中国語の勉強法
「中国語の勉強法」では、著者が20年以上大学や専門学校などで教えている経験をもとに、まず、効率のいい中国語の勉強法の一般論について説明します。
その後、このサイトでは、中国語の初心者~中国語検定3級くらいまでに必要な多くの教材が公開されているので、このサイトでどうやって勉強していけばいいのかを説明します。
このサイトでの独学だけで、中国語検定3級くらいまでの実力はつけられます。
もう、赤いシートで単語を隠したり、練習問題の解答を確認するために巻末をめくる必要はありません! それらはすべてボタン一つで機能するようにできています。
音もCDの速度に合わせて聞く必要はありません! 聞きたいときにサウンドマークをクリックすれば出てきます。
4択テストもクリックでできます。
例文が出てくればその例文に使われている文法項目に飛べるようになっています。
ITの恩恵ですね。
スマホは勉強の敵ではありません。スマホやタブレットで寝っ転がりながら中国語を勉強できるのがこのサイトです。
目次
- 1.効率のいい中国語の勉強法(一般論)
- 1-1. 中国語の勉強法「基礎編」
- 1-1-1. 発音の勉強法 日本語にある音から学ぶ
- 1-1-2. 単語の勉強法 音で覚え、漢字1字の意味から学ぶ
- 1-1-3. 文法の勉強法 まずは基礎を覚えて語彙を重視する
- 1-1-4. 短文暗記による中国語勉強法
- 2. 中国語の勉強法「応用編」
- 1-2-1. 中国語検定を目標にして学ぶ
- 1-2-2. 実践学習
- 3. 中国語の勉強法「横道編」
- 1-3-1. 中国語の様々な知識を学ぶ
- 1-1. 中国語の勉強法「基礎編」
- 2.「効率のいい中国語の勉強法」に対応する中国語スクリプトでの勉強
- 2-1. 中国語スクリプトでの基礎的な中国語の勉強
- 2-1-1. 中国語スクリプトでの発音の勉強
- 2-1-2. 中国語スクリプトでの単語の勉強
- 2-1-3. 中国語スクリプトでの文法の勉強
- 2-1-4. 中国語スクリプトでの短文暗記の勉強
- 2-1-5. 中国語スクリプトでの基礎知識の勉強
- 2-2. 応用的な中国語の中国語スクリプトでの勉強
- 2-2-1. 中国語スクリプトでの中国語検定の勉強
- 2-2-2. 中国語スクリプトでの実践学習
- 2-3. 中国語の勉強は横道にそれるのが面白い
- 2-4. スマホとPCで中国語を勉強する際に知っておくと便利なこと
- 2-1. 中国語スクリプトでの基礎的な中国語の勉強
- 3.おすすめの中国語学習の本・参考書
- 3-1. 『新訂 中国語概論』
- 3-2. 『whyにこたえるはじめての 中国語の文法書』
- 3-3. 『中国語作文 その基本と上達法』
- 3-4. 『通訳メソッドを応用した 中国語短文会話800』
- 3-5. 『日本人の中国語 誤用例54例』
- 4.中国語教室などでの勉強 中国語教室・学校・先生の失敗しない選び方
- 4-1. 教室に足を運んでさがす
- 4-2. 学ぶ目標をはっきりさせる
- 4-3. 短期間で中国語をマスターしたいと思うなら
- 4-4. 先生には誠実な方を
- 4-5. 大学院で学ぶという方法も
- 4-6. 個人レッスンのクラスも
効率のいい中国語の勉強法
効率のいい中国語の勉強法を、基礎→応用→横道の順で説明してあります。
1.発音の勉強法 日本語にある音から学ぶ
ことばは歌
外国語を勉強する時どんな外国語であれまず発音を勉強します。
