【発音付き】パンダのシャンシャンの正しい中国語発音

シャンシャン

中国の報道官が聞き間違えたシャンシャンの発音

最近中国の報道官が、日本の新聞記者から「日本で生まれたパンダのシャンシャンが動物園で人前デビューしたことへの感想は?」と聞かれて、パンダのシャンシャンの発音を人名と間違え、おかしな答弁をしたことで話題になっていました。

中国の報道官と言えばどの人も皆、いかにも高圧的で木で鼻をくくったような答弁をすることでおなじみですが、なんとその代表選手がいい笑顔で笑い出したので評判になったのです。この笑顔は「へえー、あの人あんなふうに笑うんだ」と本国の中国人にも好評でした。中国のネットユーザーは日本のネットコメントものぞきに来て「日本人からの受けもいいぞ!」とうれしそうです。どんなことでも外国人からほめられれば嬉しいんでしょうね。

ところがこの誤解の理由として「やっぱり日本人の英語はひどいわ。とても香香(パンダの「シャンシャン」の漢字名)には聞こえなかった…」と言うのです。日本人の英語の発音の下手さは中国でも有名です。でもこれは日本の記者の英語の発音のせいではありません。きっとこの記者は今頃「ええーっ自分の英語の問題?」とショックを受けているでしょう。気の毒に…

発音を聞き間違えた理由と正しい発音

報道官が聞き間違えたのは、この記者が「香香」を「シャンシャン」と言ったからです。もしこれを「シアンシアン」と言えば聞き間違えることはありませんでした。この謎、中国語の発音をきちんと勉強した方にはおわかりですね。そう、日本語には複母音がないので“香”の中国語発音“xiāng”――「xという子音」+「iangという複母音」を「シャン」と拗音にしてしまうのです。ですからどの新聞でもこのパンダの赤ちゃんの名前の表記は「シャンシャン」です。で、「シャンシャン」と聞けば中国人は“shānshan”と聞きます。名前を間違えられた日本の外交官は「杉山さん」、この「杉山」を中国語で発音すれば“shānshān”です。それは間違えて当然でしょう。つまり「シアンシアン(xiangxiang)」と「シャンシャン(shanshan)」は中国人にとってまったく別の音だと言うことです。

シャンシャンの正確な発音は、

香香
Xiāngxiang
シャンシャン / シアンシアン

となります。上記のサウンドマークをクリックすると音声が流れます。

なお、参考までに聞き間違えられた「杉山」の発音は、

杉山
Shānshān
杉山

となります。

良い発音教材ができた

いつも中国語の授業で“再见”(さようなら)は「ザイチェン」じゃありませんよ、“zàijiàn”(ザイジエン)です、と口をすっぱくしている身には「良い発音教材ができた」とホクホク気分です。学生さんは「ジエン(J+ian)」という複母音を持つ音をどうしても「チェン(chenに似ている)」と拗音にしがちなので。母語の影響力や恐るべしです。今後はシャンシャンの話をすれば覚えやすくなるでしょう。

話題のニュースから中国語を覚えよう

ではこのニュースを題材に中国語文を出しますので、そこから中国語を覚えていきましょう。

ニュースで学ぶ中国語

中国の外交部報道官が日本人記者からの質問に答える際、パンダのシャンシャンを日本の杉山外務省事務次官と聞き間違え、答えがとんちんかんなものになった。中国の記者がその誤解を解くと、彼女はめったに見せない笑顔を見せ現場には楽しそうな笑い声が広がった。

中国 外交部 发言人 回答 日本 记者 的 问题 时,误 将 熊猫 “香 香” 听 成 了 日本 外务 省 事务 次官 “杉山”,结果 答 非 所 问。在 中国 记者 解释清楚 误会 之后, 她罕见地 大笑,现场 也 传出 轻松 的 笑声。

Zhōngguó wàijiāobù fāyánrén huídá Rìběn jìzhě de wèntí shí,wù jiāng xióngmāo “Xiāng xiang” tīngchéngle Rìběn wàiwùshěng shìwù cìguān “Shānshān”,jiéguǒ dá fēi suǒ wèn. Zài Zhōngguó jìzhě jiěshìqīngchǔ wùhuì zhīhòu,tā hǎnjiàn de dàxiào,xiànchǎng yě chuánchū qīngsōng de xiàoshēng.

答非所问 dá fēi suǒ wèn: (成語)答えになっていない。答えがとんちんかんである。