おすすめの中国語の参考書 【分野別のまとめ】
このページでは中国語の参考書を分野別に紹介し、それらを使った学習法について説明したいと思います。
目次
おすすめの中国語の参考書……「入門書」
中国語についてとりあえずサクッと知りたい・発音や文法をサッとやって旅行に使えるくらいの中国語を身につけたい・仕事で中国語を学ぶ必要があるがあまり時間はかけられない…などのかたがたのためにお勧めしたいのは
です。
この本は、発音・文法・基本フレーズ・日常会話レベルのフレーズ集・旅行会話(カタカナふりがな付き)の順で書かれています。
面倒な発音と文法は読みたくないでしょうが、簡単な会話力をめざす人であっても発音の学習は避けて通れません。CDをかけ流しにしてまずは音から入っていくと楽でしょう。
会話は要らない、中国語のネット情報を読みたいという人であっても文法は避けて通れません。中国語の文法は英語より楽だと思いますので怖がることはありません。文法項目の小見出しを見ると「漢字は情報カプセルだ」「基本はSVO」「テニヲハがない中国語」「動詞はどうした」など面白いキャッチフレーズが並んでいます。寝っ転がって読んでもOKです。気楽に読めますが中国語文法の第一人者が書いた本ですから、簡単そうに見えて中国語の本質をつかんだ説明がなされています。
発音・文法とシンドイところをがんばって通過したら後はスイスイ行けます。基本フレーズや日常会話レベルのフレーズは、中国語に興味を持った人なら知りたい表現ばかり。大きな字体とカラフルな造りに騙されて?いつの間にか読み終わっていれば、そこそこ中国語通になっているはずです。最後の旅行会話のところは中国や台湾旅行に行く前に読めばいいでしょう。
おすすめの中国語の参考書……「発音」
中国語では発音の独学は難しく危険でもあります(自分ではちゃんと身につけたつもりでも、客観的な指摘を受けないでいると通じない発音になっている可能性が高いのです)。近くに学校がない場合、初めはテレビやラジオの中国語講座など発音をゆっくり丁寧に教えてくれる音声教材を使っての学習をお勧めします。その時ぜひ自分の音を録音してテレビやラジオの模範音と聞き比べてみてください。自分の音を聞くことを嫌がる人が多いのですが、やり方次第で発音が劇的に良くなります。ネイティブの模範音と自分の音を一文字一文字比較し、どこがどう違うのか、口の中をどう使ったら似てくるのかを考えながら聴きます。気づいたことはテキストなどに書き込んでおきましょう。
NHKの、
では、毎回中国語初心者のゲストがいっしょに練習してくれます。模範音と比較してゲストの下手な発音を聴くことはとても勉強になります。「ああ中国人と中国語を学び始めた日本人の発音では音がこんなにも違うんだ」とわかるからです。この比較できる耳を作ることが大切なのです。
中国語の発音学習で特に難しいのは、「四声」(しせい)という抑揚です。日本語でも地方によって抑揚やアクセントは異なることが多いですが、通じないということはほとんどありません。ところが中国語ではこの「四声」という抑揚・アクセントが異なると誤解が生じたり、まったく通じなくなってしまうのです。
この「四声」、簡単そうでなかなか身につきません。特に歌が嫌いな人はけっこう苦労します。そこでお勧めの教材は
です。この本では「四声」を身につけるための練習がいやというほど入っていて、これを使って特訓すればかならず身につくはずです。
中国語は好きだけど「四声」だけがどうにもならない、と悩んでいる人に特にお勧めです。中国語をあきらめる前にこのテキストを使って練習してみてください。
おすすめの中国語の参考書……「文法」
初級レベルのテキストにも文法は一通り書かれていますので、中国語は簡単な日常会話ができればいいと思っている人にはそれ以上の文法書は必要ありません。
文法書が必要になってくるのは中級レベルの資格試験…HSKの5級以上か中国語検定試験の2級以上…をめざす人です。初級レベルのテキストの文法説明には細かなことは書かれていませんが、中級レベル以上の資格試験ではもう少しつっこんだことが問われるからです。また独学に近い形で中国語を勉強している人でも、長年勉強していると中国語文法の謎がたくさん出てきます。そうした人にお勧めの文法書が
です。
この本の対象者は初級者から上級者・専門家レベルまで範囲が広く、説明が初級者にもとっつきやすく、それでいて本質をついた情報が書かれていますので上級者・専門家レベルの人も満足できます。派生情報も多く、読んでいて楽しめる作りになっています。
学び方としては、「なぜこの中国語はこうなるのだろう」と疑問に思ったことをその都度この本で調べる、つまり辞書的な読み方もできますし、その疑問をどのページで調べていいかわからないという人なら最初から一通り読んでいってもいいでしょう。項目ごとにドリルが入っていますので、内容が頭に入ったかどうか確認することもできます。
この文法書は中国語文法全体について網羅的に書かれていますが、そこはもうわかっている、もっと個別により突っ込んだ説明を聞きたいというひとには
