小寒

小寒

小寒しょうかんとは二十四節気にじゅうしせっきの1つで冬の5番目の節気です。

このページでは小寒の意味、成り立ち、実際の季節感とのずれ、2019年の小寒の日にちと期間、小寒の七十二候、小寒の食べ物や季節の花などを紹介していきます。

なお、2019年の冬至は1月6日となっています。

小寒とは

小寒

小寒しょうかんとは二十四節気にじゅうしせっきの1つで、「最も寒い時期の始まり」を意味します。太陽の位置を表す黄経で285度の時を言い、新暦では1月5日~6日ごろで年によって変わります。

小寒が「寒の入り」で、立春の前日が「寒の開け」、寒の入りから寒の開けまでの1か月を「寒の内」と言います。ちなみに「寒」(かん)とは「最も寒い時期」のことです。

寒中見舞い」を出すのはこの「寒の内」の期間になります。

小寒は二十四節気の1つ

二十四節気とは古代中国で作られた暦で、日本では平安時代から使われています。上の図のように1年を24等分し、それぞれに名前を付けたものです。

二十四節気は太陽の運行に基づいており、1年で最も昼の長い日を夏至げし、1年で最も昼の短い日を冬至とうじ、昼と夜の長さが同じ日を春分しゅんぶん秋分しゅうぶんとし、この4つを春・夏・秋・冬の中心として決めた暦です。この4つの節気は合わせて「二至二分にしにぶん」と呼ばれています。

二十四節気の仕組み

この二至二分が二十四節気を決めるうえでの基準となっています。

立冬はこの秋分と冬至のちょうど中間の日で、暦の上ではこの日から冬が始まります。

冬の節気は立冬りっとう小雪しょうせつ大雪たいせつ冬至とうじ小寒しょうかん大寒だいかんとなっており、小寒は冬の5番目の節気です。

また、立春りっしゅん立夏りっか立秋りっしゅう立冬りっとうの4つを「四立しりゅう」と言い、それぞれ春夏秋冬の始まりの日として重要な節気となっており、二至二分と四立を合わせて「八節はっせつ」と言います。

二十四節気の成立時期
二十四節気の成立時期。殷の頃に二至二分、西周の頃に八節、春秋戦国の頃に二十四節気がそれぞれ成立しました。

2019年の小寒はいつ?

小寒の日にちと期間

二十四節気のそれぞれの節気には、その日1日を意味する場合と、次の節気までの期間を意味する場合があります。

2019年の小寒であれば、以下のようになります。

・日付としての2019年の小寒は1月6日。

・期間としての2019年の小寒は1月6日~1月19日まで。

二十四節気と実際の季節感がずれる理由

二十四節気は「実際の季節感とずれている」と感じることがあります。特に立春(2月上旬)、立夏(5月上旬)、立秋(8月上旬)、立冬(11月上旬)の4つの節気はそれぞれ春夏秋冬の始まりを意味しますが、「春というにはまだ早い」などと感じます。

ここではその「実際の気候とずれる理由」について解説します。

春夏秋冬の決め方

二十四節気

夏至は昼の時間の最も長い日、冬至は昼の時間の最も短い日です。

けれども夏至に最も暑くなり、冬至に最も寒くなるかというとそうではなく、実際にはそれより1~2か月ほど遅れて最も暑い日、最も寒い日がやってきます。

ただし二十四節気はこの「夏至を夏の中心」「冬至を冬の中心」そして「昼と夜の長さが同じ春分・秋分を春の中心と秋の中心」として1年を4等分し、春夏秋冬を決めました。

そのため「立春と言われてもまだまだ寒く、冬と感じる」ということが起こります。

日本と中国との気候の違い

また、二十四節気が作られたのは紀元前の中国黄河流域のため、現在の東京の気候とはややずれがあります。

下の地図の中央左にある洛陽らくようが東周時代の首都で、中原ちゅうげんとはこの周辺一帯を指す言葉です。二十四節気はこの中原で作られたと考えられています。

二十四節気が作られた地域の地図

気候の違いについては以下のグラフを見ながら解説します。

二十四節気が作られた地域の地図

上のグラフは二十四節気が作られた中原ちゅうげん から代表して洛陽を選び、東京と年間の平均最高気温を比べたものです。

グラフの6月あたりを見ると、中国には梅雨と台風がないため暑さのピークが日本よりも1~2か月程度早くなっています。この部分が二十四節気と日本の実際の季節とが最も異なる箇所になります。立夏は5月上旬ですが、中国のグラフでは夏の始まりと言われて納得がいくものの、日本のグラフでは夏はもう少し先と感じます。

日本が1月・2月で気温がほぼ変わらず12月はそれより暖かいのに対し、中国では1月が最も寒く2月より12月の方が冷え込んでいます。これも冬の季節感のずれに繋がっています。

節気には日付と期間の2つの意味がある

また、二十四節気の1つ1つには期間としての意味もあるものの、カレンダーやニュースなどではもっぱら日付としての意味で使われています。このことも二十四節気と日本の実際の季節感がずれる要因となっています。

