中国語検定
ここでは中国語検定の出題傾向を調べたり、Webアプリで実際に解きながら学習することができます。
中国語の検定試験にはいろいろありますが、最も有名なものは中国語検定試験(中検)で、「中国語検定」と言った場合、通常はこの中検のことを意味します。このページでは主に中国語検定試験(中検)について扱います。
中検・HSK・TECC・通訳案内士試験(中国語)の4つの中国語資格試験の比較については、リンク先をご覧ください。
中国語検定とは
中国語検定には以下の2つの意味があります。
- 固有名称としての中国語検定試験(中検)
- 一般的な意味としての中国語の検定試験
中国語検定と言った場合、通常は上記の1番目の中国語検定試験(中検)のことを指します。
このページは、中国語検定試験(中検)の難易度などについて説明した後、中検の過去問分析ページのまとめ、中検対策Webアプリのまとめ、中検以外の中国語検定のまとめ、という順番に並んでいます。
中国語検定試験(中検)とは
中国語検定試験(中検)とは、日本中国語検定協会が主催している中国語の学習成果を測るための検定試験で中検とも呼ばれます。中検は、準4級→4級→3級→2級→準1級→1級と6段階に分けて受験者の中国語力を認定してくれます。中国語資格試験は他にもいろいろありますが、中検は日本では一定の権威を持ち3級以上なら就職する際履歴書に書くことができます(もちろん準4級から書いてもいいと思いますが、3級以上でないと仕事に役立つとは判断してもらえない可能性が高いです)。仕事で中国語を使うことをめざすなら、中検の2級、準1級のレベルはほしいです。
出題のしかたとしては準4級、4級、3級、2級まではリスニングと筆記のみ、準1級と1級は面接による二次試験があります。リスニングと筆記はマークシートによる選択問題と日文中訳などの筆記問題があります。
中検のレベル(級)と難易度
中検を受けよう! と思っても、難易度(級)がいろいろあって迷ってしまいます。ここでは中検の難易度について説明します。
以下の中検の難易度表では、各級に合格するための、必要な中国語学力について書かれてます。基本的に中検が公式に発表しているものを表としてまとめています。
級別の難易度表
レベル(級) | 難易度 |
---|---|
準4級 | 大学の第2外国語における第1年度前期履修程度 約500単語 |
4級 | 大学の第2外国語における第1年度履修程度 約500~1000単語 |
3級 | 大学の第2外国語における第2年度履修程度 約1000~2000単語 |
2級 | やや高度な読解力、3級程度の文章の作文力。日常会話 |
準1級 | 中国語の全般的な能力 |
1級 | 中国語全般にわたる高度な能力 |
中検が発表している級別の単語数と、実際に必要な単語数
中検では一番級の低い準4級で基礎単語500、4級で常用単語500~1000、3級で常用単語1000~2000が必要とされています。実際そこまで知っていないと合格できないのでしょうか?
もちろんそこまでの単語力があれば楽々合格できると思いますが、そこまでなくても大丈夫です。なぜなら中国語は要するに漢字だからです。残念ながらかつては同じ漢字を使っていたのに今ではそれぞれ少しずつ違った形の漢字になってしまいました。それでもたとえば「中国・日本・水・安全・白・北方・病人」など日中で同じ単語はたくさんあります。それぞれの音は違いますが。ですからたとえば日本語に訳す問題などはある程度類推できるのです。これは漢字を使っている日本の学習者の強みでしょう。
さらに合格するのに満点取る必要はありません。準4級と4級は60点、3級は65点取れればいいのです。500単語、あるいは1000単語、あるいは2000単語を完璧に暗記する必要はないのです。ですから資格を取るのにこれだけは暗記しないと大変だと思わず、単語を数多く知っていると中国語力が格段にアップする。だったら1000単語マスターするために3級をめざそうというように、逆転の発想で取り組むといいでしょう。
このサイトの中国語単語では、レベル1に300単語、レベル2に400単語、レベル3に500単語あります。「中国語の時間」「中国語の数字」「指示代詞と人称代詞」の3種類の基礎的な単語を覚えた後にレベル1の中国語単語を覚えることで中検準4級の合格に必要な単語数になります。その後レベル2の中国語単語を覚えることで中検4級、レベル3を覚えることで中検3級に必要な単語数になるように作られています。また、中国語単語では単語と例文に音声が入っているため、それらを聞きながら学習することでリスニングの訓練にもなります。
中検はどのレベル(級)から受けるのがいいか
では実際に中検を受けるのはどの級からにすればいいんでしょうか? 多くの人が受験を始めるのはどのレベルから?