ことばというのは歌のようなものです。歌であれば、まずお手本の歌を聞いてその音をまねてみますが、言葉もそれと同じです。まず聞いて、まねてみることから始めます。
中国語を聞いてみると、日本語の音の出し方とは違い、うまくまねることができないかもしれません。これは、音の出し方が日本語と中国語で異なるためです。
音の出し方は外国語によって違います。体を楽器にたとえるなら、楽器に触れる場所がそれぞれ違うのです。特に中国語は日本語と異なります。
日本語は口の前の部分でささやくように声を出します。
一方、中国語は口の奥の方から、または口の中を大きく使って、うねる波のような音を出します。
いったい唇や舌をどんなふうに使えばあんな声が出るのか、最初はチンプンカンプンなはずです。耳をすませてもわかりません。そこでそのコツを書いたテキストが必要です。
中国語の音は日本語の中にもある
発音の学習テキストにはそれぞれの音を出すコツが書いてあります。口腔図を示して教えるテキストもありますし、日本語にある音を使って説明するテキストもあります。このサイトでは大部分は後者、つまり日本語にある音を使って説明しています。口腔図を使ってもあまりピンと来ないからです。
中国語の発音は日本語の発音とはだいぶ違う、ところがその違う音が実は日本語の中にもあるのです。たとえば中国語は「ン」の音が2つあります。それを発音記号ではnとngで表します。この異なる「ン」を日本人が耳で捉え、発音し分けるのは至難と言っても過言ではありません。何十年勉強していても永遠のチャレンジです。ところがこの2つの音が日本語にあるのです。
「案内」と「案外」です。日本人は前者をannaiと発音し、後者をanggaiと発音しているのです。「案内」と言うつもりで「案」で止めてみてください。それはanという音になっているのです。次に「案外」と言うつもりで「案」で止めてみてください。それはangという音になっているのです。
こんなふうに日本語にある音で説明を受ければ理解しやすくなります。このサイトではそのような説明を心がけています。
音をまねる大切さ
また発音は音ですから、説明を読むと同時に音がなければまねることはできません。このサイトではサイト作成者が大学の授業で使っている音を入れてありますので、この音を真似てみてください。
発音記号(ピンイン)は必須
発音を学ぶ際nとかngとか上記した発音記号を使います。これをピンインと言います。中国語では“拼音”と書きます。このピンインはアルファベットを使っていますが、アルファベットの読み方とは異なります。たとえばqianと書けば、日本語にすると「チエン」に近い音になりますし、xiと書けば同じく「シ」、ziと書けば同じく「ズ」に近い音になります。英語の読みとはだいぶ異なります。そこで発音を学ぶにあたってはこのピンインの読み方、つづり方を同時に覚えていかなければなりません。
基礎を面倒がらない
これが中国語を学ぶ時の一つの関門です。英語の嫌いな人はアルファベット、しかも英語のつづりとは異なるアルファベットを見ただけで嫌になってしまうのです。ただこれは発音を正確に覚えるため、どうしてもくぐらなければならない門なので、そこはあきらめて腰をすえて覚えましょう。なにごとも基礎をきちんとやればあとは楽です。
2.単語の勉強法 音で覚え、漢字1字の意味から学ぶ
外国語は単語量があってナンボ
外国語の勉強は1に語彙、2に語彙です。言葉数が多ければ多いほど、聞いてわかり、読んでわかり、話すに楽!
