四声(声調)をマークで練習しよう!

このページでは、中国語の四声(声調)について説明したあと、どのようにして四声を身に付けるかについて、練習方法を紹介していきます。私が大学で発音を教える際、「四声のマーク」を漢字の上に書くことでわかりやすくしています。それを使った四声の練習方法や、他にも正しい四声を身に付けるためのコツなどを紹介しています。サウンドマークをクリックすると音声が流れます。

四声とは

四声とは中国語を発音する際に使う、4種類の声調(音の高低・変化)のことです。

中国語の音節の構成要素

中国語の音節の3要素

図のように中国語の音節は、子音・母音・声調の3要素から構成されていますが、このうちの声調が4種類あり、これを「四声」と呼びます。(※軽声については後で述べます)

四声と子音と母音の例

例えば、“mā”という音節は、「m」という子音、「a」という母音、「1声」の声調、の3要素で構成されています。

四声

四声

四声には、第1声、第2声、第3声、第4声、の4種類があります。これらは「第」を省略し、1声、2声、3声、4声、と表記することもあります。それぞれの特徴は以下のようになります。

第1声

第1声

第1声の発音は図のように高く一定した音になります。

第1声を日本語の音で言うと、子供が「イーだ、アッカンベー」と悪態をつく時の「イー」です。

第2声

第2声

第2声の発音は図のように低い音から高い音へと上がっていきます。

第2声を日本語の音で言うと、「ええっ」と驚いた時の音です。

第3声

第3声

第3声の発音は図のように低い音です。

3声には2種類あり、普通の3声と半3声があります。3声は発音の最後に多少上がりますが、半3声は下がった段階で止まります。

第3声を日本語の音で言うと、「あ~あ」とがっくりと失望した時の声です。

第4声

第4声

4声の発音は図のように高い音から低い音へと急落します。

第4声を日本語の音で言うと、カラスが「カア」と鳴く時の声です。

軽声

軽声とは、5番目の声調ではなく、連続して発音する時に起こる音の変化です。四声を学ぶ際にはこの軽声もしっかり覚える必要があります。

軽声の音

第1声と第2声の後の軽声

第1声と第2声の後ろの軽声はストンと落ち、この音は高さのみで幅がありません。

1声の後の軽声
1声の後の軽声
2声の後の軽声
2声の後の軽声

第3声の後の軽声

第3声の後ろに軽声が来る時前の3声は半3声になります。この時軽声は少し高く上がります。でも幅はありません。

3声の後の軽声
半3声の後の軽声

第4声の後の軽声

第4声の後ろの軽声は第4声の最後の音と同じか、それより低くなり、やはり音には幅がありません。

4声の後の軽声
4声の後の軽声

四声と軽声の音は全部で8つ

四声+軽声の音は全部で8音です。第1声・第2声・第3声・半3声・4声、そして第1声と第2声の後ろの軽声・半3声の後ろの軽声・第4声の後ろの軽声、合わせて8つの音を覚えれば、中国語の漢字の声調はすべて言うことができます。

四声の発音の例

これらの音を中国語のmaで出してみましょう。ピアノをポンと叩いて音を出すように、mā(第一声)、má(第二声)、mǎ(第三声)、mà(第四声)と音を出してみましょう。

サウンドマークをクリックすると音声が流れます。

1声の発音

1声の発音

2声の発音

2声の発音

半3声の発音

半3声の発音

3声の発音

3声の発音

4声の発音

4声の発音

軽声の発音の例

軽声は単独では出てきませんから、2音節にして練習してみましょう。

1声+軽声のときの発音

1声の後の軽声の発音

2声+軽声のときの発音

2声の後の軽声の発音

半3声+軽声のときの発音

半3声の後の軽声の発音

4声+軽声のときの発音

4声の後の軽声の発音

以上8つの音を出せれば中国語の漢字の声調はすべて言うことができます。

漢字に四声マークをつける

四声とは中国語を発音する際に使う、4種類の音の高低のことです。

練習してみると簡単そうなこの四声、1音節なら何とかなっても2音節、3音節になると音程が狂ってきます。2音節目、3音節目に入る時の音程が安定しないのです。そこで発音の基礎を終えた中国語初級者にテキスト文章を読んでもらう際、まずはテキストの漢字の上に四声マークをつけてもらいます。たとえば

四声のマークの例1
四声のマークの例2
四声のマークの例3

というようになります。

こうすると音の上がり下がりがビジュアル的に分かるのです。この四声マークを使って練習しておくと、見ただけで音が脳内に蘇ってきます。

まずはma、次に発音を入れていく

四声とは中国語を発音する際に使う、4種類の音の高低のことです。

たとえば

四声のマークの例2

ならば、以下の図のように、まずmaで音を入れます。

maで四声の練習

次のそのメロディを再度なぞるようにしてピンインを発音します。

四声のマークの例2

今練習したのは3音節の文でした。これを少しずつ増やしていきます。最初は1音節、次は2音節、3音節、4音節というふうに。だんだんピンインを読む時のメロディがmaのメロディに近づいていきます。

大声で10回はくりかえし読み、覚えていく

こうして声調や発音がおおよそ正しく読めるようになった文は、教師の声の後について10回ほど大きな声で繰り返していきます。10回繰り返すと、もう何も見ないで言うことができます。「『お名前は?』の中国語を何も見ないで言ってください」と言うと、練習の時と同じ声調、発音でおおよそ正しい中国語を言うことができます。

