霜降

霜降

霜降そうこうとは二十四節気にじゅうしせっきの1つで、寒露かんろの次、秋の最後の節気です。

このページでは霜降の意味、成り立ち、実際の季節感とのずれ、2019年の霜降の日にちと期間、霜降の七十二候、霜降の食べ物や季節の花などを紹介していきます。

なお、2019年の霜降は10月24日となっています。

霜降とは

霜降

霜降そうこうとは二十四節気にじゅうしせっきの1つで、「霜が降りてくるころ」を意味します。太陽の位置を表す黄経で210度の時を言い、新暦では10月23日~24日ごろで年によって変わります。秋の最後の節気になります。

秋はいよいよ深まり、朝は霜が降りるほど冷えてきます。

霜降は二十四節気の1つ

二十四節気とは古代中国で作られた暦で、日本では平安時代から使われています。上の図のように1年を24等分し、それぞれに名前を付けたものです。

二十四節気は太陽の運行に基づいており、1年で最も昼の長い日を夏至げし、1年で最も昼の短い日を冬至とうじ、昼と夜の長さが同じ日を春分しゅんぶん秋分しゅうぶんとし、この4つを春・夏・秋・冬の中心として決めた暦です。この4つの節気は合わせて「二至二分にしにぶん」と呼ばれています。

二十四節気の仕組み

この二至二分が二十四節気を決めるうえでの基準となっています。

立秋はこの夏至と秋分のちょうど中間の日で、暦の上ではこの日から秋が始まります。

秋の節気は立秋りっしゅう処暑しょしょ白露はくろ秋分しゅうぶん寒露かんろ霜降そうこうとなっており、霜降は秋の最後の節気です。霜降の次は立冬になります。

また、立春りっしゅん立夏りっか立秋りっしゅう立冬りっとうの4つを「四立しりゅう」と言い、それぞれ春夏秋冬の始まりの日として重要な節気となっており、二至二分と四立を合わせて「八節はっせつ」と言います。

二十四節気の成立時期
二十四節気の成立時期。殷の頃に二至二分、西周の頃に八節、春秋戦国の頃に二十四節気がそれぞれ成立しました。

2019年の霜降はいつ?

霜降の日にちと期間

二十四節気のそれぞれの節気には、その日1日を意味する場合と、次の節気までの期間を意味する場合があります。

2019年の霜降であれば、以下のようになります。

・日付としての2019年の霜降は10月24日。

・期間としての2019年の霜降は10月24日~11月7日まで。

二十四節気と実際の季節感がずれる理由

二十四節気は「実際の季節感とずれている」と感じることがあります。特に立春(2月上旬)、立夏(5月上旬)、立秋(8月上旬)、立冬(11月上旬)の4つの節気はそれぞれ春夏秋冬の始まりを意味しますが、「春というにはまだ早い」などと感じます。

ここではその「実際の気候とずれる理由」について解説します。

春夏秋冬の決め方

二十四節気

夏至は昼の時間の最も長い日、冬至は昼の時間の最も短い日です。

けれども夏至に最も暑くなり、冬至に最も寒くなるかというとそうではなく、実際にはそれより1~2か月ほど遅れて最も暑い日、最も寒い日がやってきます。

ただし二十四節気はこの「夏至を夏の中心」「冬至を冬の中心」そして「昼と夜の長さが同じ春分・秋分を春の中心と秋の中心」として1年を4等分し、春夏秋冬を決めました。

そのため「立春と言われてもまだまだ寒く、冬と感じる」ということが起こります。

日本と中国との気候の違い

また、二十四節気が作られたのは紀元前の中国黄河流域のため、現在の東京の気候とはややずれがあります。

下の地図の中央左にある洛陽らくようが東周時代の首都で、中原ちゅうげんとはこの周辺一帯を指す言葉です。二十四節気はこの中原で作られたと考えられています。

二十四節気が作られた地域の地図

気候の違いについては以下のグラフを見ながら解説します。

二十四節気が作られた地域の地図

上のグラフは二十四節気が作られた中原ちゅうげん から代表して洛陽を選び、東京と年間の平均最高気温を比べたものです。

グラフの6月あたりを見ると、中国には梅雨と台風がないため暑さのピークが日本よりも1~2か月程度早くなっています。この部分が二十四節気と日本の実際の季節とが最も異なる箇所になります。立夏は5月上旬ですが、中国のグラフでは夏の始まりと言われて納得がいくものの、日本のグラフでは夏はもう少し先と感じます。