趣味としての資格なら中検準4級から
資格を取るのが楽しみという方、お金と時間を惜しまないという方、こうした方は準4級から始めてはどうでしょうか? 励みになると思います。
併願に便利な中検4級
中検4級は試験時間帯の関係で、中検準4級もしくは中検3級との併願が可能です。「準4級には受かりそうだけど4級はどうだろうか…」という方や、「3級は難しいかもしれないけど4級なら受かるだろう」という方は、4級との併願がいいかもしれません。
就職に役立たせたいなら最低でも中検3級から
資格は興味はないけど履歴書に書くと就職に役立つと思うという方、こういう方は最低でも3級からでしょう。3級というのは「簡単な日常会話ができる」というレベルですから仕事で使うのは無理でしょう。ただ会社によっては中国で仕事をするのに多少でも中国語を知っていた方がいい、ということで3級を評価するところもあります。
筆者の教えている大学では、中検3級から受ける学生さんたちが多いです。中検3級未満である中検4級、中検準4級は本当に初心者レベルなので、半年~1年ほど勉強したら中検3級からチャレンジするというのがおすすめです。中検3級は、大学の中文科の学生が半年~1年くらいで受かるレベル。あるいは第2外国語であれば2年ほどで受かるレベルです。
実際の受験者数も、1番多いのが中検3級、ついで中検4級となっています。(年によってその2つがひっくり返ることもありますが、だいたい中検3級のほうが受験者数が多いです。)
本格的にやるなら中検2級をめざす
ある程度自信を持って履歴書に書けるとなると中検2級以上です。ただし2級でも仕事で使うとなるとかなり厳しいでしょう。本当に仕事で使いたいなら「簡単な通訳ができる」というレベルの準1級をめざす必要があります。最初から準1級というのも大変ですから、2級か3級あたりから受けてみるといいと思います。中検3級の次は2級、受かったら準1級と順を追ってチャレンジしていくと自分のレベルが把握しやすいです。
中検4級から中検3級はぐっと坂の角度が上がる
中検準4級→中検4級はなだらかな坂ですが、その後、中検3級はぐっと坂の角度が上がります。さらに中検2級の坂になるとステージそのものが変わる感じ。難易度がかなり上がります。本腰を入れないと合格は難しいでしょう。そして中検準1級となれば、仕事で中国語を使うという夢が視野に入ってきます。
中検1級の難易度
中検1級はかなり厳しいです。普通の中国語会話に流暢というより、中国の教養書を自在に読む力や古典の知識なども必要になってきます。そして二次試験では通訳力も試されます。
中検のレベル(級)別の合格基準点
レベル(級) | 種目 | 満点 | 合格基準点 |
---|---|---|---|
準4級 | リスニング | 50点 | リスニングと筆記の合計で60点以上 |
筆記 | 50点 | ||
4級 | リスニング | 100点 | 各60点以上 |
筆記 | 100点 | ||
3級 | リスニング | 100点 | 各65点以上 |
筆記 | 100点 | ||
2級 | リスニング | 100点 | 70点以上 |
筆記 | 100点 | 65点以上 | |
準1級 | リスニング | 100点 | 75点以上 |
筆記 | 100点 | 70点以上 | |
1級 | リスニング | 100点 | 各85点以上 |
筆記 | 100点 |
※中検準1級と中検1級には面接での二次試験があり、会話力・表現力や通訳力などが合格ラインに達しているかどうかがチェックされます。また、1級は毎年11月の試験のみです。(中検1級以外の級は年3回試験が可能です)
中国語検定試験は表にあるようにリスニングと筆記に分かれます。中検準4級以外はそれぞれ満点が100点で、合格基準点は級が上がるほど高くなっていきます。また筆記よりリスニングの方が合格基準点が高く難しくなっています。
中検準4級~3級 傾向と対策
中検の過去問分析と、必要な勉強をまとめました。
パターン別の中検の問題を、実際に1問ずつ解けるようにしてあります。中検3級・中検4級・中検準4級の問題傾向の調査とその対策については以下からどうぞ。
中検対策Webアプリ
中検対策の問題をゲームっぽく解いていくことができます。
今は語順が100問、穴埋めが100問ですが、語順1000問、穴埋め1000問、程度を予定しています。
単語に関しては、中国語単語に1200単語(音声、用例付き)があります。「中国語」「日本語」「ピンイン」のそれぞれについて「表示」「非表示」が切り替えられるようになっています。
中検以外の中国語検定試験
英語の資格試験にはいろいろありますね。英検とかTOEICとかTOEFLとか。中国語にもいろいろあります。最も一般的なものはこのページで取り上げている中国語検定試験(中検)ですが、中検以外にもHSKとかTECCなど。また通訳案内士試験(中国語)というのもあります。
この中で中国語の初心者にとって一番受けやすく、それなりに認知度の高いのは中国語検定試験(中検)でしょう。中国語を独習する際、こうした試験を時々受けるのは学習のモチベーションをあげるのにとても良いことです。自分の弱点にも気づけることでしょう。また中国語検定試験を受ける必要があってこのサイトにたどり着いた人もいるかもしれません。こうした方々のために、当サイトでは検定試験対策コーナーを設けています。
上記の4種類の中国語検定試験の比較については以下からどうぞ。
中国語の検定試験には、中検のほか、HSK・TECC・通訳案内士試験、などがあります。ここでは中検を含めた4種類の検定試験の簡単な比較を紹介をします。詳しい比較や個別の情報は以下のリンクをご覧ください。
中検・HSKなど4種類の検定試験の比較
中検
中国語検定試験(中検)は一般財団法人の日本中国語検定協会が運営しており、最も受験者数が多いです。
HSK(漢語水平考試)
HSKは中国の教育部による検定試験で、世界中で展開されています。日本での運営は学習塾系の団体。
TECC
TECCはもともとベネッセが立ち上げた検定試験で、現在は大手中国語教室のハオ中国語アカデミーが運営しています。
通訳案内士試験(ガイド試験)
通訳案内士試験は日本の国家資格です。中検やHSKに比べ受験者数は少ないものの、中国語に関する唯一の国家資格となっています。