2タイプの中国語学習者 「音」と「意味」

このページでは、中国語学習者をタイプ別に分け、それぞれの特徴とそれを生かした勉強法をご紹介しています。

意味のわからない中国語を聞いた時

意味のわからない中国語を聞いた時、音楽のように聞こえるタイプの人となんとかして意味をさぐろうとするタイプの人がいます。脳の構造のどのへんから来ているのかはわかりませんが、経験上このように言えます。前者、つまり音楽的に聞こえるタイプ、あるいは、きれいな音だなあ、自分も真似してみたいなあと思うタイプは発音がうまくなる可能性が高いです。そういう方向にはまったく意識が向かないタイプ(後者)は発音はうまくなりにくいですが、リスニングに強くなる可能性があります。

それぞれのタイプの長所と弱点

言葉を音楽としてとらえるタイプ

中国語の言葉を音楽あるいは歌としてとらえがちなタイプは発音がうまくなり、うまくなるから勉強するのが楽しくて、どんどんどんどんうまくなり、数年もしないうちにネイティブかと思ってもらえるような発音が身についていきます。ところがこのタイプはリスニングに弱くなるのです。言葉を音楽的にとらえてしまい、意味としてとらえようとしないのですね。こうなると発音はうまくてもコミュニケーションはとりにくくなりますから、言葉の勉強としては問題です。で、リスニングの勉強をやろうと思い立つわけですが、発音に比べると進歩がきわめて遅い。だから面白くない。だからやりたくない…とどんどんリスニングの力が落ちていきます。

言葉を意味としてとらえるタイプ

中国語の言葉を意味としてとらえるタイプは、音を意味としてとらえることに喜びを感じますから、リスニングの勉強が面白くてたまりません。聞いて聞いて聞きまくると、こちらもそう時間をかけずにネイティブの中国語が(ゆっくりとした標準語であるならば)かなり聞き取れるようになります。ところがこのタイプは(自分の)発音に無関心ですから、「あんなに中国語が聞き取れるのにひどい発音だね」と言われて、これが劣等感になったりします。

2つの力を身につけるには

この2つのタイプ、どちらも大切です。言葉は音楽でもあり意味でもあるのです。きれいな発音も身につけたいし、リスニング力も身につけたい…この2つをなんとか両方とも身につけたいものです。そのためには自分の長所と弱点を知って、補っていくことでしょう。発音が好きで好きでたまらないのにそこにブレーキをかけることはありません。でも一定のレベルに達したら、リスニング力に目を向けてください。苦手意識が生まれているでしょうから、自分に強いないと伸びていきません。そして中国語で仕事にしたいと思ったら、実は発音よりリスニング力なのです。つまりコミュニケーションに不可欠なのはリスニング力であって、きれいな発音ではありません。このタイプの人は中国語教師に向いています。一方リスニングの勉強なら飽きないのだけれど、というタイプの人はなかなか発音がうまくなりません。こういう人は中国語で仕事がしたいなら留学してしまうといいです。コミュニケーション能力は高いですから中国人とおしゃべりはできます。本場の発音を聞いているうちに少しずつ発音が矯正されていくでしょう。