中国語で「かわいい」の表現集
Tweetこのページでは中国語で「かわいい」と言うための様々な表現を紹介しています。
最近世界の若者の間で日本初の「カワイイ」が流行っているらしいです。元は中国語“可爱kě'ài”から来ている「かわいい」、この「カワイイ」が中国に逆輸入され中国語の新語になっています。このような新しい「かわいい」が中国語の中ではどのように使われているのかや、昔から使われている一般的な中国語の「かわいい」“可爱”の使い方などについて取り上げていきます。サウンドマークをクリックすると音声が流れます。
「きれい・美しい」などの中国語表現は、「中国語で「きれい・美しい」の表現集」のページで紹介しています。
中国語の発音については、「中国語発音講座」のページで詳しく紹介しています。
目次
中国語の「かわいい」は日本語とちょっと違う
中国語の「かわいい」は“可爱 kě’ài”と書きます。
同じ字ですね。では使い方は?これは少し違います。ひとつは日本語と同じ意味。小さくて愛らしいものに対する形容です。可愛い赤ちゃんや子供、子犬や子猫など動物に対しても使います。ところがかわいらしいモノには使いません。
中国語の「かわいい(可爱)」はモノには使えない
日本語の「かわいい」はモノや洋服にも使えます。「アッこれかわいいね、着てごらん」などのように。中国語はこういうとき“好看hǎokàn”(きれい)、“漂亮piàoliang”(美しい)、“精致jīngzhì”(手がこんでいる)、“小巧xiǎoqiǎo”(小さくてきれい)などとより具体的に言います。“可爱”はモノには使えません。
中国語の「かわいい(可爱)」は「おじさん」にも使える
中国語の“可爱”はなんといい年をした「おじさん」にも使えます。もちろん日本語でもちょっと楽しいおじさんに「あのおじさん、カワイイ!」なんていう使い方もできますが、そういう軽い意味ではなく、人格的な魅力を持った人に“可爱”を使うのです。たとえばチベット仏教の指導者ダライ・ラマに対して「彼は“可爱”人物である」と書いた、亡命中国人の文章を読んだことがあります。この場合は「可愛い」ではなく、「魅力ある」と訳します。また “可爱的祖国”(愛する祖国)のように使うこともできます。
日本語の「カワイイ」は中国に渡って“卡哇伊”に
日本語の「かわいい」は中国語とはちょっと違うニュアンスを持つので、これと同じ意味を中国語で表すには、“卡哇伊 kǎwāyī”という表現を使います。
音はまさに「カワイイ」、意味も、特に日本の若い女性がよく使う「カワイイー!」です。たとえば中国の女性が「あなたはどういうタイプ?」と聞かれて「私って“卡哇伊”(カワイイ)タイプなの」と答える場面を中国のテレビ番組で見たことがあります。自分で自分を“卡哇伊”(カワイイ)って言う!?とびっくり仰天するのは日本的感性。中国では「それが何か?」です。で、中国における“卡哇伊”(カワイイ)タイプとは何かですが、具体的には謎です。今世界では若い世代向けに日本発の「カワイイ文化」が増殖中ですが、受け取る国によってその意味するところはさまざまなようです。一般には原宿ファッションなどを指すのでしょう。日本人がこの“卡哇伊”を中国語発音で使うとしたら、普通に「カワイイ」と言いたくなる場面で使えばいいのです。
日本発の“萌”も「カワイイ」場面で
日本語の“卡哇伊”(カワイイ)が流行ったと思ったら、「カワイイ」と似た意味で “萌”と言う言葉も中国で流行しています。
「萌え」という言葉はもともと日本のネットスラングですが、日本では大人は使いませんしネットでもあまり見かけません。ところが中国では大人も大真面目で使うのです。たとえばドイツの新聞の中国語版が中国政府のパンダ外交について述べたものを紹介したネット文章の見出しは“中国的特殊外交手段 ―― 萌萌哒 Zhōngguó de tèshū wàijiāo shǒuduàn ―― méngméng dā”(中国の特殊な外交手段ーーカワイイ!)となっています。この“萌萌哒”は“萌”からの派生語ですが、意味は同じ「カワイイ」です。なぜ“哒”という見たこともないような字が使われているのかは謎ですが “萌萌的”(カワイイです・カワイイよ)から来たのだろうと言われます。“的de”と “哒da”では音が違うのですが、それも新語の面白さなのでしょう。今では日本語から入ったということも忘れられ小さな子供も使っています。日本に長く住む中国人にこの言葉について聞くと「そんなの聞いたこともない、変な言葉!」と一蹴されてしまいますが。