双喜紋 【中国文化】

双喜紋

双喜紋はおめでたい図案

双喜紋とは中国語で“双喜纹 shuāngxǐwén”、文字通り「喜ぶ」という漢字を二つ並べた文様で、おめでたさを表します。中国では陶器や布、家具などに用いて“双喜临门 shuāngxǐ lín mén”(二つの喜び事がやってくる)、 “喜上加喜 xǐshàng jiāxǐ”(喜びに喜びが重なる)意味を表します。

また、双喜紋のデザインは円の中にぴたりと収まるように変形したり、比較的自由に変化することが多くなっています。

双喜紋が描かれたティーポット
双喜紋が描かれたティーポット
円形の双喜紋
円形の双喜紋
様々なデザインの双喜紋
様々なデザインの双喜紋

双喜紋の作成者は王安石

双喜紋の文様を作ったのは北宋の政治家・詩人・文章家の王安石(1021~1086)だと言われています。王安石が科挙の試験を受けようと都に上る途中、ある屋敷で「走馬灯,灯走馬,灯熄馬停步」という句を受けてうまく下の句を作った者を婿にするというお触れを出します。そのまま試験を受けに急ぐと試験問題が「飛虎旗,旗飛虎,旗巻虎蔵身」の上の句を作れという内容でした。この二つを合わせて答案を出すと見事合格、ついでにお婿さんの座も射止めます。そこで喜びの字を二つ合わせておめでたい文様にしたというのです。その後民間でも結婚式にはこの字を飾るようになったということです。

ラーメンの器の双喜紋

日本では双喜紋はラーメンの器の模様としてよく使われていますが、これは日本独自の現象でしょう。中国でめん類の器に使うという話は聞きません。日本でラーメンは中華料理の一つですから、中国風文様として使うようになったのでしょう。ちなみに中国でラーメンは日本料理として大人気です。中国にもラーメン(“拉面 lāmiàn”)という名前のめんはありますが、味はまったく違います。

ラーメンの器に描かれた双喜紋
ラーメンの器に描かれた双喜紋