大暑

大暑

大暑たいしょとは二十四節気にじゅうしせっきの1つで、小暑しょうしょの次、夏の最後の節気です。

このページでは大暑の意味、成り立ち、実際の季節感とのずれ、2019年の大暑の日にちと期間、大暑の七十二候、大暑の食べ物や季節の花などを紹介していきます。

なお、2019年の大暑は7月23日となっています。

大暑とは

大暑

大暑たいしょとは二十四節気にじゅうしせっきの1つで、夏の最後の節気です。太陽の位置を表す黄経で120度の時を言い、新暦では7月22日~23日ごろで年によって変わります。

「暑」とは「炎熱」の意味で、「大暑」は「炎熱の時期」という意味です。

ちなみに中国語で「暑い」という意味には「暑」ではなく「熱」という字を当てます。

大暑の季節はちょうど「三伏さんぷく」のうちの「中伏」、一年で最も暑い日です。「三伏」とは夏の酷暑の時期を言い、「初伏」「中伏」「末伏」があります。夏至の後の第3のかのえの日を「初伏」と言い、第4の庚の日を「中伏」、立秋後の第1の庚の日を「末伏」と言います。

大暑は二十四節気の1つ

二十四節気とは古代中国で作られた暦で、日本では平安時代から使われています。上の図のように1年を24等分し、それぞれに名前を付けたものです。

二十四節気は太陽の運行に基づいており、1年で最も昼の長い日を夏至げし、1年で最も昼の短い日を冬至とうじ、昼と夜の長さが同じ日を春分しゅんぶん秋分しゅうぶんとし、この4つを春・夏・秋・冬の中心として決めた暦です。この4つの節気は合わせて「二至二分にしにぶん」と呼ばれています。

二十四節気の仕組み

この二至二分が二十四節気を決めるうえでの基準となっています。

立夏りっかはこの春分と夏至のちょうど中間の日で、暦の上ではこの日から夏が始まります。

夏の節気は立夏りっか小満しょうまん芒種ぼうしゅ夏至げし小暑しょうしょ大暑たいしょとなっており、大暑は夏の最後の節気です。

また、立春りっしゅん立夏りっか立秋りっしゅう立冬りっとうの4つを「四立しりゅう」と言い、それぞれ春夏秋冬の始まりの日として重要な節気となっており、二至二分と四立を合わせて「八節はっせつ」と言います。

二十四節気の成立時期
二十四節気の成立時期。殷の頃に二至二分、西周の頃に八節、春秋戦国の頃に二十四節気がそれぞれ成立しました。

2019年の大暑はいつ?

大暑の日にちと期間

二十四節気のそれぞれの節気には、その日1日を意味する場合と、次の節気までの期間を意味する場合があります。

2019年の大暑であれば、以下のようになります。

・日付としての2019年の大暑は7月23日。

・期間としての2019年の大暑は7月23日~8月7日まで。

二十四節気と実際の季節感がずれる理由

二十四節気は「実際の季節感とずれている」と感じることがあります。特に立春(2月上旬)、立夏(5月上旬)、立秋(8月上旬)、立冬(11月上旬)の4つの節気はそれぞれ春夏秋冬の始まりを意味しますが、「春というにはまだ早い」などと感じます。

ここではその「実際の気候とずれる理由」について解説します。

春夏秋冬の決め方

二十四節気

夏至は昼の時間の最も長い日、冬至は昼の時間の最も短い日です。

けれども夏至に最も暑くなり、冬至に最も寒くなるかというとそうではなく、実際にはそれより1~2か月ほど遅れて最も暑い日、最も寒い日がやってきます。

ただし二十四節気はこの「夏至を夏の中心」「冬至を冬の中心」そして「昼と夜の長さが同じ春分・秋分を春の中心と秋の中心」として1年を4等分し、春夏秋冬を決めました。

そのため「立春と言われてもまだまだ寒く、冬と感じる」ということが起こります。

日本と中国との気候の違い

また、二十四節気が作られたのは紀元前の中国黄河流域のため、現在の東京の気候とはややずれがあります。

下の地図の中央左にある洛陽らくようが東周時代の首都で、中原ちゅうげんとはこの周辺一帯を指す言葉です。二十四節気はこの中原で作られたと考えられています。

二十四節気が作られた地域の地図

気候の違いについては以下のグラフを見ながら解説します。

二十四節気が作られた地域の地図

上のグラフは二十四節気が作られた中原ちゅうげん から代表して洛陽を選び、東京と年間の平均最高気温を比べたものです。

グラフの6月あたりを見ると、中国には梅雨と台風がないため暑さのピークが日本よりも1~2か月程度早くなっています。この部分が二十四節気と日本の実際の季節とが最も異なる箇所になります。立夏は5月上旬ですが、中国のグラフでは夏の始まりと言われて納得がいくものの、日本のグラフでは夏はもう少し先と感じます。