二十四節気と七十二候

七十二候

「二十四節気」は、古代中国で作られた農事を指導するために作られた暦で、春秋戦国時代(BC.770~BC.221)黄河流域で作られたと言われます。中国では暦として月の運行に基づいた「太陰暦」が使われていましたが、これですと実際の季節とズレが生まれてしまうため、太陽の運行の軌跡を24等分した「二十四節気」や、それをさらに約5日ごとに分割した「七十二候しちじゅうにこう」が作られました。このようにして季節の変化をきめ細かくとらえて農事に生かしたのです。

この「二十四節気」は日本では平安時代に取り入れられました。日本と中国とでは位置も気候も異なり、中国の二十四節気は必ずしもすべてが日本の気候に合うものではありませんでしたが、私たちの生活に根付き、大多数の日本人が農業とは無縁になった現代でもテレビのニュースなどで「今日から立春です」などと使われています。

1年には春夏秋冬4つの季節がありますが、古代中国人はそれをさらに24の「節気」に分けました。1年を24に分けるならそれぞれ約15日、その節気にはまたそれぞれ3つの「候」を設け、3×24で72候、約5日で1つの候としてそれぞれの候にその季節の特徴を表す言葉をつけました。

日本は平安時代からこの二十四節気を暦の中に取り入れましたが、これだけでは日本の気候の説明には足りないので、「雑節」というものを設けました。雑節には、節分・彼岸・八十八夜・入梅・半夏生・土用・二百十日などがあります。

さらに「七十二候」については江戸時代の天文暦学者・渋川春海が日本の気候に合わせて改訂版を出し、その後明治時代に「略本暦」が出てそれまでの「七十二候」を大幅に変えました。現在使われている日本の七十二候はこれが元になっており、上の図に書かれているのもこの七十二候です。

なお2016年に中国の「二十四節気」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。

小寒の七十二候(日本)

芹乃栄う
芹乃栄う。

日本の小寒の七十二候は以下のようになります。

小寒の七十二候
内容時期
初候せりすなわちさか1月5日頃

1月9日頃
次候水泉すいせんうご1月10日頃

1月14日頃
末候きじはじめて1月15日頃

1月19日頃

「セリが群れを成して生え、凍っていた泉が流れ出し、キジが鳴き始める」季節です。

水泉動く
水泉動く。
雉始めて雊く
雉始めて雊く。

小寒の七十二候(中国)

雁の群れ

中国の小寒の七十二候は、それぞれ「雁北鄉」「鵲始巢」「雉雊」です。

「雁が北へ向かい、カササギが巣を作り、キジが鳴く」季節です。

中国人が最も嫌う鳥はカラス、最も愛する鳥はカササギです。カラスが鳴けば縁起の悪いことが起こると言って眉をひそめ、カササギが鳴けば縁起の良いことが起こると言って喜びます。カラスの声はガーガーとうるさく、真っ黒な姿でゴミを漁り、見る者に嫌悪感を与えますが、カササギはその姿も鳴き声も美しく、天はあまりにも不公平…まあ、カラスは気にしないでしょうが。

カササギ
カササギ。

春の七草

春の七草
春の七草。

初候に出てくるセリは春の七草の一つ。春の七草とは、せり・なずな・ははこぐさ・はこべ・ほとけのざ・すずな(カブ)・すずしろ(大根)の7種の草。秋の七草と違って「草花」ではなく「草」です。1月7日は関東ではお正月の行事が終わる日、この日までを「松の内」と言い、この7日健康を願って、春の七草を入れた「七草がゆ」をいただきます。ちなみに関西では15日までが「松の内」です。

七草粥
七草粥。
セリ
セリ。春の七草のひとつ。
ナズナ
ナズナ。春の七草のひとつ。
ハハコグサ
ハハコグサ。春の七草のひとつ。
ハコベ
ハコベ。春の七草のひとつ。
コオニタビラコ(ホトケノザ)
コオニタビラコ(ホトケノザ)。春の七草のひとつ。
カブ
カブ。春の七草のひとつ。
大根
大根。春の七草のひとつ。

小寒の時期の正月行事

鏡餅

小寒の時期は日本ではまだお正月気分。関東では1月7日に、関西では1月15日に松飾りをはずし、どんど焼きでお正月の飾りものを焼いて、歳神様を天に送ります。

11日は「鏡開き」で、「鏡餅」を割ってかき餅などにして食べます。

「鏡餅」は歳神様の依り代、あの丸いお餅は三種の神器の一つ「八咫鏡(やたのかがみ)」をかたどったものだそうです。鏡餅の上の乗せるミカン(本当はダイダイ)もやはり三種の神器の一つ「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」をかたどっているそうで、畏れ多いものだったのですね。子供の頃から続く習慣として無意識に受け継いでいましたが、天照大神(あまてらす おおみかみ)の神話につながる伝統です。

