キクタン中国語【慣用句編】中級レベル

キクタン中国語【慣用句編】中級レベル

ここでは『キクタン中国語【慣用句編】中級レベル』のレビューと、この参考書を使った学習方法について紹介します。キクタン中国語といえば単語帳で有名ですが、この『キクタン中国語【慣用句編】』は慣用句版になります。中国語の3文字慣用句が392語集められ、難易度としては中国語検定試験の2級以上向けです。

キクタン中国語シリーズ全体のまとめと比較については、「キクタン中国語シリーズのまとめページ」で扱っています。

『キクタン中国語【慣用句編】』の基本情報

タイトルキクタン中国語【慣用句編】中級レベル
著者邱奎福
出版社アルク
ページ数160ページ
価格1,944円(税込)
出版年月日2011年4月20日
音声有り。慣用句部分のみ。CD1枚。(※例文音声は無し)
2色刷り
難易度中検2級以上レベル
ジャンル中国語慣用句集

『キクタン中国語【慣用句編】』の内容紹介

中国語の3文字慣用句が全392語収録

中国語には3文字の慣用表現がたくさんありますが、このテキストはそれを392語集めたものです。3文字の慣用表現とは、たとえば“吹牛皮 chuī niúpī”(ほらを吹く)とか“拉关系 lā guānxi”(コネをつける)など、漢字3文字で作る慣用句です。これが中国語にはたくさんあり、中国語検定試験2級以上ではよく出題されるため、その対策として作られたテキストでしょう。全部で392語集められています。

テキストの作りは他のキクタン単語帳と同じ

テキストの作りは『キクタン中国語【入門編】』、『キクタン中国語【初級編】』、『キクタン中国語【初中級編】』などとまったく同じです。対象となる慣用句のピンイン、日訳、例文とピンインその日訳があり、類義表現や関連表現も付記されています。

赤いチェックシート付き

チェックシートで当該慣用句、その訳、ピンインを覚えさせる作りも他と同じです。

暗記ドリル付き

一日8語、全7週間のカリキュラムが組まれています。一週間分が終わると、学んだ慣用句の日本語訳が並び、その中国語が書けるかどうかのドリルがついています。

リズムで覚える

こちらもチャンツというリズムに乗った音声が流れます。中国語、日本語、中国語という組み合わせです。このチャンツーリズムに3文字慣用句はよく合います。

『キクタン中国語【慣用句編】』の対象読者

中国語検定2級・準1級・1級受験者

『キクタン中国語【慣用句編】』を使った勉強方法

一日1分、CDを聞くだけ・一日3分、ピンインは覚える・一日5分、例文も読んで頭にしっかり残すという「学び方」3パターンが提示されています。とりあえず知識として知っておきたいのか、きちんとものにしたいのかを選択し、パターンに沿って学んでいきます。

(※参考:「中国語の勉強法」)

『キクタン中国語【慣用句編】』の学習効果

目的に沿った学び方をしていけばほぼその目的は達成できると思います。CDを毎日聞き、テキストを読んでいけば「あっこの慣用句知ってる」というものが確実に増えるでしょう。

『キクタン中国語【慣用句編】』のおすすめポイント

3文字慣用句が大量に入っていて、これをきちんと覚えていけば「3文字慣用句」は無敵です。3文字慣用句単語帳というより3文字慣用句小辞典と言ってもいいかもしれません。

『キクタン中国語【慣用句編】』の残念なところ

3文字慣用句ってこんなに必要?

まず3文字慣用句ってそんなに必要? という根本的な問題があります。確かにある程度はよく使いますが、暗記するのに392は多すぎでしょう。2級、準1級に出題されるのは確かですが、慣用表現としてはことわざなども出ますから、3文字慣用句をこんなにたくさん出すくらいなら半分はことわざでもよかったかも。おそらくチャンツーのリズムで覚えていくのに3文字慣用句はピッタリですが、ことわざは長すぎて乗れない。これが選ばれなかった理由かもしれません。

音がちょっと速すぎる

音が速すぎて、テキストを見ながらでないと普通の学習者はついていけないと思います。テキストを見ながらでは、「一日1分CDを聞き流すだけ」という第一パターンの学習法は成立しないのでは?

「一日たった8語×7週間でマスター」は過剰宣伝?

キクタン中国語【初中級編】のところでも書きましたが、「一日〇語×〇週間でマスター」というキクタン本の帯の宣伝は誤解を招きます。実際に暗記に挑戦すればわかりますが、数百個の単語を1回やっただけでは、どんなに一生懸命やったとしても記憶に定着するのは10%程度です。記憶定着率を曲線で示すと2回目までは実になだらかな曲線で、3回目から急速に上昇し、5回目くらいで80~95%くらいになります。もちろん総量にもよりますし、個人差もありますが。