特に中国語は語彙的な言葉と言われます。文法がすごく厳密で体系的なわけではなく、文法を細かなところまで覚えるよりは単語を増やした方が多方面に使えます。
必要な単語数
ではどのくらいの単語数が必要なのか。
中国語検定試験の認定基準を読むと、
準4級で基礎単語500
4級で常用語500~1000
3級で常用語1000~2000
2級、準1級、1級とこれ以上の級になると数は提示されていません。
HSKでは
1級で基礎常用単語150程度
2級は基礎常用単語300程度
3級は基礎常用単語600程度
4級は常用単語1200程度
5級は常用単語2500程度
6級(HSKは級の数が増えるほど難しくなる)は常用単語5000以上
とあります。
ただしこの数字は知っておいた方がいいという数字で、これすべて覚えておかなければ合格しないということではありません。特に級の低い方の試験は、中国語検定試験なら60点(4級)から65点(3級)、HSKなら300点中180点(4級)で合格しますので、全部を必死にやることはありません。もちろんこれらの単語をすべてモノにしておけば楽々合格できることは間違いありませんが。
当サイト「中国語スクリプト」は現在1200単語
最初は300単語くらいからスタートし、検定試験に臨むなら(中検3級またはHSK4級)1000単語は覚えたいところです。将来中国語を使って仕事をしたいと思うなら目安としては最低1万以上でしょう。当サイトの中国語単語では1200単語が収録されています。いずれもっと増やす予定です。
音や絵で覚えるのがベスト
問題はどうやって覚えるかです。
日本人学習者は一般に書いて覚えます。この勉強法は語学の場合あまり良いとは言えません。言葉は音ですから聞いたり、声を出して覚えるのがベストです。特に耳から入る音はとてもインパクトが強く、それも場面とセットだと記憶に残りやすい。本サイトはその勉強法を意識して作っています。絵があるとわかりやすい単語、類義関係のある単語などには写真をつけました。一つの単語にいくつかの意味がある場合アニメーション化してあります。これも今後もっと増やしていく予定です。
日本人学習者の落とし穴
もちろん文字として覚えるのも大切ですから最終的には書いて覚えます。ただここには日本人学習者にとって一つ大きな落とし穴があるのです。それは日本語にも漢字があって日本人は漢字を見るとすぐ意味がわかってしまうというものです。見るとわかる、だからわかっていると思い込む。つまり見るとわかるけれども聞くとまったくわからないという落とし穴です。
鉛筆…見た瞬間イメージがわきましたね。
“铅笔”…これが中国語の漢字(簡体字)による「鉛筆」ですが、この簡体字を勉強していればこれも見た瞬間意味がわかります。
“qiānbǐ”(音声)…どうですか?これはまったくの外国語です。ゼロから覚えなければ手も足も出ません。これが日本人学習者にとっての落とし穴です。
聞く力(リスニング力) > 話す力
この落とし穴を克服するためにまずは音で覚えるという作業が必要になってくるのです。リスニングのトレーニングです。リスニング力と話す力はどちらの方が大切かというと、コミュニケーションの場に限って言うならリスニング力です。いくら中国語でおしゃべりができても聞く力がないとコミュニケーションはそこでストップしてしまうからです。
漢字が意味するものに敏感になること
もう一つ大事なことがあります。漢字は熟語になっていることが多く、たとえば“面条 miàntiáo”は「うどん・めん類」という意味ですが、“面条”=「うどん・めん類」と、これだけを覚えようとするのはもったいないのです。 “面条” の“面”は「小麦粉・めん類」、 “条”は「細長いもの」という意味です。つまり“面条”で「細長い小麦粉・めん類」になり、これがつまり「うどん・めん類」です。このように熟語を構成している漢字一つ一つの意味を辞書で調べておけば応用がききます。たとえば“面食”“金条”という字を見たら「面食い」ではなく「小麦粉料理かな」とか「細長い金…つまり金の延べ棒かな」などとあたりをつけられる…つまり語彙量が何倍にも増えるのです。
ウエブ上の辞書を使う
単語を1つ覚えるたびにこんなことやってられないよ!
