鳳凰 【中国文化】
目次
- 1. 鳳凰
- 1-1. 鳳凰とは
- 1-2. 鳳凰の起源
- 1-3. 鳳は雄、凰は雌
- 1-4. さまざまな部族のトーテムの集合
- 1-5. 雌雄合体型から雌のイメージに
- 2. 鳳凰と龍
- 3. 鳳凰と朱雀
- 4. 鳳凰とフェニックス
- 5. さまざまな鳳凰像
- 6. 日本の鳳凰像
- 7. 鳳凰の文字が入った成語
鳳凰
鳳凰とは
鳳凰とは中国の伝説上の動物で、鳥の中で最も崇拝される霊鳥です。鳳凰の起源としてはさまざまな説がありますが、そのうち最も有力なのはニワトリ説です。また、キンケイをモチーフとする説もあります。
鳳凰の起源
龍と同様、鳳凰も氏族のトーテム(特定の部族と宗教的に結びつけられた野生の動物や植物の象徴)崇拝と結びつき、神格化されていったのではないかと言われています。
鳳は雄、凰は雌
鳳凰は想像上の鳥で、吉祥や調和の象徴です。鳳は雄、凰は雌で、合わせて鳳凰といいます。
さまざまな部族のトーテムの集合
鳳凰は初めはシンプルな鳥の姿をしていましたが、時代が下るとともに複雑化し、鹿、蛇、魚、燕などさまざまな鳥や獣が集合した形となりました。中国大陸の東部や北部に住む部族たちのトーテムの集合が龍となり、西部や南部に住む部族たちのトーテムの集合が鳳凰となったとも言われています。
雌雄合体型から雌のイメージに
秦や漢王朝以降、龍は帝王の象徴となりますが、鳳凰は皇后や妃の象徴となっていきます。こうして鳳凰は雌雄合わせた鳥というよりは雌のイメージを持つようになります。
鳳凰と龍
龍と並べて図案化されたものを“龙凤呈祥 lóng fèng chéngxiáng”と言い、おめでたい図柄として結婚式の招待状などに使われます。新郎が龍、新婦が鳳凰です。
鳳凰と朱雀
鳳凰の姿は時代とともに少しずつ変化するのですが、漢代に鳳凰は四霊(「青龍」「白虎」「朱雀」「玄武」四種の霊獣)の一つ「朱雀」とも呼ばれ、ニワトリの頭、蛇の首、鳥の翼、クジャクの尾羽で舞姿になります。宋代以降鳳凰の姿は定まり、朱雀を元にさらに華麗、富貴なものになっていきます。
鳳凰とフェニックス
鳳凰はフェニックスと訳されますが、鳳凰は中国起源(インドという説も)、フェニックスはエジプト起源で、両者に交流・影響があったのかどうかはわかりません。ただどちらも伝説の神鳥です。フェニックスは寿命が来ると自ら火の中に飛び込むのですが蘇り、そこで「不死鳥」「火の鳥」とも称されます。またフェニックスの形は「体つきはワシに似て、赤と金の彩りの羽を持つ」とか「頭や脚や羽に装飾品をつけている」などと言われます。
さまざまな鳳凰像
鳳凰は吉祥のシンボル、縁起の良い霊鳥ですからさまざまな場所でその姿が刻まれています。
日本の鳳凰像
日本でも金閣寺や平等院の屋根に金色の鳳凰が立ち、美しさを添えています。
鳳凰の文字が入った成語
龍と同様、鳳凰の言葉が入った成語も数多くあります。
望女成凤
“望女成凤 wàng nǙ chéng fèng”(娘に鳳凰になることを望む。)
“望子成龙”(息子に立身出世を望む)と対になった成語です。息子には龍になることを、娘には鳳凰になること、つまり人に抜きん出た存在になることを望むという親の期待の言葉です。
风毛麟角
“凤毛麟角 fèng máo lín jiǎo”(鳳凰の羽毛、麒麟の角のように得難い人物やもののこと。)
素晴らしい能力の持ち主だ、などと人をほめる時に使います。