をお勧めします。
『Why?…』も謎解き型の文法書、なぜこうなの?にこたえていくタイプの文法書ですが、こちらも同じです。範囲はより狭まり、深度もより増していて、一通りの文法説明では飽き足らない人には非常に面白い文法書で、中級以上向けです。
この文法書も気になったところだけその都度読んでいく辞書的な読み方でもいいですし、最初からきちんと読んでいってもいいでしょう。ドリル的なものはありませんので、何回も読むとかノートを取って読まないと頭には残りにくいです。
当サイト内の中国語文法講座でも、54項目に渡って一通り学習できます。
おすすめの中国語の参考書……「単語」
語学の習得に単語力は不可欠です。それは誰でもわかっているのですが、単語を増やすというのは口で言うほど簡単ではありません。昔は辞書を丸覚えなどという猛者がいたそうです。やがて単語帳が出版される時代になりましたが、欠点は音がないことでした。
こうした中単語帳の決定版が出ます。『キクタン中国語』です。スタートは英語ですが後に中国語も出版されています。『キクタン中国語』はCDがついていて音で学ぶことができる画期的な単語帳です。
中国語版『キクタン』の優れたところは、リズミカルな音がついていて耳から覚えやすいこと、1冊ごとにレベル別になっていて量も抑えられているので、資格試験などを目標にすれば学習しやすいことです。CDがあるのでリスニングにも使えます。リスニングというのは単語が聞き取れるかどうかが基本ですから、最初から長い文にチャレンジしなくても、単語が聞き取れるだけでも力がつきます。
この単語帳を使った学習としては一番良いのは、資格試験合格を目標にして単語暗記をやるっきゃないと自分を追い込むことでしょう。盲点は、一度やれば全部覚えられると錯覚しがちなこと。『キクタン中国語』もそれをうたっているように読めますが…ウソです。単語帳1冊を一通りやるのにそんなに時間はかかりませんが、一通りでは覚えられません。単語帳全部を覚えるには5回以上繰り返す必要があります。1回だけですと覚えられる単語量はおおよそ全単語の10%です。100%覚えようとする必要はありませんが、こうした厳しい現実を覚悟しておく必要はあります。ただしリスニング用として使うなら、2回くらい繰り返せば全部聞き取れるようになるかもしれません。リスニングの力の方が速くつきます。
当サイト内の中国語単語でも、1200単語が例文・音声付きで学べます。
おすすめの中国語の参考書……「会話・リスニング」
語学のだいご味は何といっても「しゃべれるかどうか」です。「中国語できるの?」「まあ何とか」の「何とか」は普通はしゃべれるかどうかを意味します。
では外国語はどのようにしたら話せるようになるのか。「それは会話教室に行くことでしょう」と思われるかもしれませんが、会話教室に行くだけでは基本自己満足に終わります。ではどうしたら良いのか。それは会話のタネを頭の中に大量にインプットすることです。インプットされたものの質と量が貧弱ではアウトプットしようがないのです。ではどのようなものをどの程度インプットしたらいいのか。「現実の場面でよく使う中国語の短文」を大量に(少なくとも千文以上)インプットしていきます。それも読むだけとか1回暗記するだけとかではなく、日本語を聞いたらその中国語訳がスムーズに口から出る・中国語を聞いたらその日本語訳が瞬時に口から出るくらい練習します。
この練習用教材として非常に優れているのが
です。
この本は、まず選ばれている1600(タイトルの800は800対の対話のことで、文としては1600個入っています)の文の大半が現実生活の中でよく使われるもので、さらにCDの音声が日中両語とも感情表現が豊かで臨場感を伴う優れものです。
この音声を使ってシャドーイング(音の後をついていく練習法)・同時通訳・逐次通訳の練習をしていくのですが、日中の置き換えが瞬時に・スムーズに・感情豊かにできるところまでやっていきます。
1600文の大半がスムーズに口から出てくるようになったら、会話教室も意味あるものになってきます。
おすすめの中国語の参考書……「中国語作文」
中国語作文のテキストはいろいろありますが、一般に「日本語」「中国語訳」「解答・解説」とういう構成になっています。この中の中国語訳は模範例を1つ示すだけのものが多く、学習者は「この訳以外は通じないんだ」と思いがちです。けれども実際は、テキストの日本語文を100人の中国語ネイティブが訳すなら、100通りとは言いません数十通りの中国語訳が出てくる可能性があります。知識人と言われる人が訳した時、あまり本を読まない人が訳した時、大人か子供か、青年か老人か、レベルの高いもの、低いもの…多様な中国語が出てくるはずです。そのどれもが元の日本語とおおよそ意味的に重なるならば、それは間違った訳ではあり得ません。
そうした意味で、多くの中国語作文テキストが示す模範例は作文能力を高める意味ではやや問題があるのではないかと感じています。手持ちの中国語でなんとか意味を通じさせようという勇気を養いにくいのではないかと思うのです。特に私たち日本人はルールに縛られやすいですから。