日本が1月・2月で気温がほぼ変わらず12月はそれより暖かいのに対し、中国では1月が最も寒く2月より12月の方が冷え込んでいます。これも冬の季節感のずれに繋がっています。

節気には日付と期間の2つの意味がある

また、二十四節気の1つ1つには期間としての意味もあるものの、カレンダーやニュースなどではもっぱら日付としての意味で使われています。このことも二十四節気と日本の実際の季節感がずれる要因となっています。

二十四節気と七十二候

七十二候

「二十四節気」は、古代中国で作られた農事を指導するために作られた暦で、春秋戦国時代(BC.770~BC.221)黄河流域で作られたと言われます。中国では暦として月の運行に基づいた「太陰暦」が使われていましたが、これですと実際の季節とズレが生まれてしまうため、太陽の運行の軌跡を24等分した「二十四節気」や、それをさらに約5日ごとに分割した「七十二候しちじゅうにこう」が作られました。このようにして季節の変化をきめ細かくとらえて農事に生かしたのです。

この「二十四節気」は日本では平安時代に取り入れられました。日本と中国とでは位置も気候も異なり、中国の二十四節気は必ずしもすべてが日本の気候に合うものではありませんでしたが、私たちの生活に根付き、大多数の日本人が農業とは無縁になった現代でもテレビのニュースなどで「今日から立春です」などと使われています。

1年には春夏秋冬4つの季節がありますが、古代中国人はそれをさらに24の「節気」に分けました。1年を24に分けるならそれぞれ約15日、その節気にはまたそれぞれ3つの「候」を設け、3×24で72候、約5日で1つの候としてそれぞれの候にその季節の特徴を表す言葉をつけました。

日本は平安時代からこの二十四節気を暦の中に取り入れましたが、これだけでは日本の気候の説明には足りないので、「雑節」というものを設けました。雑節には、節分・彼岸・八十八夜・入梅・半夏生・土用・二百十日などがあります。

さらに「七十二候」については江戸時代の天文暦学者・渋川春海が日本の気候に合わせて改訂版を出し、その後明治時代に「略本暦」が出てそれまでの「七十二候」を大幅に変えました。現在使われている日本の七十二候はこれが元になっており、上の図に書かれているのもこの七十二候です。

なお2016年に中国の「二十四節気」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。

霜降の七十二候(日本)

霜始めて降る
霜始めて降る。

日本の霜降の七十二候は以下のようになります。

霜降の七十二候
内容時期
初候しもはじめて10月23日頃

10月27日頃
次候しぐれときどきほどこ10月28日頃

11月1日頃
末候もみじつたなり11月2日頃

11月6日頃

霜が初めて降り、時雨が時折降り、紅葉や蔦が美しく彩られる季節です。

「時雨(しぐれ)」とは晩秋から初冬にかけて降る小雨のこと。時雨…いかにも寒そうな響きがあります。

霎時施す
霎時施す。
楓蔦黄なり
楓蔦黄なり。

霜降の七十二候(中国)

落ち葉

中国の霜降の七十二候はそれぞれ「豺乃祭獸」「草木黃落」「蟄蟲咸俯」です。

「山犬が獣を捕らえて並べ、木々の葉は紅葉してやがて落ち葉となり、虫たちは巣ごもりする」季節です。

日本の七十二候はここでも季節から肉食系の動物の獰猛な気配をはずしているようです。日本人はやはり農耕民族であって狩猟民族ではないのでしょう。日本人にとって「季節」とは愛でるものであって、そこに獣の血なまぐさい臭いは入れたくはないのです。

