祁門(キームン)紅茶

祁門紅茶

祁門(キームン)紅茶は世界4大(3大)紅茶の1つと呼ばれる中国の紅茶です。

ここでは祁門紅茶の特徴、香り、質の劣化などについて紹介します。

祁門(キームン)紅茶とは

祁門(キームン)紅茶とは、中国安徽省祁門県で作られる紅茶で祁紅(きこう・キーホン)とも呼ばれます。

紅茶の中でも極上とされ「紅茶の女王」とも言われています。インドのアッサム・ダージリン、スリランカのウバとともに「世界4大紅茶」(アッサムを除いて、「3大紅茶」という言い方もある)の1つと言われています。

茶葉は細長く少し曲がっておりツヤのある黒い色。湯を入れると甘い香りが長く続き、味は濃厚でまろやか、茶殻は鮮やかな赤です。今から百年前の1915年に、パナマ太平洋万博で金賞を受賞し世界的な評価を得ました。

祁門紅茶
祁門紅茶。

祁門紅茶はバラとフルーツの香り

祁門紅茶はバラとリンゴと青アンズの香りがすると言われます。他の中国紅茶とはやや異なる香りで、これを祁門香と言います。この紅茶は砂糖もミルクも入れずに飲む(これを「清飲」と言います)のがベストです。ただしミルクを入れて飲んでも香りは消えません。

祁門紅茶はカフェインの含有量がアッサムより低く、アフタヌーンティや寝る前に飲むと良いとされています。

祁門紅茶の質の劣化

1980年代以降、祁門紅茶は中国政府から何度も表彰され、政府が外国からの賓客を招待する際この紅茶でもてなしました。またイギリス向けの主要輸出品の一つでもありました。

ところが1990年代以降、祁門紅茶は原料や加工面で品質が落ち批判にさらされるようになりました。当時多くの茶商人が儲け至上主義に走った結果です。たとえばシーズンが終わった後の品質の落ちた茶葉を使って紅茶を作ったり、ニセの茶葉で祁門紅茶を騙るなどをして、祁門紅茶の名声やブランドが地に落ちてしまいました。

その後関係当局が管理を強化し、品質改良や優良企業への援助、さらには原産地認証や商標登録などに力を入れるようになっています。