中検・HSKなど4種類の中国語検定試験の比較

中国語の検定試験には、中検HSKなどいくつかあります。ここでは中検HSKTECC通訳案内士試験(中国語)の4種類の検定試験に関して比較していきます。

中検・HSKなどの運営者

中検・HSKなどの運営者
検定試験運営者
中検一般財団法人 日本中国語検定協会
HSK一般社団法人 日本青少年育成協会
TECC株式会社ハオ中国語アカデミー
通訳案内士日本政府観光局

※HSKは中国の教育部が世界展開している資格で、日本での運営が学習塾団体の日本青少年育成協会という形。

※日本の公共団体によって運営されている中国語の資格試験は、通訳案内士試験のみ。ただし通訳案内士試験には地理・歴史・一般教養のテストもある。

中検・HSKなどの難易度比較

難易度比較表

難易度比較表
中検
1級
準1級
2級
3級
4級
準4級
HSK
6級
5級
4級
3級
2級
1級
TECC
900 ~ 1000
800 ~ 899
700 ~ 799
600 ~ 699
500 ~ 599
400 ~ 499
300 ~ 399
200 ~ 299
0 ~ 199
通訳案内士
合格

合格に必要な中国語単語数が、中検4級で500単語程度、3級で1000単語程度、2級で2000単語程度。同難易度の別試験も概ねそれに準じる。

資格取得が最も難しいのは中検1級

中国語のさまざまな検定試験の中で資格取得が一番難しいのは中検1級だろうと思います。中国語について口語表現から書面語表現までどれほど深くかつ幅広く勉強し知識をたくわえたかが問われる試験ですから。さらに中検1級は筆記試験のあと2次試験まであり、ここでは通訳能力までチェックされます。

HSKはぐっと優しい

これに比べるとHSKの難易度はぐっと落ちます。一番上がHSK6級ですが、中国語学科の学生なら頑張れば卒業までに取得可能です。ただし問題文はすべて中国語で日本語はまったく登場しません。いわゆる日文中訳試験はなく、HSK6級では長文の中国語を読んだあと中国語で要約する問題が出題されます。

TECCは中国語をよくしゃべっている人が有利

TECCはコミュニケーション能力を図る試験で、どれだけ知識をたくわえてきたかを測る試験ではありません。実際に高い能力で中国語を使っている人が高得点を取ることができます。テスト問題は実際の生活・コミュニケーションの場面に即して出題され、そういった力があるかどうかでこの試験に対する難易度の感覚も分かれるでしょう。

通訳案内士(中国語)の試験は中国語だけではない

通訳案内士というのは一般の資格試験とはやや毛色が異なります。中国語だけでなく地理・歴史・一般常識(政治・経済・観光関係など)に関する日本語試験もあり、これらをすべて突破してやっと2次試験に進めます。2次試験では通訳や観光地などのプレゼンテーションを中国語でやらなければなりません。

通訳案内士試験の中国語問題は中検1級並み

通訳案内士試験の中国語試験は選択問題と筆記問題に分かれ、選択問題の難易度は中検1級とほぼ同じ。筆記問題は長文の日文中訳と日本的なさまざまな事柄の中国語による説明です。難易度としては中検1級に匹敵します。

通訳案内士の中国語試験はHSK6級を取得していれば無試験

実はこの試験、中検1級かHSK6級を取得していれば代替可能です。どちらかを選ぶのであれば当然HSK6級です。もちろん難しいものにチャレンジしたいのであればぜひ通訳案内士の中国語試験にチャレンジしてみてください。得るものは多いでしょう。ただし時間がかかります。

中国語検定試験の難易度比較のまとめ

以上書いたように上記試験はそれぞれ問題作成の基準が異なり、これらの試験どうしは完全に比較可能なものではありません。一応のめやすとして参考にしてみてください。

履歴書に書く際に価値があると思われるライン

履歴書に書く価値のあるレベル
中検
1級
準1級
2級
3級
4級
準4級
HSK
6級
5級
4級
3級
2級
1級
TECC
900 ~ 1000
800 ~ 899
700 ~ 799
600 ~ 699
500 ~ 599
400 ~ 499
300 ~ 399
200 ~ 299
0 ~ 199
通訳案内士
合格

履歴書に書く価値があるかどうか、採用側に目を止めてもらえるかどうかのラインですが、中検ならば3級以上、できたら2級以上。HSKなら5級以上。TECCならば600点以上だと思いますが、残念ながらTECCの社会的認知度はかなり低いので書く価値があるかどうかは疑問です。もし600点以上のスコアを持っているなら他の資格も取って併記するといいでしょう。通訳案内士の中国語資格を取得しているなら、旅行関係の会社にかなりアピールできると思います。

中検・HSKなどの合格率

中検・HSKなどの合格率
検定試験レベル(級)合格率
中検準4級77.8%
4級66.7%
3級31.3%
2級27.1%
準1級13.7%
1級4.8%
HSK-非公表
TECC1種類スコア制
通訳案内士1種類9.5%

