竜眼
Tweet竜眼(リュウガン)とは薬膳・漢方に用いられる果実で、ライチ(レイシ)とよく似ています。薬膳ではこの竜眼を乾燥させたものを使います。
ここでは竜眼の効能・栄養・薬膳料理のレシピ・名前の由来の物語などを紹介します。
目次
- 1. 竜眼とは
- 2. 竜眼の栄養と効果
- 3. 竜眼は「神果」
- 4. 竜眼を使った薬膳のレシピ
- 5. 竜眼の価格
- 6. 竜眼の名前の由来・物語
竜眼とは
竜眼(リュウガン・ロンガン)とは、漢方薬の一つで、「竜眼肉」・「桂圓」とも言います。
ムクロジ科の植物の果実で、果物のライチのような形をしています。
果実も白くてライチに似ており、中に黒く大きなタネがあって目玉のようなので「竜眼…竜の目」と言います。
この果実を乾燥させたものが生薬(しょうやく…薬草を加工せずそのまま薬として使うもの)の「竜眼」・「竜眼肉」・「桂圆」です。
精神安定・動悸・貧血・消化不良の改善に薬効があると言われています。
竜眼の栄養と効果
竜眼は果肉にブドウ糖・ビタミンC・ビタミンB1B2などが含まれ、乾燥竜眼すなわち生薬としての竜眼には、糖分・鉄・カルシウム・リン・カリウム・銅など多くのミネラル成分が含まれています。このため滋養強壮・補血効果があり、さらには記憶力のアップ・疲労回復の効果もあると言われています。
竜眼は「神果」
竜眼は、中国伝説に登場する神様・神農(しんのう…古代伝説の中の帝王で医薬と農業を司どる)がこう名づけたと言われ、古来「神果」(神のくだもの・神のようなくだもの)と呼ばれてきました。長く服用を続けていると心身ともに元気になり、肌が潤い美しくなるなどの効果があるからです。また貧血・不眠症・物忘れなどの改善にも効果があり、高齢者にもお勧めの漢方薬です。
竜眼を使った薬膳のレシピ
竜眼を使った薬膳には粥やスープがあります。
作り方はきわめて簡単でお米と竜眼を水に入れてグツグツ煮るだけです。柔らかくなったら食べられます。
こちらもきわめて簡単。竜眼と同じく生薬のハスの実を適量洗って水に入れてどちらも柔らかくなったらできあがりです。ただし初めにハスの実を煮て八分どおり煮えたら竜眼を入れます。
このスープも長期にわたって服用していると貧血・寝汗・動悸・神経衰弱などに効果があると言われています。
竜眼の価格
干し竜眼は漢方薬または中華食材として500g3000円くらいで売っています。生果の缶詰や蜂蜜などの形でも売っています。中国産以外にタイ産もあります。
竜眼の名前の由来・物語
竜眼のことは桂圆とも言うのですが、ここにはあるいわれがあります。
ある海辺の村に「桂圆」という名前の肝っ玉の大きいハンサムな若者がいました。幼いころ親を亡くし、一人漁をして暮らしていました。
この村の海には悪い竜が住んでいて、毎年中秋節になると陸に上がって村人を襲います。村人はこれを恐れ憎みましたがなすすべがありませんでした。
ある日桂圆と村人は妙案を思いつきました。海辺に落とし穴を作って悪竜をそこに落とすのです。中秋節の日彼らは岸辺に酒に浸けた豚肉を置いておきました。
果たして悪竜はその匂いを嗅ぎつけ陸に上がってきました。身の丈千余尺と言いますから今の尺とセンチで換算すると約300メートル、眼をぎらつかせ赤い舌をだらりと垂らし、真っ赤な鱗に真っ赤な髭、爪や牙を剥き出して凶悪そのものの容貌です(中国のこの物語にイラストがあってゴジラそっくりだったんですが…)。
ともあれ悪竜はドスンドスンと岸辺にやってきて豚肉を食らうと酒に酔って倒れるとビクとも動きません。村人はチャンス到来とばかりに刀を振り上げ跳びかかっていきましたが、その痛みで目を覚ました悪竜は狂ったように村人に襲い掛かりました。
桂圆はひとり跳び出していき、刃物で悪竜の右目を刺し、痛みで転げまわる悪竜をしっかと抑えて今度は左目に一撃です。竜と人間はくんずほぐれつ夜遅くまで戦いを続け、やがてそのまま落とし穴に落っこちてしまいました。
村人が桂圆を穴から助け出した時にはすでに事切れていましたがその両手には竜の目玉が2つ握られていました。村人は涙を流しながら桂圆を埋葬し、その近くに竜の目玉を埋めました。
その後ここから木が生え、やがて甘くておいしい果実がたわわに実りました。村人はこの果実を「竜眼」と呼びましたが、後世の人が桂圆の勇気をたたえて「桂圆」と呼ぶようになったそうな。
こんないわれを知ると、生竜眼…食べるのちょっとコワイですね。ゴジラの目玉か…
「桂圆」と言い換えると香しくて美味しそうです。