第二外国語で中国語を選ぶメリット
大学では、最近は高校でも、語学を英語以外にもう一つ学び、それを「第二外国語」と言います。第二外国語で学ぶ外国語には中国語をはじめとして、フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語などがあります。一般にはどこの大学でも(または高校でも)第二外国語としては中国語が一番人気です。
ここでは実際に私が大学で中国語を教えながら感じている、「第二外国語として中国語を選ぶメリット」などを紹介します。
第二外国語として中国語が人気である理由
第二外国語として中国語を選ぶ学生が多い理由としては、私が聞いた限りでは「中国が発展しているので将来就職する際中国語ができると有利だと思う」というのが一番多いです。そういう学生さんに「では1年間でどのくらいのレベルに達したいですか」と聞くと、ほとんどが「日常会話レベル」と答えます。日常会話レベルでは仕事には使えないと思うのですが、教師にそう聞かれればほどほどのところを答えておこう、高い目標なんか立てて絞られたら大変だという防衛本能が働くのかもしれません。
第二外国語で中国語を選ぶメリット
では「将来就職する際役立てたい」と考える学生さんにとって、第二外国語に中国語を選ぶメリットというのは何でしょうか。
これは彼らが考えるとおり、今や中国はビジネスの中心地の一つで日中合弁企業も多く、また仕事や観光で日本に一時滞在・長期滞在の中国人も多いことから、中国語を知っていれば仕事や就職に有利ということでしょう。
またこうした功利的な理由を持たない学生さんであっても、日中の交流は一時的に何かがあっても基本的には深まる一方でしょうから何かと交流の機会は多く、それは人生の楽しみを生んでいくかもしれません。
また中国語というのは日本人にとって発音の難しい言語ですので、第二外国語を選ぶ、つまり一般には20歳前後の時期に中国語を勉強すれば、きれいな発音が身につく可能性が高まります。きれいな発音をマスターできるかどうかは年齢に正比例しますので、これも第二外国語で中国語を選ぶメリットでしょう。
第二外国語で中国語を選ぶデメリット
中国語によらず何であっても勉強してそれがデメリットになる、ということはほとんどないと思いますが、しいて言うなら他の言語を第二外国語に選べなくなるということでしょうか。中国の勢いも壁にぶつかり始めています。中国語を勉強してみたいという人はともかく、とりあえずやっておくか的な人なら、これから伸びそうな国の言語を選ぶのもありかもしれません。
お金の心配をせず勉強ができるのは一般には大学までです。働き始めるとなかなか勉強の時間は取れません。そうした貴重な時間を使うのですから、第二外国語とはいえよく考えて選ぶのがいいでしょう。
第二外国語に中国語を選んだ際の学習のポイント
では上記のような「中国語を第二外国語で学ぶ」メリット・デメリットを秤にかけると…これはもうメリットの方が大きいでしょう。中国はなんといっても大きな国ですし、日本で中国語が人気と言っても、学習者や中国語の使い手は英語に比べて圧倒的に少ない、多少でも中国語ができれば使い道は多いと思います。
大学の第二外国語という、時間がたっぷりある時期に基礎だけでも学んでおくとあとが楽です。
第二外国語の授業では、最初は嫌というほど退屈な発音に時間が割かれると思いますが、ここを丁寧に教えてくれる先生に出会えたらラッキーと思ってください。最初に耳と口に定着した音が自分の中国語になっていきます。中国人が聞きやすい中国語になるか聞きにくい中国語になるかはここが決め手となりますので、将来中国に関わりそうだなという予感がしたら、単位が取れればいいなどと思わず一生けんめい練習してください。