キクタン中国語【上級編】中検準1級レベル

キクタン中国語【上級編】中検準1級レベル

ここでは『キクタン中国語【上級編】中検準1級レベル』のレビューと、この中国語単語帳を使った学習方法について紹介します。『キクタン中国語【上級編】』は、キクタン中国語シリーズの最も難しいレベルです。5冊あるキクタン中国語単語帳シリーズの最終巻です。

キクタン中国語シリーズ全体のまとめと比較については、「キクタン中国語シリーズのまとめページ」で扱っています。

『キクタン中国語【上級編】』の基本情報

タイトルキクタン中国語【上級編】中検準1級レベル
著者内田 慶市 / 沈国威 / 氷野善寛 / 紅粉芳惠 / 奥村佳代子 / 岡本悠馬 / 関西大学中国語教材研究会(編集)
出版社アルク
ページ数335ページ
価格2,592円(税込)
出版年月日2013年3月25日
音声有り。単語部分のみ。CD2枚。(※例文音声は無し)
2色刷り
難易度中国語検定1級レベル
ジャンル中国語単語帳

『キクタン中国語【上級編】』の内容紹介

中国語検定準1級用単語1008と成語224を収録

新聞や雑誌を辞書なしでおおよそ読み取れる単語力

ここで集められている単語は決して難解なものではありません。よく使う単語です。ただ口語でよく使うというより、文章の中によく出てくる単語です。準1級ともなれば中国人と自在におしゃべりできるだけの単語量を、という発想から選ばれた単語ではなく、話し言葉ならきちっとした標準的な話ができるように、新聞や雑誌などはほぼ辞書なしでおおよそを読み取れるように、という観点から選ばれているようです。つまり中検準1級の資格取得者に求めるものがこの方向ということでしょう。

単語は見開き2ページに8つ

作り方は当該単語を見開き2ページを使って左側に当該単語を8つ、そのピンインや日本語訳、類義単語や反意語単語、量詞など参考情報を置き、右側に用例、ピンイン、日本語訳を置くのはキクタンシリーズのこれまでのものと同じ。

成語は1ページに4つ

成語は1ページに4つ。漢字、ピンイン、関連情報、用例、ピンイン、日訳などは同じページに収めてあります。見開き2ページに成語は8つです。

文法情報など付録はない

さすがに量がこれだけありますので、これまでのキクタンシリーズに必ずあった付録情報はありません。手のひらサイズですが厚みのある単語帳に単語だけがびっしり入っています。

楽しいリズムの音楽付き音声とチェックシート

楽しいリズムの音楽付き音声とチェックシートはこれまでのキクタンシリーズと同じです。

『キクタン中国語【上級編】』の対象読者

中国語検定準1級受験者

『キクタン中国語【上級編】』を使った勉強方法

キクタンの他のシリーズ同様、楽しい音楽を使って、毎日少しずつ覚えていきます。具体的なモノを意味する単語はさすがに少なく、やや抽象的な書き言葉が増えているので、覚える喜びは少ないでしょう。ただこれだけやれば中検準1級資格取得は目の前なので、この資格取得という目標があれば頑張れる人が多いのでは?

(※参考:「中国語の勉強法」)

『キクタン中国語【上級編】』による学習効果

一日16個(成語は8個)、13週間、計91日で「ゼッタイに覚える」と「はじめに」の部分に書かれていますが、これだけでは「ゼッタイに全部は覚えられません」。この量を1回だけ頑張って覚えようとしても、数か月後に残っているのは10%前後です。再度やれば20%です。3回やれば約半分です。5回目くらいで8割から9割でしょう。人間の記憶力というもののこうした厳しさを念頭に置いて頑張れば、つまり半分はものにしたいと思うなら3回繰り返せば確実に半分は覚えられます。

『キクタン中国語【上級編】』のおすすめポイント

中検準1級の中国語力、つまり仕事である程度使えるレベルの中国語に必要な単語量がよくまとまっています。これだけでは中国人との自在なおしゃべりはまだ無理でしょうが、ネット情報や新聞記事を読んだりするにはそう苦痛はないはずです。またスピーチなども簡単なものならこなせます。

『キクタン中国語【上級編】』の残念なところ

「はじめに」で書かれている、一日16個91日間でOKというような書き方はすべきではないでしょう。外国語を身につけるというのはそんなに甘くありません。このように書かないと買ってもらえないということなのでしょうが、準1級をめざすような学習者には本当のことを書くべきです。

「聞き流すだけで覚えられる」「語学に勉強は必要なかった」などの広告でどれほど多くの人が外国語嫌いになっているか…と私は思うのです。甘い言葉に乗って「聞き流す」だけ、「楽しむだけ」では外国語は身につきません。おそらくあのような教材を買った人は「やってみたけどダメだった。自分には語学の才能がない」と言って早々と投げ出してしまっているのでは?語学に才能は要りません。要るのはひたすら繰り返すことです。1回だけではだめなのです。こうしたことをちゃんと書いた方が覚える側も覚悟が生まれることでしょう。