工芸茶
Tweet工芸茶は、上の写真のように茶葉と花を縛るなどして形を整えたものです。茶葉には主に白茶が使われており、福建省を中心に生産されています。
ここでは工芸茶の種類、原料、作り方、入れ方、効果、名前などについて紹介します。
工芸茶とは
「工芸茶」とは中国語で「芸術茶」または「特殊工芸茶」とも言いますが、茶葉と食用花卉(草花)を原料とし、形を整えたり縛ったりなど加工を施して2センチほどの球形にし、これに熱湯をかけると茶湯の中で花が開くように見える茶のことです。
工芸茶は上質な福建産「白毫銀針」を原料に、乾燥させた「千日紅」・「黄菊」・「茉莉花(ジャスミン)」・「百合花」・「金盞花(キンセンカ)」・「康乃馨(カーネーション)」の花を加工して作ります。水色(茶碗などに注がれた茶湯の色のこと)は薄緑色や淡い黄色で透き通って明るく、飲むと甘さが感じられます。解熱や解毒作用や肺を潤すなどの効能があり、また見て楽しむことができます。
工芸茶の原型となる花茶・ジャスミン茶は1000年の歴史がありますが、現在の工芸茶は安徽省で1986年に考案されたという説、また1995年ごろ福建省の茶農家が茶の値段が安くて生活できないため、高値で売ることのできる工芸茶を考案したという説もあります。
工芸茶は元になる茶葉に白茶を使うのですが、白茶の産地はこの福建省です。
工芸茶は近年日本でも人気があり、日本向けに製造・輸出もされています。
工芸茶の種類
工芸茶には「茉莉雪蓮」・「丹桂飄香」・「仙女散花」・「添福添寿」・「愛之心」など30種類以上あり、茶葉に湯を注ぐと茶と生花の香りが漂います。
また湯を注いだ時の動きから「綻放型工芸茶」・「躍動型工芸茶」・「飄絮型工芸茶」の3種に分けることもできます。
「綻放型工芸茶」とは湯を注いだ時茶の中の花がだんだんとほころんでいくタイプ。
「躍動型工芸茶」とは湯を注いだ時花が湯の中で動き回るタイプ。
「飄絮型工芸茶」とは湯を注いだ時細かな花が湯の中で漂ったりゆっくり降りてきたりするタイプです。
工芸茶の作り方
工芸茶は乾燥させた茶葉を集めてひもで縛り、中に花を入れたり香りを添加して作ります。製法や材料によって品質はかなり異なります。
工芸茶の入れ方
1:透明なガラスコップに工芸茶を1個入れます。
2:そこに75~80度の熱湯150ccを注ぎ、1~2分待ちます。
3:コップの中で花がゆっくりと開く様子を楽しみ、香りを楽しみ、そのあと飲んでその味わいを楽しみます。
工芸茶はもともとが白茶ですから、何回も入れて飲むことができます。
工芸茶の効果
各工芸茶には以下のような効果があると言われています。
千日紅…排毒作用、アンチエイジング作用、ダイエット中に飲むお茶としてお勧め。咳止め効果、利尿作用も。
茉莉花(ジャスミン)…ダイエット、リラックス効果、頭痛・胃痛や慢性胃炎に効果。
康乃馨(カーネーション)…肌をきれいにし、血液循環の改善や新陳代謝の促進、体内毒素の排出に効果。芳香が漂いリラックス効果も。
玫瑰花(バラ)…美顔・美容効果、雀斑(そばかす)や皺の改善。血液の循環や新陳代謝の促進、肝臓や胃腸を保護し抗がん作用も。神経をリラックスさせ、血圧を下げ、整腸効果も。
金盞花(キンセンカ)…ダイエット効果、解熱、胃痛や胃潰瘍にも効果。
菊花…解毒作用、風邪の予防、皮膚病にも効果。
名前も楽しめる工芸茶
工芸茶はその美しさ・動きの面白さとともにおめでたく味わい深い四字の名前がついているものも多く、グリーティングカード代わりのプレゼントにいいかもしれません。
その名前を意味とともに紹介しましょう。
景上添花…美しい景色に花を添える
玫瑰之星…バラの星・ローズスター
茉莉仙女…ジャスミンの仙女・妖精
情投意合…気持ちは同じ・気持ちはひとつ
秋水伊人…美女の瞳
如花似玉…花のごとく玉(ぎょく)のごとく
出水芙蓉…咲き初めた蓮の花
蝶恋花茶…蝶々が恋する花茶
双龍戯珠…二頭のドラゴン、ボールで遊ぶ
双喜臨門…おめでたいことが二つもやってきた
万紫千紅…色とりどり・商売繁盛
旭日彩虹…朝日に虹がかかっておめでたい
一見鐘情…ひとめぼれ
鐘愛一生…生涯の愛を誓う
百合花籠…百合の花かご
百合仙子…百合の仙女・妖精
歩歩高昇…順調に出世する
彩蝶飛舞…美しい蝶々が舞う
風花飄月…恋する思い
国色天香…美しい国花・牡丹
花好月圓…夫婦円満
花言茶語…花と茶の物語
金龍吐珠…ゴールドドラゴンの口から珠が飛び出る
金盞銀台…金の盃、銀の台