※中検準4級~準1級までは第91回、1級は第90回のデータ。準1級、1級は2次試験も含めての合格率。

※TECCはTOEICのような点数制。

※通訳案内士試験は2次試験も含めての合格率。

それぞれの試験の合格率ですが、まず通訳案内士を見てください。10%以下です。10人受けても1人しか受かりません。いかに難関かおわかりだと思います。

次に中検1級を見てください。こちらは5%以下です。さらに難関であることがわかります。ただしお試し受験者もそれなりにいるでしょうから、難易度の高さにしり込みする必要はありません。自分が何にチャレンジしたいかです。

中検・HSKなどの受験者数(年間と1回あたり)

中検・HSKなどの受験者数
検定試験年間受験者数1回あたりの受験者数
中検32,902人平均10,967人
HSK23,426人平均1,952人
TECC非公表非公表
通訳案内士1,476人1,476人

※中検と通訳案内士試験は2016年のデータ。HSKは2015年のデータ。

受験者数は上記のような数字です。ただし中国語は政治情勢によって学習者の変動があるので固定的な数字ではありません。ただ日中の経済の結びつきを考えると今後も受験者数は増えていくのではないかと思います。

中検・HSKなどの年間の試験回数と日程

中検・HSKなどの年間の試験回数と時期
検定試験年間の試験回数試験時期
中検3回3月、6月、11月
HSK12回毎月
TECC2回6月、12月
通訳案内士1回8月(1次試験)、12月(2次試験)

※HSKは年に何度か特定の企業・団体のみでの開催があり、その場合、一般受験はできない。

※中検1級は11月のみ。

試験回数は上記のとおりです。HSKは商売上手、毎月やっているのはここだけですが、毎月あれば敷居が低くなって受けやすくなります。かつてHSKは13級まであり上の方は相当難しかったのですが、2回の変更を受けぐっと易しくなりました。これも受験者数の増加をねらってのことだと聞いています。

中検・HSKなどの試験会場

中検・HSKなどの試験会場
検定試験試験会場
中検ほとんどの都道府県
HSK東京圏のみ~19都道府県(毎回変動)
TECC北海道、宮城県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県
通訳案内士北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県、沖縄県

※すべての試験が海外でも行われていますが、ここでは国内の試験会場に限って記載します。

中検・HSKなどの受験費用

中検・HSKなどの受験費用
検定試験レベル(級)受験費用
中検準4級3,000円
4級3,700円
3級4,700円
2級6,800円
準1級7,500円
1級8,500円
HSK1級3,672円
2級4,752円
3級5,184円
4級6,264円
5級7,992円
6級9,504円
口試初級4,752円
口試中級5,832円
口試高級7,344円
TECC1種類6,480円
通訳案内士1種類11,700円

※中検はオンライン申込みでの価格。書類申し込みの場合、3級までは表示金額に100円、2級からは200円上乗せされる。

受験費用はどの試験もけっこう高いです。合格する可能性がきわめて低いのに受ける時は、受験してみることの意味・効果などをよく吟味するといいでしょう。

中検・HSKの異なる級の同時受験

中検・HSKでは異なる級の同時受験が可能です。(TECCと通訳案内士試験は1種類の試験のため不可能)

中検・HSKの試験時間帯
時間帯中検HSK
午前準4級、3級、準1級2級、4級、6級
午後(1)4級、2級、1級1級、3級、5級
午後(2)口試中級
午後(3)口試初級、口試高級

※中検・HSK共に、複数受験する場合、費用は個別にかかります。

中検・HSKなどの歴史と価値

中検・HSKなどの開始年
検定試験開始年現在までの年数
中検1981年36年
HSK1991年26年
TECC1997年20年
通訳案内士1949年68年

一番の古株は通訳案内士試験

資格試験として一番の古株は国家試験である通訳案内士試験です。外国人観光客などほとんどいない昭和20年代に始まりました。当然ガイド(通訳案内士のこと)としての仕事に結びつくような試験内容ではなく、外国語の知識の量を測るもので、まさに語学の資格試験でした。この試験以外はみな民間の試験です。

中検、HSK、TECCの性格

通訳案内士試験のほかの試験――中検、HSK、TECCの中で一番古いのが中検。その後中国政府が世界規模で進めているHSKが参入し、これは主に中国に留学を希望している人の中国語習熟度を測るために用いられました。更にその後TECCが参入し、これは外国語の知識を測るというより実際の生活に即したコミュニケーション能力を測るために開発されました。

中検は日本人の気質に合う

この中で日本人の性格に最も合う試験が中検です。この試験は要するに話せるかどうかはともかく、どれだけ知識を増やしたかを順を追ってチェックしていくというものです。中検が息長く人気を勝ち得ている理由の一つがこの「日本人の気質に合っている」というところでしょう。

TECCは価値ある試験だが浮上せず

TECCは、コミュニケーション能力という日本人が一番弱いところを試験によって改善していこうという意欲的なもので、試験内容も面白く発展が期待されましたが今のところ浮上の気配は見えません。レベル差のある人たちが同一試験を受けるというスコア制がなじまなかったのかもしれませんし、コミュニケーション試験と銘打っているわりには話す力を問う問題(面接など)がないことが響いているのかもしれません。