中級中国語 読み解く文法
『中級中国語 読み解く文法』は、網羅的、系統的ではないが、一通り文法を学んでもなお残る「なぜ」に答えてくれる、ワンレベル上を目指す人の中国語文法書。文法の工具書というより、文法に興味のある人が「へぇ」と思いながら読みふけるタイプの本。このページでは、『中級中国語 読み解く文法』のレビューとこの本を使った学習方法について書いていきます。
目次
『中級中国語 読み解く文法』の基本情報
タイトル | 中級中国語 読み解く文法 |
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著者 | 三宅登之 |
出版社 | 白水社 |
ページ数 | 200ページ |
価格 | 2,484円(税込) |
出版年月日 | 2012年2月16日 |
音声 | 無し |
色 | 白黒 |
難易度 | 中級者~上級者 |
ジャンル | 中国語文法書 |
『中級中国語 読み解く文法』の内容紹介
品詞について、名詞について、動詞・形容詞について、フレーズについて、補語についてなど学習者にとってわかりにくい中国語文法項目を8つに分けそれぞれについて説明している。
『中級中国語 読み解く文法』の対象読者
初級段階の学習を一通り終え、さらに上の段階に進もうとしている人。
『中級中国語 読み解く文法』を使った勉強方法
中国語の文法について一通りはやったけれど、勉強が進むにつれてそれだけでは説明のつかない現象が出てきた、質問したいことがたくさんある、という人なら通勤・通学電車の中にこの本を一冊持ち込んで、自分の興味のあるところから読んでいくと良い。今ある質問したいことは解決できなかったとしても、なるほど中国語ってこういう言葉だったのかという発見がたくさんあるはずだ。
(※参考:「中国語の勉強法」)
『中級中国語 読み解く文法』の学習効果
1回読むだけではすぐ忘れてしまうが、2、3回読めば中国語とはどんな言語なのかぼんやりわかってくる。それは今の中国語を劇的には改善しないが、じわじわと効いてくるはず。たとえば中国語にはよく数量表現が出てくる。日本語の数量表現は数える機能だけだが、中国語は数える必要がないものまで(「彼女は今日一足の靴を履いている」など)使う。それがなぜなのかを丁寧に説明してくれる。これは人間の認知原理に基づいた現象なのだが、専門用語をわかりやすく使って説明してもらうと、なるほどそういうことなのかと腑に落ちる。
『中級中国語 読み解く文法』のおすすめポイント
まさに読む文法書
日本人学習者が悩み勝ちな中国語文法のわかりにくい現象について、まるで物語のように語ってくれる。まさに表紙にあるように「読む文法書」になっている。
一般学習者と専門家の橋渡し
一般学習者向けにできるだけ専門用語は使わない…という参考書ではない。時に専門用語を使い、ときに論文的ロジックを用いながらなおわかりやすさをめざしている。一般学習者と専門家の橋渡しをしてくれる本。
『中級中国語 読み解く文法』の残念なところ
読み物なのでドリル等はもちろんついていない。さらっと読めてしまうが、繰り返し読まないと頭に残りにくい。もう少し知識を読者の記憶に残す工夫があってもよかったのではないだろうか。