おっしゃる通り。でも熟語を構成する漢字ひとつひとつの意味を意識して覚えていくことはとても大事なこと。調べないと気持ち悪い時だけでいいですから辞書を引いてみてください。スマホに辞書が入っていない?それならグーグル検索すればすぐ出てきます。
中国語スクリプトでも中国語の辞書について詳しく書いてあります。
3.文法の勉強法 まずは基礎を覚えて語彙を重視する
中国語の文法は、たとえば中国語検定試験の3級レベル、中国旅行でちょっと話せたらいいな、バイト先の中国人と中国語でおしゃべりできたらいいなといったレベルであるならさほど細かく覚える必要はありません。本サイトの文法コーナーは大学の第二外国語で学ぶレベルのものです。もう少し中国語の世界に入り込んでいくなら、より詳しい文法学習が必要になってきます。いずれ「もうちょっと詳しいバージョン」をアップする予定です。
最低限のルールはおぼえよう
文法は言葉のルールですから覚えるのは面倒です。でも最低限のルールは覚えましょう。日本に来て学校に行くことなく、耳で覚えた日本語を話す中国人の方もいますが、通じることは通じてもやはり残念な印象を持ちます。日本人が中国語を話す時も同じです。言葉は人なのです。母語でのレベルと同じにはなかなかなりえませんが、それを目指すくらいのレベルの中国語を話したいものです。こんなことを書くと、だから日本人はいつまでたってもしゃべれないんだ!と言われそうですが最低限のルールは覚えた方がいいと思います。ここでもまた「基礎学習をめんどうがらない!」です。この方が結局は目標達成のための早道なのです。
本サイトはビジュアル文法をめざす
面倒なものはできるだけ面倒な心理的負担を取り除いて書き表してもらいたい…その通りですね。そこで本サイトでは文法の説明のビジュアル化を目指しています(まだごく一部のみ)。いずれ可能な限りマークや写真などでわかりやすく表示したいと思っています。
※単語、文法の2つの学習は、並行して行うことが多いです。
4.短文暗記による中国語勉強法
常用文を大量におぼえる
以上、発音+単語+文法が基礎学習です。といってこれで終わりではなく、この3つは折にふれ戻って確認する必要があります。この基礎学習の次にやるべきことは、常用文を大量に暗記することです。勉強方法としては日常生活の中でよく使う常用文(短文)を50個、100個、300個、500個、1000個という単位で覚えていくことです。たとえば“你 好 吗? Nǐ hǎo ma?”(お元気ですか)とか “好久 不 见! Hǎo jiǔ bú jiàn!”(しばらくです)、“我 有点儿 不 舒服。 Wǒ yǒudiǎnr bù shūfu”(ちょっと気分が悪くて)、“我 很 想 去 中国。 Wǒ hěn xiǎng qù Zhōngguó”(私すごく中国に行きたいんです)などといったよく使う表現をできるだけたくさん覚え込むのです。
耳からおぼえる
方法としてはこれもまず耳からです。まず耳で聞いて意味がわかるかどうか。次に意味を確認する。その次にやることは、日本語の意味から中国語が言えるかどうか。これらを瞬間的に反応するくらいのスピードでやっていきます(もちろん最初からは無理ですが)。暗記が楽にでき、かつ中国語のイントネーションを正確に身につけるためにはシャドーイングという方法もお勧めです。
シャドーイングとは
シャドーイングとは耳に入ってきた言葉をそのままオウム返しに言う勉強法です。この時大切なのは耳から入る音に意識を集中し、オウム返しをする自分の声には意識を持っていかないことです。かなり集中しないと、すぐ音に置いていかれてしまいます。
そしてオウム返しですから、イントネーションまで真似ます。
一石三鳥のシャドーイング
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れれば誰でもできます。このやり方は繰り返せば暗記が楽にでき、中国語のイントネーションが自然に身につき、なおかつリスニング力がつきます。意味がわからないとついていけませんから自然にリスニング力がつくのです。つまりシャドーイングは語学学習における一石三鳥のすぐれた方法です。
※当サイトでは中国語会話に400程度の中国語会話文が入っています。
5.中国語検定を目標にして学ぶ
独学で勉強していると、自分のレベルがどの辺なのかわかりにくいものです。このために中国語資格試験に挑戦することをお勧めします。まず目標を立てるといいでしょう。単語の学習などはおっくうですから一人ではなかなかできませんが、資格試験突破という目標があれば頑張れるものです。逆に言うなら一定数の単語を身につけるために資格試験を目指すというのもありです。単語1000個ゲットをめざそう、なら中検の3級だというような。
中国語スクリプトは中検3級、HSK4級向けにピッタリ
本サイトの中国語単語はもともと中国語検定3級を目指す人のために作ったものですから、中検3級、HSK4級を目指してみる方にちょうどよくできています。
6.実践学習 身に付けた中国語を実践してみましょう!
