中国語類義語辞典
2015年に出版されて話題をよんだ『中国語類義語辞典』、中級以上の中国語学習者になくてはならない必須参考書。その中身はどんなものかをご紹介します。
目次
『中国語類義語辞典』の基本情報
タイトル | 中国語類義語辞典 |
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著者 | 相原 茂 |
出版社 | 朝日出版社 |
ページ数 | 816ページ |
価格 | 4,860円(税込) |
出版年月日 | 2015年5月27日 |
音声 | 無し |
色 | 白黒 |
難易度 | 中級者以上 |
ジャンル | 辞書・辞典 |
『中国語類義語辞典』の内容紹介
中国語の類義語(似た言葉)526セットが入った日本で最初の本格的類義語辞典。辞典という名前ではあるものの辞書的な記述ではなく、40数人の書き手(主として中国語学研究者)が自分の興味がある類義語についてそれぞれのスタイルで書いたやや読み物的類義語辞典です。
『中国語類義語辞典』の対象読者
対象読者としては中国語に興味のある人なら誰でも。ただし一般には中級と見なされるレベルに達した人に最適。中国語を始めて1~2年経ち、初級段階を終えた頃から中国語における似たもの単語の使い分け、たとえば“走”(行く)と“去”(行く)の違いなどが気になってきます。そうした違いは全ての中日辞典に入っているわけではないので、このような辞書が必要になってきます。
『中国語類義語辞典』を使った勉強方法
辞書ですから必要になった時引けばいいのですが、ふだんから中国語の類義語――似たもの言葉の使い分けに興味を持っている人なら、最初のページから読んでいってもよいでしょう。辞書の記述よりは面白く書かれているので楽しんで読めると思います。
(※参考:「中国語の勉強法」)
『中国語類義語辞典』の学習効果
この辞書にあるすべての類義語ペアの使い分けについて完璧に論証されているとは言い難いですが、ある程度は納得がいくものになっています。
またこの辞書の主編者による前書きにも書かれていますが、中国語の学習が進んでいくと学習者の疑問は言葉の使い分けに集中します。中国語教師であるなら、〇と△の言葉の違いは何か?という質問を学生さんからしばしば受けるようになります。質問するということはそこに興味があるということでもあり、この辞書はそのような好奇心にこたえてくれます。これを読んで「へえ、なるほど」という読後感が得られたなら、いっそう中国語への学習意欲をかき立ててくれることでしょう。そのような効果もまた期待できます。
『中国語類義語辞典』のおすすめポイント
類義語は小学館や講談社の辞書にもある程度は入っていますが、この類義語辞典は量的にそれらを超えます。他の辞書の類義語記述に比べてこの辞典の記述量ははるかに多く、納得の度合いも高いものになっています。
『中国語類義語辞典』の残念なところ
なんといっても重すぎます。持ち歩けません。気楽に読める辞書なのに電車の中などで読めないというのは残念です。これがキンドルに入っていたらと思わざるを得ません。出版社にはぜひ検討していただきたい。電子化されたらもっとたくさんの類義語を入れていくこともできるでしょう。中国語の類義語で日本人読者の知りたいペアはまだまだたくさんあります。