タピオカ

タピオカ

タピオカミルクティーで有名な「タピオカ」はキャッサバという芋の根を原料として作られたデンプンのことです。

このデンプンを球体にしたものをタピオカパールと言います。タピオカミルクティーの中に入っているタピオカは、タピオカパールに色を付けたものです。

ここではタピオカの原料、作り方、味、栄養、タピオカを使ったデザートなどについて紹介します。

タピオカの原料はキャッサバ

タピオカとキャッサバの根
タピオカとキャッサバの根。

タピオカとは、キャッサバという芋の根を原料として作られたデンプンのことです。

タピオカミルクティーが有名なため、タピオカというと黒い球体のイメージがありますが、上の写真のように、デンプンとして加工した段階では黒い球体にはなっていません。

この粉状態のタピオカを球体にしたものをタピオカパールと言います。タピオカミルクティーに入っているのはカラメルなどで色を付け、黒くしたタピオカパールです。

タピオカパール
タピオカパール(色付けしていないもの)。
タピオカとタピオカミルクティー
タピオカとタピオカミルクティー。

キャッサバ

キャッサバの畑
キャッサバの畑。

キャッサバは熱帯途上国約5億人の主食だそうで、根にあるデンプンから作ったタピオカ粉を利用してパンにしたり、煮物にして食べます。ただキャッサバには青酸配糖体という毒があって、十分な下処理をしないと食べられません。キャッサバのデンプンのことをタピオカというのは、これを主食とするブラジル原住民の言葉から来ているそうで、この名前のかわいらしさもブームの一因ではないでしょうか?キャッサバティーでは今ひとつ人気は出なかったような…。

タピオカの見た目と相まってその響きも「カワイイ!」ということで人気が出た…のかもしれません。

タピオカはどのようにして日本に入ってきたのか

ではこのタピオカ、どうやって日本に入ってきたのでしょう?

実はこのタピオカ…ならぬキャッサバ、戦後の食糧難の時代に日本でも植えられており、今も栽培している地域があるそうです。

現在はもちろん主食としてではなく、お菓子の原料や料理のとろみ用、紙の強度を上げるための薬剤としても使われています。

ただそれを紅茶の中に入れてストローで吸い上げて食べるという「タピオカミルクティー」を考案したのは日本人ではありません。台湾の喫茶店のオーナーで、「春水堂」のオーナー劉漢介説と台南市の喫茶店「翰林茶館」のオーナー涂宗和考案説があります。春水堂の方は日本でも東京や大阪などで10店舗以上展開しており、比較的高級路線で人気があります。

タピオカの作り方

丸くキョトキョトしたタピオカはキャッサバという芋の一種から作るのですが、その作り方は以下のとおりです。

①キャッサバの根っこを水に入れて砕き、繊維質を濾して水に溶けたデンプンを抽出します。これがタピオカ粉です。

タピオカとキャッサバの根
タピオカとキャッサバの根。

②タピオカ粉に水を加えて加熱し、糊化させてから容器に入れ、回転させながら球形に加工して乾燥させます。これが「タピオカパール」あるいは「スターチパール」と呼ばれるもので、中国語では「粉円」といいます。

白いタピオカパール
白いタピオカパール。この白いタピオカパールを使う料理もありますが、タピオカミルクティーでは通常は黒いタピオカパールを使います。

③粉円を黒くするにはカラメルやブラウンシュガー、イカ墨などで色付けします。

黒いタピオカパール
黒いタピオカパール。この段階のものがスーパーなどで売っています。

こうしてできたタピオカをお湯でゆで、冷水に取って締めてからシロップに漬けたものをアイスティの中に入れるとタピオカミルクティになります。(『タピオカミルクティー』のページで詳しいレシピを紹介しています。)

タピオカを茹でたもの
タピオカを茹でてシロップに漬けたもの。
タピオカミルクティー
タピオカミルクティー。ミルクティの中にタピオカを入れ、太いストローで飲みます。

タピオカのカロリーと栄養価

100gの乾燥タピオカは350kcal・糖質87g・微量ミネラル(カリウム・カルシウム・リンなど)で、糖質以外の栄養価はほとんどありません。

乾燥タピオカは茹でた際に水で大きく膨らむため、茹でたタピオカは100gあたり60kcalになります。

タピオカミルクティーのカロリーは砂糖の量などによって大きく変わりますが、1杯(250ml)あたり約120~230kcalとなり、かなり高カロリーの飲み物になります。

なお、ご飯1膳が約200kcal、食パン1枚が約150kcal。1日の成人男性の必要カロリーが約1500kcal、成人女性の必要カロリーが約1100kcalです。

タピオカの魅力

タピオカと杏仁豆腐
タピオカと杏仁豆腐。タピオカは杏仁豆腐など中華料理のデザートなどでも使われています。

タピオカはあんみつの中の寒天のようなものですが、歯ざわりに弾力があってお菓子のグミに似ています。中国語であの歯ざわりをQQ(キウキウ)と言い、「グミ」のことは「QQ糖」(キウキウタン)と言います。「糖」は「飴」のことです。

タピオカミルクティーは、よく冷えた甘くておいしいドリンクに歯ざわりの面白いボールが入っていて、それを幅広のストローで飲むという遊び心とインスタ映えする外観、タピオカという言葉の響き…これらが若い人、特に若い女性たちに受けたのが人気の秘密ではないでしょうか。

タピオカを使ったデザート

台湾料理店に行くと必ずといっていいほどメニューにあるタピオカのデザートを紹介します。

タピオカとココナッツミルク
タピオカとココナッツミルクのデザート。

ココナッツミルクを注文すると中にはよくタピオカが入っています。ココナッツミルクだけでも美味しいですが、ココナッツミルクがからんだタピオカも独特の食感があって杏仁豆腐のような美味しさがあります。

タピオカとココナッツミルクのデザート

材料: タピオカ・ココナッツミルク100cc・牛乳100cc・砂糖はお好みの甘さで。

1:タピオカ適量を沸騰したお湯に入れて10分ほどゆで、透明感が出てきたらざるに取る。

2:ココナッツミルクと牛乳、砂糖をよくまぜて冷やす。

3:2で作ったドリンクにタピオカを入れる。