この辺で実際の中国人としゃべってみたいものです。そういうチャンスもなかなかないでしょうから、まずは模擬実践です。
中国人に出会う模擬レッスン
当サイトでは日本で中国人と出会う可能性のある場面を設定して、シーン別会話を作っています。これで事前に練習してみてください。たとえばここには“您 需要 我 的 帮助 吗? Nín xūyào wǒ de bāngzhù ma?”(何かお困りですか?)などという表現が出てきますから、これを実際に使う場面はいくらでもあるでしょう。ちょっとお店に入ると、今や日本語を話せない中国人観光客によく出会います。お店の人も観光客も困っている、そんな場面を見たらぜひ活用してみてください。
7.中国語の様々な知識を学ぶ
以上1から6までは中国語学習の本通りです。本通りは歩くに不可欠の道ですが、それだけでは味気ない。人生は横道にそれてこそ。言葉も路地裏に入ってこそです。中国の伝統文化という横丁、日中異文化(作成中)という路地裏に入ってみてください。中国人がこういう発想法をするのは裏にこんな文化があったからなのか、という発見があることでしょう。
知的好奇心を広げる大切さ
それらは言葉を学ぶ上で今すぐ必要になってくるものではありません。でも裏道、横道をぐるぐる楽しんでいると意外にもいつの間にか少し高い所にたどりつきます。わき目もふらず本通りを歩いているだけでは見えない景色が見えてきて言葉に奥行きが出てくるのです。知的好奇心の幅をちょっと広げてみてください。それは言葉を学ぶ上でも無駄ではないのです。
「効率のいい中国語の勉強法」に対応する中国語スクリプトでの勉強
中国語スクリプトでは、上に書いた「中国語の勉強法」に対応した教材が無料で公開されています。以下ではこのサイトのどの項目がどの勉強法に対応しているのかを表と例で説明しています。
基礎→応用→横道→その他の順で説明してあります。
色で囲まれた部分が中国語スクリプトで実際にどのように表示されているかの例です。この部分は、単語での中国語の表示非表示など、押すと実際に動作します。
1.中国語スクリプトでの発音の勉強
中国語スクリプトの中国語発音講座では、大学の第二外国語で説明するレベルのものが入っています。発音記号であるピンインがあるところには必ず実際の音が入っていますから、発音の説明をまず読んでから音を聞き、説明どおりに発音してみてください。
(中略)
四声には第一声、第二声、第三声、第四声の四つがあります。これを図示してみましょう。
それぞれの特徴
第一声:高く平らな音。最初高い音を出してその音の高さを最後までキープする。
第二声:急に高く上げる。「エエッ!」とびっくりした時の声。
第三声:低く抑える。「あーあ」とがっかりした時の声。「あーあ」の後ろの「あ」はある時とない時があり、ない方が一般的ですが、前後に他の音節がつかない時、後ろの「あ」が反動で残る場合もあります。ない方の第三声を「半三声」と言うこともあります。
第四声:一気に下げる。カラスが「カァ」と鳴くような声。
※第一声、第二声、第三声、第四声はそれぞれ一声、二声、三声、四声と省略して言うこともあります。
(以下続く)
2.中国語スクリプトでの単語の勉強
単語はどうやって覚えていくか。たとえば1000くらいの単語を一日20個というふうに数を区切って覚えていくのもいいでしょう。中国語スクリプトの「中国語単語」には中検準4級に対応したレベル1の300単語、中検4級に対応したレベル2の400単語(合計で700単語になる)、中検3級に対応したレベル3の500単語(合計1200単語になる)が入っています。ここに入っている単語としては、大学の第二外国語用として作られているテキストや中国語検定試験3級問題に出された単語などが主に入っています。わかりにくい類義語の違いなどは写真で示してありますので、楽しく覚えていけると思います。
単語を覚える際ぜひ音で覚えていくようにしてください。日本人学習者は一般に書いて覚えようとするのですが、このやり方だけではコミュニケーションにも資格試験にもあまり役に立ちません。もちろん耳や口で覚えたら最後は書いてみてください。