15日は「小正月」と言って小豆粥を食べる習慣があったそうですが、今ではむしろこの頃は「成人式」の話題がニュースで報じられたりしています。成人の日は1月の第2月曜日です。

小豆粥
小豆粥。

臘八節(ろうはちせつ)

臘八粥
臘八粥。

小寒前後、旧暦の12月8日は中国では「臘八節」と言い、狩りで得た禽獣を神様に捧げて豊作と吉祥を祈りました。「臘」とは「猟」であり、「臘祭」は「猟祭」、つまり猟で得た獲物を神様に供える日のことです。こうして12月は「臘月」とも呼ばれるようになりました。

この日は仏教寺院が貧しい人にお粥を施す日でもあり、その習慣が各家庭にも伝わりお粥を作るようになりました。これを「臘八粥」と言います。

「臘八粥」は、小豆、糯米、クルミ、松の実、柿や栗、さらには落花生やドライフルーツなどに砂糖を加えて作りました。その後これを、門神・かまどの神様・土神・財神などに捧げ、加護や五穀豊穣を祈り、最後に家族みんなででこれを食べます。

この「臘八粥」おいしそうですね。中華街などのお粥専門店ならメニューにあるかもしれません。

成人の日

成人の日

日本はこの小寒の頃に成人の日があります。かつては1月15日に固定されていたのですが、ハッピーマンデー制度により2000年から1月の第2月曜日が成人の日になりました。

成人の日には成人式が自治体によって行われますが、これらは日本独自の文化となっています。中国にはこういう日はなく、一般には高校を卒業する18歳が成人と見なされています。日本のように20歳前はお酒もたばこもいけないという法律もありませんので、中国人の若者に「まだ20歳前だからお酒は飲めませんね」と言うとキョトンとされます。

日本の成人式は伝統的に着物や袴姿で出席する新成人が多くそれが当たり前のように感じていますが、中国の若者は「美しい民族衣装で成人式を祝えるのはうらやましい」と言います。中国の民族衣装とは何か。いわゆる立ち襟のチャイナ服は胡服(西北の騎馬民族の衣装)であって漢民族の民族衣装とは言えず、「漢服」という紀元前からの衣装がそれに相当しますが、あまりに時代が離れてしまっていてこれを着てもコスプレ的な印象がいなめません。

日本の若者が着物や袴姿で違和感なく成人式や卒業式に出席できるというのは伝統が断ち切られなかったということで、実はとても素晴らしいことなのだと思います。

小寒の「旬の食べ物」

リンゴ

リンゴ

リンゴには様々な品種がありますが、11月~1月ごろは様々な品種で旬の時期を迎えます。

ミカン

ミカン

冬の果物と言えばミカン。和歌山、愛媛、静岡などで多く栽培されています。旬の時期は12月~2月ごろ。

サツマイモ

サツマイモ

寒くなってくるとサツマイモのおいしい季節になります。10月~1月ごろが旬の時期。スーパーなどで見かけるようになります。

大根

大根

大根は品種改良などの結果、一年中見かけるようになりましたが、本来の旬の時期は12月~1月ごろ。大雪の頃よりおいしい大根が出回り始めます。

寒い時期に昔から食べられてる「ふろふき大根」などは冬の季語になっています。

ふろふき大根

また、この時期になるとおでんの具としても親しまれています。

おでん

おせち料理

おせち料理

正月料理と言えばおせち料理。黒豆・数の子・伊達巻・エビ・鯛など、縁起の良い物が重箱に詰められています。

お雑煮

お雑煮

お雑煮も古来より正月に食べられてきました。数ある正月料理のうちの一つです。

お汁粉

お汁粉

お汁粉もお雑煮と同じく正月のおもち料理です。粒あんの物はぜんざいと呼ばれることもあります。

いよかん

いよかん

いよかんは伊与国(愛媛県)で栽培されていたことから名付けられました。現在でも愛媛県を中心に栽培され、1~3月に収穫期を迎えます。

ポンカン

ポンカン

ポンカンも愛媛県で最も生産されています。1~2月に出回ります。

小寒の「季節の花」

シクラメン

シクラメン

様々な品種のあるシクラメンの開花期は10月~3月ごろ。冬の間は見かけることができます。

サザンカ

サザンカ

サザンカはツバキとよく似た花ですが、サザンカのほうが先に咲きます。開花期は10月上旬~1月下旬ごろ。

ツバキ

ツバキ

ツバキはサザンカより遅く、種類にもよりますが1月中旬~4月下旬ごろに咲きます。

プリムラ

プリムラ

早春を伝える花と言われるプリムラ。12月~4月ごろに咲きます。

小寒の関連ページ

小寒の項は以上で終了となりますが、このサイトでは小寒の1つ前の節気「冬至とうじ」や、小寒の次の節気「大寒だいかん」、また「二十四節気にじゅうしせっき」や「七十二候しちじゅうにこう」についてもリンク先で詳しく紹介しています。