発音テストをする

教わった時はできるようになった気がするのですが、少し経つとまた忘れてしまいます。そこで私が行っている大学の授業ですと、1週間後に前回練習した文を再度発音してもらいます。全員聞いている中で一人ずつ発音するのですから緊張します。声調を間違って読むと「〇〇さんの今の読みは2か所、こことここをこのように間違えましたのでマイナス2点です」などと指摘します。黒板に正しい四声マークと間違った四声マークを書き、ビジュアル的にどう間違ったかわかるようにしておきます。これを何人かやると順番の後ろの方の学生さんはほぼ満点が取れるようになります。これを成績に直結させ(ただし単位取得を左右するほど大きな点はつけない)ゲーム感覚でやると皆面白がって一生懸命やります(ただしこのテストが終わると爆睡する不届き者も)。 こうした授業を1週間に1度、3か月ほど続けると、四声・声調がかなり身についてきます。

2音節の発音練習

ではここで2音節の発音練習をしてみましょう。

1声+1声

1声+1声の発音は、ずっと同じ高さです。音に変化はありません。後ろの1声の方が長くなる傾向があります。

1声+1声の発音

1声+2声

1声+2声の発音は、最初高い1声、次に音を下げてそこから2声のスタートです。2声に入ったらすぐ急上昇させ「エエッ」という声調にします。

1声+2声の発音

1声+3声

1声+3声の発音は、最初高い1声、次に音を下げ、ここから3声が始まります。ゆっくりと一番低いところまで下げ、そこから少し上げて止めます。3声の部分は「あ~あ」という感じのイントネーションになります。

1声+3声の発音

1声+4声

1声+4声の発音は、最初高い1声、その後1声の終わりの部分から一気に「カァ」とカラスの鳴き声のように下降していきます。

1声+4声の発音

1声+軽声

1声+軽声の発音は、最初高く長い1声、その後ストンと下に降りて軽声を短く軽く発音します。

1声+軽声の発音

2声+1声

2声+1声の発音は、最初低めの音からスタートして「エエッ」とすぐに急上昇し、高い音で終了したのちそのまま高さを維持して1声に入ります。

2声+1声の発音

2声+2声

2声+2声の発音は、最初低めの音からスタートして「エエッ」とすぐに急上昇し、高い音で終了したらすぐ声を下げ、その低い音からスタートしてすぐ急上昇し、高い音で終了します。

2声+2声の発音

2声+3声

2声+3声の発音は、最初低めの音からスタートして「エエッ」とすぐに急上昇し、高い音で終了したらすぐ声を下げ、その低い音からスタートしてゆっくりと一番低いところまで下げ、そこから少し上げて止めます。3声の部分は「あ~あ」という感じのイントネーションになります。

2声+3声の発音

2声+4声

2声+4声の発音は、最初低めの音からスタートして「エエッ」とすぐに急上昇し、高い音で終了したら、その高い音から一気に「カァ」とカラスの鳴き声のように下降していきます。

2声+4声の発音

2声+軽声

2声+軽声の発音は、最初低めの音からスタートして「エエッ」とすぐに急上昇し、高い音で終了したら、その後ストンと下に降りて軽声を短く軽く発音します。

2声+軽声の発音

3声+1声

3声+1声の発音は、3声の部分が半3声に変調し半3声+1声になります。

半3声は低い音からスタートしてゆっくりと一番低いところまで下げ、この後上には上げません。声を低く抑えたまま止め、その後一番高い音をスタート地点にしてそこから1声を出します。

3声+1声の発音

3声+2声

3声+2声の発音は、3声の部分が半3声に変調し半3声+2声になります。

半3声は低い音からスタートしてゆっくりと一番低いところまで下げ、この後上には上げません。声を低く抑えたまま止め、そこから急上昇させて「エエッ」という2声を出します。

3声+2声の発音

3声+3声

3声+3声の発音は、前の3声の部分が2声に変調し2声+3声になります。

最初低めの音からスタートして「エエッ」とすぐに急上昇し、高い音で終了したらすぐ声を下げ、その低い音からスタートしてゆっくりと一番低いところまで下げ、そこから少し上げます。3声の部分は「あ~あ」という感じのイントネーションになります。

3声+3声の発音

3声+4声

3声+4声の発音は、3声の部分が半3声に変調し半3声+4声になります。

半3声は低い音からスタートしてゆっくりと一番低いところまで下げ、この後上には上げません。声を低く抑えたまま止め、その後一番高い音をスタート地点にしてその高い音から一気に「カァ」とカラスの鳴き声のように下降していきます。

3声+4声の発音

3声+軽声

3声+軽声の発音は、3声の部分が半3声に変調し半3声+軽声になります。

半3声は低い音からスタートしてゆっくりと一番低いところまで下げ、この後上には上げません。声を低く抑えたまま止め、その後高い音域にポンと飛んで短く軽く軽声を発音します。

3声+軽声の発音

4声+1声

4声+1声の発音は、高い音から一気に「カァ」とカラスの鳴き声のように下降していきます。その後また高い音域に戻ってそこをスタート地点にし、そのまま高い1声を出します。

4声+1声の発音

4声+2声

4声+2声の発音は、高い音から一気に「カァ」とカラスの鳴き声のように下降していきます。その後その低い音域から一挙に急上昇し「エエッ」と2声を出します。

4声+2声の発音

4声+3声

4声+3声の発音は、高い音から一気に「カァ」とカラスの鳴き声のように下降していきます。その後その低い音域からスタートしてゆっくりと一番低いところまで下げ、そこから少し上げて止めます。3声の部分は「あ~あ」という感じのイントネーションになります。

4声+3声の発音

4声+4声

4声+4声の発音は、高い音から一気に「カァ」とカラスの鳴き声のように下降していきます。その後また高い音域に戻ってそこから同じように「カァ」とカラスの鳴き声のように下降していきます。

4声+4声の発音

4声+軽声

4声+軽声の発音は、高い音から一気に「カァ」とカラスの鳴き声のように下降していきます。その後4声の終わりの音に続けて短く軽く軽声を出します。

4声+軽声の発音