3.中国語スクリプトでの文法の勉強
中国語スクリプトの中国語文法では、大学の第二外国語で学ぶレベルの中国語文法がシンプルな形で提示され、最後に必ず問題があって理解できたかどうか試せるようになっています。また単語の例文や会話など文法情報が必要なコーナーからはこの文法コーナーに飛んで来られるようになっています。
今後このコーナーでは理解しやすいようビジュアルによる説明を増やし、テスト問題もより多く載せる予定です。さらには別バージョンとしてより詳しい説明も載せる予定です。
4.中国語スクリプトでの短文暗記
中国語会話では、200程度の短めの対話文(400弱の短文)が「自己紹介」「観光」「ビジネス」など15の項目に入っています。学習しやすいように、中国語文をクリックすれば中国語文とピンインを消すことができ、日本語文をクリックすれば日本語文を消すことができるようになっています。中国語文などをクリックして非表示にした場所は空欄になりますが、その場所を再度クリックすることで再表示して答え合わせが可能となっています。
また、ここで使われる中国語については、中国語の特徴である「四声」というイントネーションを正確に学べるよう、イントネーションマークが入っています。最初に四声について学んだ人はこのマークを見ることによって、四声が自然に口をついて出ることに驚かれることでしょう。もちろん音も入っています。
支払方法の中国語会話
5.中国語スクリプトでの基礎知識の勉強
基礎知識の勉強としては数字や時間の知識、書き順アニメーションなどがあります。今後ここでは親族呼称など学習者が知っておくべき基礎知識をさらに増やす予定です。
6.中国語スクリプトでの中国語検定対策
中国語検定試験のコーナーでは、中国語検定試験のうち準4級、4級、3級の過去問題について、ここ数年の出題問題からの分析やそれに基づいた模擬問題が入っています。特に中検の特徴ともいえる「穴埋め問題」と「語順問題」についてはそれぞれ100題ずつ入っています。本サイトの単語から作成した「長文問題」はまだ1問だけですが今後増やす予定です。
以下の例は実際に動作します。
8.中国文化を学んで中国語知識に広がりを持たせる
中国語スクリプトは今後発音、文法、単語など基礎的な学習項目に力を入れるとともに、魅力的な中国文化や日中異文化、テレビから学べる表現、ネットから学べる新語など多彩なコラムを載せる予定です。
伝統文化では美しい写真とともに、関連漢詩や物語なども含め中国の伝統文化についてさまざまな側面から紹介しています。ここを読んだ人はきっと中国文化のファンになってくれるだろうと思います。
スマホとPCで中国語を勉強する際に知っておくと便利なこと
スマホやPCを使っての中国語学習には多少の準備が必要です。
中国語スクリプトでは、「中国語辞書比較」「iPhoneで中国語入力」「Androidで中国語入力」など、中国語関連のスマホやPCの使い方を、初心者にもわかりやすいよう、スクリーンショットを多めに入れて説明してあります。
(中略)
スマホかタブレットで「小学館 中日・日中辞典(ビッグローブ版)」(4000円)を使うのが携帯性、使いやすさ、辞書としての質、などの面からおすすめです。
ただし、無料のwebサイト(オンライン辞書)の「Weblio日中・中日辞典」(無料)も十分使いやすいです。
(中略)
媒体 | おすすめの辞書 |
---|---|
web | Weblio日中・中日辞典 |
iOS | 小学館 中日・日中辞典(ビッグローブ版) |
android | 小学館 中日・日中辞典(ビッグローブ版) |
windows | ChineseWriter11 |
電子辞書 | XD-G7300(カシオ) |
紙の辞書 | 講談社もしくは小学館の中日・日中辞典 |
(以下続く)
おすすめの中国語学習の本・参考書
