白露

白露

白露はくろとは二十四節気にじゅうしせっきの1つで、処暑しょしょの次、秋の3番目の節気です。

このページでは白露の意味、成り立ち、実際の季節感とのずれ、2019年の白露の日にちと期間、白露の七十二候、白露の食べ物や季節の花などを紹介していきます。

なお、2019年の白露は9月8日となっています。

白露とは

白露

白露はくろとは二十四節気にじゅうしせっきの1つで、「草木に白い露が見られるようになる時期」を意味します。太陽の位置を表す黄経で165度の時を言い、新暦では9月7日~8日ごろで年によって変わります。

気温が下がってきて地面に近いところでは大気中の水分が露になって結ぶころです。

処暑は二十四節気の1つ

二十四節気とは古代中国で作られた暦で、日本では平安時代から使われています。上の図のように1年を24等分し、それぞれに名前を付けたものです。

二十四節気は太陽の運行に基づいており、1年で最も昼の長い日を夏至げし、1年で最も昼の短い日を冬至とうじ、昼と夜の長さが同じ日を春分しゅんぶん秋分しゅうぶんとし、この4つを春・夏・秋・冬の中心として決めた暦です。この4つの節気は合わせて「二至二分にしにぶん」と呼ばれています。

二十四節気の仕組み

この二至二分が二十四節気を決めるうえでの基準となっています。

立秋はこの夏至と秋分のちょうど中間の日で、暦の上ではこの日から秋が始まります。

秋の節気は立秋りっしゅう処暑しょしょ白露はくろ秋分しゅうぶん寒露かんろ霜降そうこうとなっており、白露は秋の3番目の節気です。

また、立春りっしゅん立夏りっか立秋りっしゅう立冬りっとうの4つを「四立しりゅう」と言い、それぞれ春夏秋冬の始まりの日として重要な節気となっており、二至二分と四立を合わせて「八節はっせつ」と言います。

二十四節気の成立時期
二十四節気の成立時期。殷の頃に二至二分、西周の頃に八節、春秋戦国の頃に二十四節気がそれぞれ成立しました。

2019年の白露はいつ?

白露の日にちと期間

二十四節気のそれぞれの節気には、その日1日を意味する場合と、次の節気までの期間を意味する場合があります。

2019年の白露であれば、以下のようになります。

・日付としての2019年の白露は9月8日。

・期間としての2019年の白露は9月8日~9月22日まで。

二十四節気と実際の季節感がずれる理由

二十四節気は「実際の季節感とずれている」と感じることがあります。特に立春(2月上旬)、立夏(5月上旬)、立秋(8月上旬)、立冬(11月上旬)の4つの節気はそれぞれ春夏秋冬の始まりを意味しますが、「春というにはまだ早い」などと感じます。

ここではその「実際の気候とずれる理由」について解説します。

春夏秋冬の決め方

二十四節気

夏至は昼の時間の最も長い日、冬至は昼の時間の最も短い日です。

けれども夏至に最も暑くなり、冬至に最も寒くなるかというとそうではなく、実際にはそれより1~2か月ほど遅れて最も暑い日、最も寒い日がやってきます。

ただし二十四節気はこの「夏至を夏の中心」「冬至を冬の中心」そして「昼と夜の長さが同じ春分・秋分を春の中心と秋の中心」として1年を4等分し、春夏秋冬を決めました。

そのため「立春と言われてもまだまだ寒く、冬と感じる」ということが起こります。

日本と中国との気候の違い

また、二十四節気が作られたのは紀元前の中国黄河流域のため、現在の東京の気候とはややずれがあります。

下の地図の中央左にある洛陽らくようが東周時代の首都で、中原ちゅうげんとはこの周辺一帯を指す言葉です。二十四節気はこの中原で作られたと考えられています。

二十四節気が作られた地域の地図

気候の違いについては以下のグラフを見ながら解説します。

二十四節気が作られた地域の地図

上のグラフは二十四節気が作られた中原ちゅうげん から代表して洛陽を選び、東京と年間の平均最高気温を比べたものです。

グラフの6月あたりを見ると、中国には梅雨と台風がないため暑さのピークが日本よりも1~2か月程度早くなっています。この部分が二十四節気と日本の実際の季節とが最も異なる箇所になります。立夏は5月上旬ですが、中国のグラフでは夏の始まりと言われて納得がいくものの、日本のグラフでは夏はもう少し先と感じます。

