中国の〇(マル)と×(バツ)の意味
Tweet日本で使われる〇(マル)と×(バツ)、中国でも同じように使われているのでしょうか?答えはNOです。日本の常識は中国の常識ではないのですね。では中国ではどのような記号が使われているのかご覧ください。
目次
中国で試験の×(バツ)は“×”
中国で試験の×は日本と同じ“×”です。×をつけることは中国語で“打叉 dǎchā”(×をつける)と言います。不同意や否定のマークでもあります。
中国で〇(マル)は使わない?
中国語で〇(マル)をつけることは“画圈儿 huàquānr”(〇(マル)を描く)と言います。このマーク、もちろん使いますが使い方が日本と異なります。日本で〇(マル)は「正しい」という意味になりますが、中国語では「目を通した」「要注意」などの意味になります。最近は替わりましたが、以前中国の交通標識で「通行止め」はこの〇(マル)のマークでした。日本で「通行止め」は×(バツ)のマークです。
クイズ番組の〇(マル)と×(バツ)は?
日本のクイズ番組で、参加者に〇(マル)と×(バツ)のカードを持たせ、質問に対してどちらかを挙げさせるという趣向のものがあります。こういう番組は中国でもあるのでしょうか?あります。ならどういうカードを持たせるの?“对 duì ”(正しい)や “不对 bú duì”(間違っている)のカードや、笑い顔マーク、泣き顔マークなどを見たことがあります。〇(マル)と×(バツ)を使ったものは見たことがありません。
「〇(マル)は正しい」と思う国はどのくらい?
日本人は「〇(マル)=正しい」と思っていますが、こう思う国はどのくらいあるのでしょうか?実は謎です。少なくとも多くの国がこう思っている、ということはなさそうです。ではいったいなぜ日本では「〇(マル)=正しい」なのでしょうか? 大学の学生さんたちに質問すると「日の丸から来ているのでは?」「太陽から来ているのでは?」という意見がありました。
「〇(マル)=正しい、当たっている」は中国人向けには使えない
日本人は「〇(マル)=正しい、当たっている」と思っていますからよく両手で〇(マル)を描くジェスチャーをします。「大当たり、その通り」の意味です。これは中国人にはまったく通じません。では×(バツ)はどうか?両腕を交差させて×(バツ)を作ったら「ダメ」という意味になるか?微妙です。こういう習慣がないからです。「ダメ」をジェスチャーだけで示したかったら首を横に振るといいでしょう。これならたぶん通じます。
自国の常識は他国の非常識
どの国の人も自分の国の常識は他国でも常識だと思い込んでいます。よその国に行ってそれが通じないことを知って初めて「ああ、自分の国の常識はよその国では常識ではなかったのだ!」と驚くのです。
ボディランゲージはその最たるもので、ある学生さんからこんな話を聞きました。日本に来た中国人観光客がアルバイト先の店にやってきて、指を使って何かを伝えたんだそうです。彼女は親指と人差し指だけを伸ばすVサインのような指文字の意味がまったくわからず困ったそうですが、中国語の授業でそれが「8」を意味するのだと知って喜んでいました。中国人観光客は自分の指文字は日本でも通じると思ったのでしょうね。日本人も中国に入ったら左手を広げ、そこに三本指を重ねて「8、8」とか言いそうです。ところがこれは中国ではまったく通じません。お互いさまですね。
手・指による中国の数字の表現については、「中国語の数の数え方・指による表現」のページで図入りで紹介しています。
「〇は正しい、×はまちがっている」、この常識を持つ国はもしかしたら世界ではきわめて少数派かもしれません。