ある程度の規模の書店に行けば必ず中国語のコーナーがあって、役に立ちそうな書名の本がぎっしり。どれを買ったらいいのか迷います。まあ、その時必要を感じている本を買えばいいのです。単語の本、文法の本、読解の本、作文力アップの本…。ただそうは言っても、一口に「文法の本」と言ってもいろいろあるし…。そこでここでは参考までに私が今まで読んだり勉強したりしてきた中で、これはすばらしいなあと思った本を何冊かご紹介します。
※中国語の参考書・教材でもおすすめの参考書などのレビューをしています。
『新訂 中国語概論』(大修館書店)藤堂明保・相原茂著
中国語についてある程度勉強してきて、改めて「中国語とはどんな言葉なのか」ということをもう一度振り返ってみる時にはぜひ手に取ってみたい名著です。初版が1985年ですから今から30年以上昔の本ですが、日本語で読める中国語概論でこれを超える本はないと思います。かなり専門的なところまで突っ込んだ本でありながら、心に届く親しみやすさとわかりやすさを備えた文体で書かれていて、勉強していることを忘れて中身の面白さに夢中になって読んでしまう、読み終えると充実感が心に残るそんな本です。
『whyにこたえるはじめての 中国語の文法書』(同学社)相原茂 石田知子 戸沼市子著
先ごろ新訂版が出た、学習者に最も人気の高い文法書。中国語を初めて学ぶ人にとってわかりやすい参考書でありながら、中国語を専門にしている人にとっても読むたびに発見がある、面白く同時に痒いところに手が届くような配慮とサービス精神に満ちた参考書です。
『中国語作文 その基本と上達法』(金星堂)竹島金吾・賈鳳池著
中国語の表現を、「予定・欲求の表し方、推量・予測の表し方、類似の表し方」など十数個の項目に分け、問題形式で日文中訳を学ばせる本です。これも初版は1975年。なんと40年以上も前の本!例文はさすがに古臭く、ピンインもなければ音声もつかない、いかにも時代物のテキストですが何度も版を重ね、いまだに人気のある作文の参考書です。一番の面白さは、なぜその中国語になるのかをわかりやすく懇切丁寧に、なおかつ腑に落ちる説明がなされているところにあります。
『通訳メソッドを応用した 中国語短文会話800』(スリーエーネットワーク)長谷川正時著
中国語の発音、文法など基礎を学んだあと、「中国語が話せるようになりたい」と思うなら、日常会話の中でよく使われる文を大量に覚えていく必要がありますが、このテキストはそれに最もよくこたえる参考書です。このテキストにはCDがついていて、日本語音声、中国語音声が入っており、それぞれの音声を聞きながら通訳練習をしたり、中国語の音声からシャドーイングの練習をしたりといったことができるようになっています。短文会話800とありますが、これは対話形式になっているので実際の短文は1600入っています。いずれの短文も日常生活の中でよく使われるものなので、このテキストをこなすと、中国語が口をついて出てくるようになります。
『日本人の中国語 誤用例54例』(東方書店)来思平・相原茂著 喜多山幸子編訳
日本人の中国語学習者がよく間違える誤用例を54のケースに分けて、どこが間違っているのかについて、きちんとした文法に基づいて説明してくれるテキストです。きわだって理路整然と説明してくれるので、実に説得力があり、腑に落ちます。
中国語教室などでの勉強 中国語教室・学校・先生の失敗しない選び方
中国語の学び方にはいろいろあります。中国語スクリプトはネットで独学できるように作られたサイトですが、ネットの他にも本やテレビ・ラジオなどで独学する、大学や専門学校などで学ぶ、知人に教わる、留学して覚える、などなど、いろいろな学び方がありますよね。ほとんどの学習者は、一つの学び方だけではなく、いろんな学び方を組み合わせると思います。ここではそのうちの、中国語教室・学校などで先生に教わる場合の選び方について紹介します。
中国語教室を探すとき、東京など大都市圏に限って言うなら実にたくさんの中国語教室・学校がありますので、どこを選んだらいいのか迷う方が多いと思います。どのようにして教室を選ぶのがいいのでしょうか?