日本が1月・2月で気温がほぼ変わらず12月はそれより暖かいのに対し、中国では1月が最も寒く2月より12月の方が冷え込んでいます。これも冬の季節感のずれに繋がっています。

節気には日付と期間の2つの意味がある

また、二十四節気の1つ1つには期間としての意味もあるものの、カレンダーやニュースなどではもっぱら日付としての意味で使われています。このことも二十四節気と日本の実際の季節感がずれる要因となっています。

二十四節気と七十二候

七十二候

「二十四節気」は、古代中国で作られた農事を指導するために作られた暦で、春秋戦国時代(BC.770~BC.221)黄河流域で作られたと言われます。中国では暦として月の運行に基づいた「太陰暦」が使われていましたが、これですと実際の季節とズレが生まれてしまうため、太陽の運行の軌跡を24等分した「二十四節気」や、それをさらに約5日ごとに分割した「七十二候しちじゅうにこう」が作られました。このようにして季節の変化をきめ細かくとらえて農事に生かしたのです。

この「二十四節気」は日本では平安時代に取り入れられました。日本と中国とでは位置も気候も異なり、中国の二十四節気は必ずしもすべてが日本の気候に合うものではありませんでしたが、私たちの生活に根付き、大多数の日本人が農業とは無縁になった現代でもテレビのニュースなどで「今日から立春です」などと使われています。

1年には春夏秋冬4つの季節がありますが、古代中国人はそれをさらに24の「節気」に分けました。1年を24に分けるならそれぞれ約15日、その節気にはまたそれぞれ3つの「候」を設け、3×24で72候、約5日で1つの候としてそれぞれの候にその季節の特徴を表す言葉をつけました。

日本は平安時代からこの二十四節気を暦の中に取り入れましたが、これだけでは日本の気候の説明には足りないので、「雑節」というものを設けました。雑節には、節分・彼岸・八十八夜・入梅・半夏生・土用・二百十日などがあります。

さらに「七十二候」については江戸時代の天文暦学者・渋川春海が日本の気候に合わせて改訂版を出し、その後明治時代に「略本暦」が出てそれまでの「七十二候」を大幅に変えました。現在使われている日本の七十二候はこれが元になっており、上の図に書かれているのもこの七十二候です。

なお2016年に中国の「二十四節気」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。

白露の七十二候(日本)

草露白し
草露白し。

日本の白露の七十二候は以下のようになります。

白露の七十二候
内容時期
初候草露くさつゆしろ9月7日頃

9月11日頃
次候鶺鴒せきれい9月12日頃

9月16日頃
末候玄鳥つばめ9月17日頃

9月21日頃

草に降りた露は白く、セキレイが鳴き始め、ツバメが南の国に飛び去っていく季節です。

鶺鴒鳴く
鶺鴒鳴く。
玄鳥去る
玄鳥去る。

草に結ぶ露とツバメは今でも目にする光景ですが、セキレイはなかなか見かけません。

セキレイという名前は聞いたことがあるものの、どこを飛んでいるんでしょうか。セキレイ…もともとは中国語「鶺鴒(ジーリン)」の日本語読みです。カラス・スズメ・ハト・ツバメ・メジロ…これら和語の名称を持つ野鳥に比べるとセキレイは明らかに外来種。どこかで日本人の生活の中に入ってきたのでしょうね。

白露の七十二候(中国)

鳥たちの冬備え

中国の白露の七十二候はそれぞれ「鴻雁來」「玄鳥歸」「群鳥養羞」で、「雁が北から飛んできて、ツバメが去り、鳥たちが餌を取って冬に備えている」という季節です。

重陽の節句

菊

9月9日は「重陽の節句」、もともとは中国の節句ですが日本でも昔からお祝いをしてきました。昔の日本の重陽の節句は旧暦で行われ、中国では今もいわゆる節句はすべて旧暦でお祝いします。

