HSK(漢語水平考試)
目次
- 1. HSK(漢語水平考試)とは
- 2. 新HSKとは
- 3. HSKのメリット
- 4. HSK各級のレベル(難易度)や必要な語彙量
- 5. HSKと中検(中国語検定試験)の違い
- 6. HSKとHSK口試(HSKK)の違い
HSK(漢語水平考試)とは
HSKとは“汉语水平考试 Hànyǔ shuǐpíng kǎoshì”(中国語能力検定試験)の頭文字を取った略称です。日本語表記では漢語水平考試となります。中国の文科省――政府教育部が認定する世界共通の中国語語学検定試験で、母語が中国語でない人の中国語能力を測るためのものです。
新HSKとは
新HSKとは2010年から導入された新しいHSKで、以前に比べるとコミュニケーション能力測定を第一目的に据え、そのため会話形式の問題やリスニング、スピーキング能力の測定に重点を置くようになっています。2017年現在、特に注釈なくHSKと言えば、この新HSKのことを指します。
HSKのメリット
HSKは留学に使える
HSKは中国政府認定試験なので、中国国内で中国語能力の公的な証明として通用し、中国への留学基準や就職にも活用されています。
通訳案内士中国語の一次試験の免除
HSKの資格を取得すれば留学その他で考慮されますが、HSK1~6級の中で最も難しい6級に合格すると、他の級にない大きなメリットが得られます。通訳案内士試験という国家試験があるのですが、この試験を中国語で受ける場合、中国語の一次試験を免除してもらえるのです。中国語の一次試験は中国語検定1級レベルですからかなりの難関です。何年挑戦しても落ち続ける人がたくさんいます。これが免除されるというのは大きいです。HSK6級と中検1級ではかなりの難度差がありますから。もちろん中検1級の方がはるかに難しいのです。
HSK6級を取ったらついでに通訳案内士資格にも挑戦しては?
HSK6級を取得すればこういうメリットがあるのですから、取得ついでに通訳案内士(中国語)にチャレンジするというのも一つの方法です。もちろん地理・歴史・一般常識などの試験もありますし、これらに合格したあとまた中国語の二次試験(中国語での通訳やプレゼンテーション)もありますからこの資格取得が難関であることに変わりはありません。また通訳案内士という仕事(外国人に外国語を使って日本の観光地を案内する)はこの資格なしでもできるよう法改正が見込まれています。ただ合格率がかなり低い資格(つまり貴重な資格)であり、永久資格(更新なしで持っていることができる)ですから仕事をさがす時に生かせる可能性はあります。特に翻訳の仕事をさがす時などに能力証明として使えるでしょう。
HSK各級のレベル(難易度)や必要な語彙量
難易度の低いものから順に1級、2級、3級、4級、5級、6級があり、この難易度に用いる数字が日本の中国語検定試験と逆になっています。HSK公認テキストによるその内訳をみると以下のようになっています。
HSK1級
HSK1級:簡単な単語とフレーズの理解、使用が可能。大学の第二外国語第一年度前期履修程度。
語彙量は150語程度の基礎常用単語とそれに相応する文法知識。
基礎段階の言語使用者向け。
HSK2級
HSK2級:中国語を用いた簡単な日常会話ができる。初級中国語優秀レベルに達している。大学の第二外国語第一年度履修程度。
語彙量は300語程度の基礎常用単語とそれに相応する文法知識。
基礎段階の言語使用者向け。
HSK3級
HSK3級:生活・学習・仕事などの場面で基本的なコミュニケーションが取れ、中国旅行の際にも大部分のことに対応できる。
語彙量は600語程度の基礎常用単語とそれに相応する文法知識。
自立した言語使用者向け。
HSK4級
HSK4級:中国語を用いて広範囲の話題について会話ができ、中国語を母国語とする相手と比較的流暢にコミュニケーションを取ることができる。
語彙量は1200程度の常用単語。
自立した言語使用者向け。
HSK5級
HSK5級:中国語の新聞・雑誌を読んだり、中国語のテレビや映画を鑑賞でき、中国語を用いて比較的整ったスピーチをすることができる。
語彙量は2500語程度の常用単語。
熟達した言語使用者向け。
HSK6級
HSK6級:中国語の情報をスムーズに読んだり聞いたりすることができ、会話や文章により、自分の見解を流暢に表現することができる。
語彙量は5000語以上の常用単語。
熟達した言語使用者向け。
HSKと中国語検定試験の違い
HSKと中国語検定試験の目的の違い
HSKと中国語検定ではそもそもの目的が違います。HSKは外国人の中国語能力を見る検定、主としてコミュニケーション能力が問われます。一方中国語検定試験は日本人学習者向け。コミュニケーション能力というよりは、中国語の知識が問われます。
中国語検定比較のページではHSK・中国語検定試験(中検)・TECC・通訳案内士試験(中国語)の4つの検定試験について詳細に比較しています。
HSKと中国語検定試験の問題文の違い
またHSKはすべて中国語による試験(問題文も中国語)ですが、中国語検定試験の問題文は日本語です。
HSKとHSK口試(HSKK)の違い
HSKとHSK口試(HSKK)の違いは前者が筆記試験であるのに対し、後者は問題も答えも音声によるもの、つまり答えも録音を使って提出するのです。つまりHSKの二次試験がHSKKになるのではなく、この二つはまったく別の試験です。それぞれのレベルについては、HSK1級+2級が、HSKK初級に対応し、3級+4級が中級、5級+6級が高級に対応します。