キクタン中国語【初中級編】中検3級レベル

キクタン中国語【初中級編】中検3級レベル

ここでは『キクタン中国語【初中級編】中検3級レベル』のレビューと、この中国語単語帳を使った学習方法について紹介します。『キクタン中国語【初中級編】』はキクタン中国語シリーズ(単語は全5冊)の3冊目です。中国語検定3級に対応しており、1008単語が収録されています。

キクタン中国語シリーズ全体のまとめと比較については、「キクタン中国語シリーズのまとめページ」で扱っています。

『キクタン中国語【初中級編】』の基本情報

タイトルキクタン中国語【初中級編】中検3級レベル
著者内田 慶市 / 沈国威 / 氷野善寛 / 紅粉芳惠 / 関西大学中国語教材研究会(編集)
出版社アルク
ページ数296ページ
価格2,160円(税込)
価格
(電子書籍版)
1,620円(税込)
出版年月日2009年2月4日
音声有り。単語部分のみ。CD2枚。(※例文音声は無し)
2色刷り
難易度中国語検定3級レベル
ジャンル中国語単語帳

『キクタン中国語【初中級編】』の内容紹介

『キクタン中国語【初中級編】』はキクタン中国語シリーズの3冊目

『キクタン中国語【初中級編】』はキクタン中国語単語帳シリーズ(単語は全5冊)の3冊目になります。キクタン中国語シリーズは内容がかぶらないようになっているため、この本から勉強を開始するというより、『キクタン中国語【入門編】』『キクタン中国語【初級編】』を学んだあとにこの本を使い始めるのが一般的でしょう。

「中国語検定3級」に対応した1008単語

キクタン入門編・初級編と同様、『キクタン中国語【初中級編】』も暗記用に特化した中国語単語帳です。過去の中国語検定試験3級レベルの語彙を1008単語収録。『キクタン中国語【入門編】』より約500単語増えました。名詞/動詞/形容詞・副詞・その他/動詞に分類し、一日16単語、全9週で暗記するよう編集されている。一日16単語は入門・初級の時の倍の量になる。暗記対象単語の項目に、日本語の意味、ピンイン、用例(ピンイン・日本語訳付き)を載せている。体裁は初級編とほぼ同じ。

中国語検定3級対策

中国語検定3級を目指して中国語単語の勉強を始める場合、この本からスタートするのではなく、まずは『キクタン中国語【入門編】』『キクタン中国語【初級編】』の2冊を終えてからこの本を始めることによって、学習の抜けがなくなります。

単語、意味、ピンインはチェックシートを使って覚える

日本語、ピンインの一部、用例の中の対象単語の漢字やピンインが赤文字になっており、チェックシートで隠すことができます。

単語に重点を置いた作りに

『キクタン中国語【入門編】』、『キクタン中国語【初級編】』に比べると単語数が多いのであまりいろいろな情報は入っていません。ただ複文の理解に必要な関連詞呼応表現(中検3級で必ず出題される)や接続詞などは付録部分にまとめられています。

役に立つ声調パターンリスト

中国語検定試験3級に出題される発音問題、ピンイン問題に役に立つ声調パターンリストがかなり入っています。

「チャンツ」――リズムで覚える

音声は紙の書籍の場合CDが付いていますが、紙版でも電子書籍版でもダウンロードができるようになっています。「チャンツ」と呼ばれる楽しいリズムに乗せてオウム返しをしながら覚えていけます。中国語、日本語の順序は入門編・初級編と同じで、中国語→日本語→中国語の順序です。

※音声は単語のみで、例文の音声は入っていません。

『キクタン中国語【初中級編】』の対象読者

中中国語検定3級受験者。HSK3級HSK4級受験者。

この本のタイトルに「中検3級レベル」と書かれていますが、キクタン中国語シリーズの5冊は収録単語がかぶらないようになっているので、中検2級など上の級を目指す人にも向いています。

『キクタン中国語【初中級編】』を使った勉強方法

厚みのある単語帳への覚悟を

この単語帳をやるにはまず覚悟がいります。毎日16単語はけっこう厳しいと思います。もちろん自分の環境などに合わせて数を変更するのは自由です。ただ1000語以上になると、毎日ある程度やらないと終わりません。全9週間という目安はちょうどよいと思います。

CDを聞くのが面倒なのか、音声を聞かずに文字だけで学習している学生を見かけますが、中検3級ではヒアリングも65点取らなければ合格できません。ヒアリング力をつけるためにも、音声を聞いて聞き取れるようにしましょう。

『キクタン中国語【入門編】』が160ページ、『キクタン中国語【初級編】』が184ページだったのに対して、このキクタン中国語【初中級編】は300ページ程度と厚みのある単語帳になっています。中検3級突破という目標達成に向けて強い意志でやることが必要です。

繰り返しの重要性

またこのテキストでは一日16語で9週間やれば全単語が暗記できるという触れ込みになっていますが、1000語を超えるとそう簡単には身につきません。私の経験では、どんなに一生懸命暗記しても1回だけの暗記では9割忘れます。2回やっても8割は忘れます。3回やってやっと5割、半分です。頭に8割定着させるには5回くらい暗記する必要があります。こうした厳しさにも触れておく必要があるのではないでしょうか。頑張って頑張って暗記しても残るのはたった1割なのだと思っていれば(たぶん普通の知能の持ち主はほぼ全員)、気構えが変わります。絶望しないために一言付け加えておくと、3回やると定着率は右肩上がりになります。1、2回やってあきらめた人間にはこの喜びはわからないかもしれません。3回、4回とやってみましょう。

(※参考:「中国語の勉強法」)

『キクタン中国語【初中級編】』の学習効果

中国語の資格試験は一に語彙、二に語彙、三四がなくて五に語彙と言っても過言ではありません。試験のための単語暗記は空しいと感じる人がいるかもしれませんが、1000という語彙はしっかり覚えれば中国語のレベルが確実にワンランク上がります。レベルを上げるために資格試験を利用する、という発想でやると気が楽になるかもしれません。

『キクタン中国語【初中級編】』のおすすめポイント

上記しましたが声調パターンリストがよくできています。この単語帳に入っている単語でできているから、ちゃんと覚えているかどうか確認するためにも、暗記が進んだら声を出して読んでおくとよいでしょう。中検3級では、これを覚えておくと役に立つ問題が出題されます。

『キクタン中国語【初中級編】』の残念なところ

キクタン中国語シリーズ全般に言えることですが、用例に音声が入っていないのが残念です。

また、テキストと音声で使う道具(本とPCなど)が変わるのではなく、一つで両方という形、つまりアプリ方式にしてほしいと思います。英語のキクタンがアプリになっているのに、中国語のキクタンはアプリになっていないのは、やはり売り上げが見込めないからなんでしょうか…。