紅葉狩り

紅葉

紅葉狩り(もみじがり)とは紅葉を愛でること。同じ「狩り」でも日本人の愛する狩りは紅葉です。美しい紅葉を見たくて山に入って探す…これが「狩り」です。昔からいろいろな場面で使われ、たとえば「キノコ狩り」「潮干狩り」などもこれと同じ使い方で、「桜狩り」という言葉もあるようです。

霜と植物

霜

中国に「霜降殺百草」という言葉があります。植物は霜にあたるとだめになってしまう、という意味ですが、これは霜に当たるからというより、霜に当たることで植物の体内の水分が凍ってしまうからだそうです。いずれにせよ農民がどれほど霜を恐れたかが伝わってくる言葉です。

霜降の頃の柿

柿

また「霜降喫燈柿、不会流鼻涕」という言葉もあります。霜降のころの柿を食べると鼻水を流すことはない・風邪をひかないという意味です。柿には豊富な栄養があり、日本にも「柿が赤くなれば医者は青くなる」という言葉があります。柿を食べれば医者いらず、医者は商売にならないということですね。

霜降の「旬の食べ物」

梨

薬膳では喉が痛いときには梨を食べるといいと言われています。梨の採れる時期は9月~11月。旬の時期は10月です。

栗

栗の採れる時期は8月下旬~10月下旬ごろ。秋の味覚の一つです。

涼しくなると栗ご飯のおいしい季節になりますね。

栗ご飯

マツタケ

マツタケ

秋の味覚の中でも高価な食材として知られるマツタケは9月~10月に採れます。

マツタケご飯や、マツタケを入れたお吸い物は香りがよく、昔から食べられてきました。松尾芭蕉の俳句などにも登場します。

マツタケご飯

サンマ

サンマ

秋の味覚のうち、魚料理と言えばサンマが思い浮かびます。サンマが獲れる時期は9月~11月。10月頃にはスーパーなどでよく見かけます。

柿

柿には様々な種類がありますが、採れる時期は9月~12月ごろ。旬の時期は10月です。

銀杏

銀杏

銀杏はイチョウの木の実の中にある種子の部分で、9月下旬~11月中旬ごろに採れます。

秋になると茶碗蒸しでよく見かけます。

茶碗蒸し

リンゴ

リンゴ

冬の果物のイメージの強いリンゴですが、実際には10月ごろから収穫が始まります。

サツマイモ

サツマイモ

寒くなってくるとサツマイモのおいしい季節になります。10月~1月ごろが旬の時期となります。

霜降の「季節の花」

菊

日本の秋の花と言えば菊。10月中旬~12月中旬ごろに咲きます。

コスモス

コスモス

コスモスは種類が多く、早いものだと7月下旬ごろから咲いていますが、主に9~10月に見ごろを迎えます。

茶の花(チャノキ)

茶の花(チャノキ)

私たちが普段飲んでいるお茶は、緑茶も紅茶も烏龍茶も、すべてチャノキという植物の葉っぱからできています。

このチャノキはツバキ科で、花をつけるのが10月上旬~11月下旬ごろ。霜降の時期に茶畑ではツバキによく似た花が見られるようになります。

シクラメン

シクラメン

様々な品種のあるシクラメンの開花期は10月~3月ごろ。冬の間は見かけることができます。

サザンカ

サザンカ

サザンカはツバキとよく似た花ですが、サザンカのほうが先に咲きます。開花期は10月上旬~1月下旬ごろ。

霜降の関連ページ

霜降の項は以上で終了となりますが、このサイトでは霜降の1つ前の節気「寒露かんろ」や、霜降の次の節気「立冬りっとう」、また「二十四節気にじゅうしせっき」や「七十二候しちじゅうにこう」についてもリンク先で詳しく紹介しています。