教室に足を運んでさがす
ほとんどの学校・教室は試しに無料で聴講させてもらえます。ネット等で近くの学校・教室を探してもいいのですが、NHKの語学テキストの4月号(毎年4月号には学校・教室の広告が多く載るんです。Amazonなら夏くらいまではバックナンバーがあると思いますが、ない場合は多少掲載が減りますが別の月の物でも大丈夫です。電子書籍版には載ってないかもしれません。)にはそうした学校・教室の広告がたくさん載っているのでこれを参考にしてもいいでしょう。ただしどこの学校に行くかを決める時はまず試しに無料で聴講することをお勧めします。実際に行ってみると予想とはだいぶ違うということがよくあります。自分の目で確かめれば先生の質もおおよそわかるでしょう。
学ぶ目標をはっきりさせる
その際、まずは自分の目的をはっきりさせることです。たとえば「2年間で仕事ができるレベルに達したい」「のんびり楽しく学びたい」「基礎はできているので、次は通訳か翻訳者をめざしたい」など。その目標をかなえてくれる場所かどうかをきちんとチェックし、ここぞ!と思ったところで勉強すべきだと思います。私もかつてそのようにして教室・先生をさがし、ここぞ!この先生なら!というところを探し当て、その結果とても満足のいく授業を受けることができました。
短期間で中国語をマスターしたいと思うなら
当時の私は、大学時代に第二外国語として中国語の基礎は学んでいたというレベルでそこから「2年間で中国語をマスターする」という目標を持っていました。求める先生像は妥協なく厳しくトレーニングしてくれる方です。当時あちこちの教室を見て歩いたのですが、おおかたは中国語サロンのような感じで実に楽しそうではあるのですが、すぐ日本語でのよもやま話になってしまい、とても中国語をマスターできそうにはありませんでした。そういう中で或る教室・先生だけが緊張感あふれるトレーニングをしていたのです。ここなら2年間で中国語がマスターできる!と思い、すぐ入門を願い出ました。それから1年半、毎日3時間以上勉強し、2年を待つことなく「添乗員の仕事ならできるね」と言われるレベルになりました。
先生には誠実な方を
それからまた年月が流れ、次にさがしたのは自分の中国語の語感を鍛えてくれる中国人の先生でした。その時は中国語の教師をしていたので「この場ではこの中国語を使う」ということを自信を持って学生さんに教えたかったのです。そうしたことを教えてくださる先生を探す際、最も大事にしたいと思ったのは「誠実さ」でした。人間として誠実かどうかが一番大事だと思ったのです。こうして「この方だ!」と思ってついた先生に、それからずいぶん長い時が流れましたがいまだに教えていただいています。その先生は私の質問に対する答えに迷う時、ご家族やら親戚やらいろんな方に聞いてくださって、決していいかげんな答えに逃げようとはなさいません。おつきあいが深まるほどにこの出会いに感謝しています。
大学院で学ぶという方法も
実際に専門学校で教えるようになって数年後、私は母校の大学院を目指しました。教えているとわからないことがたくさん出てきます。ある中国人の方に聞くとAという答えが、別の方に聞くとBと言う答えがそれぞれ自信に満ちた口調で返ってきます。いったいどっちが正しいのか? また最初Aと答えた方が1週間後に聞くとCに変わっていたりします。これは中国人がいい加減ということではないのです。語感とはそうしたものです。試しに日本語で「『そして』と『それから』はどう違う?」などと聞かれたと想像してみてください。とりあえずその場で思いついたことを答えるかもしれませんが、1週間後にまた同じことを聞かれたら別の答えを言っている可能性が高いことでしょう。私は論文を書いている中国人の日本語チェックをしたことがありますが、「朝一番に電話してほしい」と頼んでいました。目覚めた最初なら一番自然な語感が出てくると感じたからです。つまり何度も考えているとわからなくなってしまうのです。こうした経緯があり、私は中国人の語感を頼ると同時に自分で調べたいと思ったのです。自分でとことん調べ、それに中国人の語感を参考として加えればかなり中国語がわかってくるのではないか、と。こうして大学院で語学の研究をしたのですが、中国語を教えていく上で実に豊かな収穫がありました。言葉のルール性というものの面白さに気づくことができたのです。
個人レッスンのクラスも
私は今、大学で教える以外にいくつかの個人レッスンのクラスを持っていますが、それぞれ5~10人ほどの受講生がいます。この方たちは或る教室の学生さんたちでしたが、私の教え方が気に入ってくださったようで、自分たちで教室を借り、自分たちの都合の良い時間帯をセットし、私を招いてくれたのです。私はこれらの教室で小説の読解やリスニングの授業をしています。皆さん熱心ですから私もやりがいがあります。これらのクラスのうち一つはもう10年以上続いています。つまりこういう教室もあるということです。この先生に長く教えてもらいたいと思ったら、仲間を集め、教室を借り(喫茶店の会議室など)、先生に教え方についての要望を出し、教えてもらうのです。自分たちの好みに合ったハンドメイドの教室です。同じお金を払うならこうした方法もありということです。