日本が1月・2月で気温がほぼ変わらず12月はそれより暖かいのに対し、中国では1月が最も寒く2月より12月の方が冷え込んでいます。これも冬の季節感のずれに繋がっています。

節気には日付と期間の2つの意味がある

また、二十四節気の1つ1つには期間としての意味もあるものの、カレンダーやニュースなどではもっぱら日付としての意味で使われています。このことも二十四節気と日本の実際の季節感がずれる要因となっています。

二十四節気と七十二候

七十二候

「二十四節気」は、古代中国で作られた農事を指導するために作られた暦で、春秋戦国時代(BC.770~BC.221)黄河流域で作られたと言われます。中国では暦として月の運行に基づいた「太陰暦」が使われていましたが、これですと実際の季節とズレが生まれてしまうため、太陽の運行の軌跡を24等分した「二十四節気」や、それをさらに約5日ごとに分割した「七十二候しちじゅうにこう」が作られました。このようにして季節の変化をきめ細かくとらえて農事に生かしたのです。

この「二十四節気」は日本では平安時代に取り入れられました。日本と中国とでは位置も気候も異なり、中国の二十四節気は必ずしもすべてが日本の気候に合うものではありませんでしたが、私たちの生活に根付き、大多数の日本人が農業とは無縁になった現代でもテレビのニュースなどで「今日から立春です」などと使われています。

1年には春夏秋冬4つの季節がありますが、古代中国人はそれをさらに24の「節気」に分けました。1年を24に分けるならそれぞれ約15日、その節気にはまたそれぞれ3つの「候」を設け、3×24で72候、約5日で1つの候としてそれぞれの候にその季節の特徴を表す言葉をつけました。

日本は平安時代からこの二十四節気を暦の中に取り入れましたが、これだけでは日本の気候の説明には足りないので、「雑節」というものを設けました。雑節には、節分・彼岸・八十八夜・入梅・半夏生・土用・二百十日などがあります。

さらに「七十二候」については江戸時代の天文暦学者・渋川春海が日本の気候に合わせて改訂版を出し、その後明治時代に「略本暦」が出てそれまでの「七十二候」を大幅に変えました。現在使われている日本の七十二候はこれが元になっており、上の図に書かれているのもこの七十二候です。

なお2016年に中国の「二十四節気」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。

大暑の七十二候(日本)

桐始めて花を結ぶ
桐始めて花を結ぶ。

日本の大暑の七十二候は以下のようになります。

大暑の七十二候
内容時期
初候きりはじめてはなむす7月22日頃

7月27日頃
次候つちうるおいてあつ7月28日頃

8月1日頃
末候大雨たいうときどき8月2日頃

8月6日頃

桐の花が実をつけ、土から発散される熱気は蒸し暑く、にわか雨が時々猛烈に降り出す季節です。

土潤いて溽し暑し
土潤いて溽し暑し。
大雨時行る
大雨時行る。

大暑の七十二候(中国)

ホタル

大暑の七十二候は中国では、初候だけが日本と異なり、「腐草蛍と為る」となっています。この「腐草蛍と為る」は日本では「芒種」の次候(6月中旬)で使われています。ホタルには水生と陸生があり、陸生のホタルは枯草に産卵し大暑の時にそこで孵化するので、古代の中国人は腐草からホタルが生まれると思ったのです。

大暑の初候は7月末、芒種の次候は6月中旬、どちらであってもホタルが飛ぶ時期です。

「中暑」

二十四節気で大暑の1つ前は小暑。「中暑」という言葉は二十四節気には出てきませんが、中国語で熱中症のことを「中暑」と言います。「暑さに当たる」という意味です。気温が35度になると「中暑」になる人が増え、37度を超えると「中暑」になる人は急激に増えると言われます。

