より中国語らしい発音を身につけるために

中国語の発音の型がある程度身についたところで、さらにきれいな発音、本場の中国人の発音を目指すにはいくつかの方法があります。このページでは、より中国語らしい発音を身につけるためのコツについて扱います。

きれいな中国語のコツ(1)…本場の音を聞いて、自分の中国語とはちょっと違うなと気づく

テキストのCDやニュースの中の中国語に耳を傾けてみてください。自分の中国語とはちょっと違うと思えたら進歩に向かえる第一歩です。気づく、自分の耳で違いがわかる…きれいな発音をするには、この自分の耳でわかるというのが大切です。本を読もうが、人に教わろうが、自分の耳でわからなければきれいな発音は難しいでしょう。

きれいな中国語のコツ(2)…自分の中国語を録音して聞き比べる

CDなど中国語の音源があるものを用意し、その中国語と同じ単語、同じ文を自分で録音してみます。そして中国人の吹き込んだものと自分の中国語を聞き比べます。どこが違うか一音一音チェックします。そしてその違いを言葉にしてみてください。aの音がもっと明るいなとか、uがoに近いなとか…。次にその気づきを基(もと)にもう一度同じところを読んで、それを録音してみてください。もう一度お手本の中国語と比較したり、最初の自分の音と比較したりしてみてください。あれっこんなに中国語っぽくなっている!と驚くはずです。

きれいな中国語のコツ(3)…気づきを口の筋肉に覚え込ませる

中国人の発音はaの音がもっと明るいなとか、uがoに近いなとか気づいたら、それを読んだテキストなどに書き込んでおくことです。次にその気づきに基づいて何度も読んでみましょう。少なくても10回以上。こうすると口の筋肉に多少なりとも記憶が残り、次に同じ単語を読む時、明るくないaやoに近くないuを読んだ時違和感が出てきます。ちなみに口の筋肉は大脳の記憶よりずっと愚直で、覚え込ませるのは大変ですが、一度覚え込むと一生忘れません。

こうしてきれいな中国語のコツ(2)と(3)をやる習慣ができると、発音はどんどんきれいになっていきます。半年くらいこれに没頭してもいいでしょう。その時テキスト等の読みを10回ではなく100回くらいに増やすと、中国語を暗唱することもでき、発音の進化と中国語会話力の進化、一挙両得も望めます。

きれいな中国語のコツ(4)…中国語教材CDなどのシャドーイングをする

ある程度発音ができてきたら、音声(ゆっくり目)付き中国語教材などを使ってシャドーイングをします。シャドーイングとは相手の発音を耳でとらえながら、それを影のように追いかけることです。自分の発音は相手の発音よりワンテンポ遅れるのですが、自分の意識はほとんどすべて相手の発音に集中します。自分の発音はほとんど無意識に近い状態でオウム返しに練習していきます。

この時大切なのは、相手のイントネーションの癖まで真似ることです。

きれいな中国語のコツ(5)…中国人の発音のイントネーションの癖まで真似る

中国人の発音のイントネーションまで真似るというのは、相手が声を伸ばせば伸ばし、縮めれば縮め、要するに相手の発する音声情報のすべてを真似るということです。発音ルールや四声以外の情報、テキストには書かれていない情報をできるだけみんな真似てしまうということです。これをやることで相手の発声の癖までもらうことになりますが、それでいいのです。「日本人発音の中国語」…一般には、平板なリズムで優しくささやくような…から一歩抜け出て、「中国人発音」…波のうねりのような抑揚に富んだ…に近づくにはそれが大切なのです。