この点から中国語作文テキストとしてお勧めしたいのは
です。
これは相当古いテキストで、例文には文革の名残さえ感じますから今お勧めするには躊躇するものがありますが、良いものは良いものなのでお勧めせざるを得ません。
このテキストの優れたところは「この日本語をAという中国語で訳せばこういうニュアンスになり、Bという中国語で訳せばこういうニュアンスになる…」と訳の可能性を幅広く示してくれているところです。と同時に同じような意味でありながらAという中国語とBという中国語の微妙なニュアンスの差も教えてくれます。
ニュアンスになると人によって多少異なりますので、このテキストの説明を100%絶対化するわけにはいきませんが参考にはなります。何より作文学習者の「線からはずれてはいけない」という恐怖心を取り除いてくれます。
このテキストの勉強法としては、まずはノートを作って作文問題を解き、その解説をノートに書き留めていきます。ピンインさえついていないテキストですので大変ですがじっくりとやっていく価値のあるテキストです。それが終わった後、テキスト内の作文問題の中国語やそのほかの例文もひととおり暗記してしまうと、このテキストの解説がしっかり体に入ります。
おすすめの中国語の参考書……「中国語検定」
中国語の資格試験としては「中国語検定試験」と「HSK」があります。他にもありますが、最初に受けようとするものとしてはこの2つでしょう。テキストはいろいろ出ていますがまずは過去問題集がお勧めです。
中国語検定に関してはネット上にも主催団体による過去問題集が無料で掲載されていますが、光生館から出ている、
などの、中検の各級の問題集がおすすめです。このシリーズのお勧めポイントは、解説が充実しているところです。かゆい所に手が届くような解説で、ここを読んでいるだけで知識が増えます。
学習法としては、まずやってみる、次に答え合わせをして解説をじっくり読むことです。間違った部分や解説を読んで初めて知った情報は記録しておいて復習用に使うといいでしょう。
おすすめの中国語の参考書……「辞書」
中国語の辞書は初心者・初級段階ではネット上にある中日辞典(Weblio)で充分です。白水社の『中日辞典』という質の高い辞書が入っていますので、最初はこれだけで大丈夫です。有料でもいいという人には、スマホアプリの『小学館 中日・日中辞典(第3版)』(物書堂)がお勧めです。有料だけあってアプリのほうが検索性・閲覧性・操作性など様々な点で優れています。もちろん紙の辞書が好きな方は上記2つのほか、講談社の『中日辞典』、朝日出版社の『中国語学習辞典』などを買われるといいでしょう。
もう少し勉強の進んだ人にお勧めの辞書としては『中国語文法用例辞典』があります。副詞・介詞(前置詞)・接続詞・助動詞・助詞など使い方の難しい、いわゆる「虚詞」について充実した説明が書かれています。中国語を読んでいて、動詞や名詞などは意味がすぐわかるのに、上記のような「虚詞」の理解はなかなか難しく、そうした時に手に取ってじっくり読んでいると目からウロコという気分になります。
中国語の辞書について詳しくは、「おすすめの中国語辞書」のページで紹介しています。
このサイトで学べることを簡単に紹介
当サイトでも、音声付単語(全1200 レベル別)・発音・文法・会話・基礎・挨拶・表現など、上に挙げた中国語力をつけるための教材がたくさん入っています。
中国語単語ではCDを入れる必要も専用機器を使う必要もなく、同じ画面上で音声マークをタッチするだけでその音を聞くことができます。また中国語やピンイン・日本語訳などはその上を指でタッチすると簡単に消したり出したりすることができます。赤いシートを使うこともなく簡単に暗記練習ができます。
それぞれの単語には例文とその音声もついていて、こちらも消したり出したりが指1本でできます。
中国語発音講座も音声付きです。画像が多用され、複雑な中国語発音の理解に役立つ工夫がされています。
中国語文法は54項目入っていて、それぞれに練習問題がついています。シンプルにまとめてありますので、短時間で一通り中国語文法を学ぶのに便利です。
中国語会話では自己紹介・ビジネスなど15シーンにつき、日常よく使う対話文が10~20組程度あり、それぞれに音声がついています。中国語には当サイトオリジナルの四声マークがついていて、目からも四声が習得されやすくなっています。この四声マークは大学の授業でも使っており、学生の四声習得に効果をあげています。
中国語基礎知識では、「数字」「時間」「手紙の書き方」「メールの書き方」「電話の仕方」など、中国語初心者向けの様々な知識が学べるようになっています。
中国語の挨拶では、「名前の名乗り方」「自己紹介」「場面別、中国語の挨拶のまとめ」など、知っておくと便利な挨拶に関する知識が学べるようになっています。
また、「スマホとPCで中国語」のコーナーでは、スマホやPCでの中国語入力方法、Siriなどの音声入力を使った学習などを紹介しています。
以上このサイトを使っても勉強できますのでぜひ利用してみてください。