大暑のイベント・行事

祇園祭

祇園祭

祇園祭は9世紀より続くお祭りで、毎年7月1日から1か月にわたって行われます。

大暑の頃に京都で行われるこのお祭りは、その伝統から日本三大祭りにも数えられています。

ねぶた祭り

ねぶた祭り

大暑の終わりごろになると青森県などでねぶた祭りが行われます。かつては旧暦の七夕(7月7日)に行われていましたが、新暦を導入した明治時代から8月上旬に行うようになりました。

武者の絵が描かれた山車(だし)が有名で、この時期になるとねぶた祭りを行う地域では大勢の人でにぎわいます。

大暑の「旬の食べ物」

トウモロコシ

トウモロコシ

トウモロコシは6~9月ごろに収穫されます。日本で最も栽培されているのは北海道で、大暑の頃にはトウモロコシが大量にスーパーに並ぶようになります。

枝豆

枝豆

枝豆は作りやすく、家庭菜園などでも収穫することができます。7月~8月ごろが旬の時期です。

夏みかん

夏みかん

ほとんどの柑橘類は寒い時期に採れますが、夏みかんはその名の通り夏、それもやや早い時期の5~7月に採れます。

桃

啓蟄の頃に花を咲かせた桃が、ちょうど大暑の頃に実を付け旬の時期を迎えます。

スイカ

スイカ

夏の果物の代名詞スイカは旬の時期が長く、7月8月は美味しく食べられます。

大暑の「季節の花」

百日紅(サルスベリ)

百日紅(サルスベリ)

サルスベリは幹や枝が滑りやすく、サルでも滑ると言われたことから名づけられました。7月~9月ごろに咲きます。

ラベンダー

ラベンダー

富良野のラベンダー畑で有名なラベンダーは、7月上旬~8月上旬ごろに咲きます。その香りの良さから、伝統的にハーブ・香料として利用されてきました。

撫子

撫子

撫子(ナデシコ)は「やまとなでしこ」という言葉にもあるように、古くから日本で好まれてきた花です。秋の七草の一つにも選ばれており、6月~8月ごろに咲きます。

桔梗

桔梗

桔梗も秋の七草の一つですが、実際には早い時期から咲いており、6~8月に見かけることができます。

朝顔

朝顔

「朝顔に つるべ取られて もらい水」という有名な俳句がありますが、この「つるべ」とは井戸水をくむための桶のこと。朝顔のつるを断ち切ってしまうのを忍びなく思い、隣家に井戸を借りに行く情景が浮かびます。

この朝顔はまさに夏の季語。小暑のころから咲き始めます。

蓮(ハス)

蓮の花

蓮は池などでよく見かける花で、水の下の土の中から茎が伸びて、水面の上に花を咲かせます。6月下旬~8月上旬に咲きます。

ジャスミン

ジャスミンとジャスミン茶
ジャスミンとジャスミン茶。

中国でジャスミンは「茉莉花(まつりか)」と言い、蓮の花と同じく夏の花です。ジャスミンはジャスミン茶でも知られていますが、中国語でジャスミン茶は「茉莉花茶」、あるいは「香片茶」(シアンピエン茶)と言います。沖縄に「さんぴん茶」というジャスミン茶がありますが、これは「香片茶」から来たものでしょう。7月~9月に咲きます。

ヒマワリ

ヒマワリ

「夏の花」ヒマワリは7月上旬~9月上旬に咲きます。夏の間にすくすくと伸び、2~3メートルにもなります。

レンゲショウマ

レンゲショウマ

蓮華とは蓮の花とスイレンのことを指す言葉ですが、レンゲショウマは、この蓮華とサラシナショウマの2つに似ていることから名付けられました。

7月下旬~8月上旬に咲くため、ちょうど大暑の時期に見られます。

ホウセンカ

ホウセンカ

ホウセンカは7月中旬~9月下旬ごろに咲きます。秋になると実がはじけることで有名です。

大暑の関連ページ

大暑の項は以上で終了となりますが、このサイトでは大暑の1つ前の節気「小暑しょうしょ」や、大暑の次の節気「立秋りっしゅう」、また「二十四節気にじゅうしせっき」や「七十二候しちじゅうにこう」についてもリンク先で詳しく紹介しています。