ
清朝のブランコ。

昔の中国では、清明節には「踏青」(ピクニック)に行ったり、「秋千」と呼ばれるブランコ遊びをしたり、凧揚げをしました。この季節が外遊びにちょうどいいということもあるでしょうが、もう一つ清明節には「寒食」を食べるという習慣があったからです。「寒食」とは「火を通さない食事」のこと。中国人は今も冷えた食べ物を嫌いますが、これは冷たい食べ物は体に悪いとされてきたからです。その体に悪いものを食べる日なので、体を動かしてそのマイナスを極力防ごうとこうした外遊びが考え出されたと言います。

この日に寒食を取るのは、紀元前の春秋時代、晋の文公・重耳(ちょうじ)が部下を焼死させてしまったという歴史上の出来事に由来しています。

沖縄のシーミー(清明祭)

清明節は沖縄でも行われ「シーミー」と呼ばれています。清明の頃、親族一同がお墓にお参りして、そこでお弁当を広げます。沖縄の道路を車で走っていると、しばしば人家のような要塞のような大きなコンクリートの造形物を目にしますが、これは「亀甲墓」(かめこうばか・きっこうばか)と呼ばれるお墓です。親族一同が集まれるほど広く、ここでお弁当やお酒、お茶などを並べて皆で食べ、死者を供養するのです。沖縄の人は「お墓は怖い所でも不吉な所でもない」と言います。死者も生きている人もいっしょなんだそうです。

「亀甲墓」は福建省の文化が伝わったとされますが、死者と生者が共に食事を楽しむという習慣は沖縄独特かもしれません。

清明の行事・イベント

お花見

お花見

関東~東北では清明の頃がお花見日和になり、各地の桜の名所はお花見客でにぎわいます。

清明の「旬の食べ物」

清見(みかん)

清見(みかん)

清見はみかんとオレンジの中間のような特徴を持ち、酸っぱさの少ない柑橘類です。3~4月に採れ、清明の頃が最も旬となります。

アスパラガス

アスパラガス

年間を通してスーパーで見かけるアスパラガスですが、旬の時期は4~5月になります。

清明の「季節の花」

ソメイヨシノ

ソメイヨシノ

3月下旬から咲き始めたソメイヨシノが、清明の頃には満開になります。

枝垂桜

枝垂桜

枝垂桜もソメイヨシノと同じく清明の頃に満開になります。

八重桜

八重桜

八重桜はソメイヨシノよりもやや遅く、4月上旬~4月下旬ごろが見ごろとなっています。

タンポポ

タンポポ

タンポポは種類にもよりますが、日本の在来種は3~5月に咲きます。

清明の関連ページ

清明の項は以上で終了となりますが、このサイトでは清明の1つ前の節気「春分しゅんぶん」や、清明の次の節気「穀雨こくう」、また「二十四節気にじゅうしせっき」や「七十二候しちじゅうにこう」についてもリンク先で詳しく紹介しています。