9が重なる重陽の節句は「菊の節句」、新暦では菊の花には少し早いですが、旧暦ならちょうど菊の花の盛りです。

秋の七草

萩
萩。秋の七草のひとつ。
ススキ
ススキ。秋の七草のひとつ。
葛
葛。秋の七草のひとつ。
撫子
撫子。秋の七草のひとつ。
オミナエシ
オミナエシ。秋の七草のひとつ。
フジバカマ
フジバカマ。秋の七草のひとつ。
桔梗
桔梗。秋の七草のひとつ。

萩(はぎ)・すすき・葛(くず)・撫子(なでしこ)・オミナエシ・フジバカマ・桔梗(ききょう)…秋の七草と言われる植物です。どれをとっても華やかな花ではなく、道端に生えていても見過ごしてしまうような地味な花たち。今ではすすきと桔梗以外はあまり目にすることもありません。けれどもこれらの草花は万葉集の時代から歌われ、私たちの祖先に愛されてきました。

中国人はこうした地味な草花を愛でる日本人の感性が理解できないと言います。彼らにとって「花」とは、一般に牡丹のような艶やかでおおぶりな目立つ花のことです。

秋の七草のひとつ「なでしこ」も可憐ではあるものの目立つことのない草花です。けれども昔の日本人はこの花を日本の乙女にたとえて「大和なでしこ」と呼び、乙女たちもまたそう呼ばれることを誇りとしてきました。今でも女子サッカーナショナルチームは「なでしこジャパン」と呼ばれています。昔だってもっと美しい花はあったでしょうにあえて「なでしこ」にしたのはなぜなのでしょうか。

「なでしこ」は漢字で書くと「撫子」…「子をなでる」と書きます。子供らを優しくなで、目立たないけれどもよく見ると清楚で可愛らしい…日本人の祖先はこうした姿に女性美を求めたのかもしれません。

昔からよく和歌に歌われている「萩」も花はとても小さくて目立ちません。こんな地味な花に美を見出した昔の人の感性の細やかさ、優しさを思わずにいられません。

白露の「旬の食べ物」

スダチ

スダチ

スダチの旬は8月~10月ごろ。そうめんに入れたり、サンマやマツタケなどに掛けて食べたりと、晩夏から秋にかけての味覚です。

ブドウ

ブドウ

ブドウには巨峰やマスカットなど様々な品種がありますが、そのほとんどの旬の時期は8月下旬~9月下旬ごろです。

イチジク

イチジク

イチジクは感じでは無花果と書きますが、これは花を付けずに実がなるように見えることから名付けられました。旬の時期は9月ごろです。

梨

薬膳では喉が痛いときには梨を食べるといいと言われています。梨の採れる時期は9月~11月。旬の時期は10月です。

栗

栗の採れる時期は8月下旬~10月下旬ごろ。秋の味覚の一つです。

白露のころからは栗ご飯のおいしい季節になりますね。

栗ご飯

マツタケ

マツタケ

秋の味覚の中でも高価な食材として知られるマツタケは9月~10月に採れます。

マツタケご飯や、マツタケを入れたお吸い物は香りがよく、昔から食べられてきました。松尾芭蕉の俳句などにも登場します。

マツタケご飯

サンマ

サンマ

秋の味覚のうち、魚料理と言えばサンマが思い浮かびます。サンマが獲れる時期は9月~11月。白露の頃よりスーパーなどで出回り始めます。

白露の「季節の花」

コスモス

コスモス

コスモスと言えば秋の花ですが、早い種類は7月の下旬ごろから咲いています。主に9~10月に見ごろを迎えます。

ミズヒキ

ミズヒキ

のし袋や贈答用の箱に掛ける紅白の紐(帯)のことを水引(みずひき)と言いますが、ミズヒキは花の部分が紅白で水引に似ていることから名付けられました。8月上旬~10月上旬ごろに咲きます。

水引
水引。

白露の関連ページ

白露の項は以上で終了となりますが、このサイトでは白露の1つ前の節気「処暑しょしょ」や、白露の次の節気「秋分しゅうぶん」、また「二十四節気にじゅうしせっき」や「七十二候しちじゅうにこう」についてもリンク先で詳しく紹介しています。