中国の珍味・三大珍味

中国の珍味・三大珍味

中国といえば美食の歴史。古来から珍しいものを食材に用いてきました。ここでは中国の珍味、三大珍味などについて紹介します。

中国三大珍味とは

中国三大珍味とは、中国の代表的な珍味のことです。珍味とはめったに味わえない美味しいもの、という意味です。「三大」と名がつけばこれはもう「珍しい+激ウマッ!」でしょう。

さてそこでこの中国三大珍味…フカヒレ・アワビ・ツバメの巣…と日本では言われています。ところが中国語でこれを検索しても…出てきません。中国人は必ずしも「フカヒレ・アワビ・ツバメの巣が中国三大珍味だ」とは思っていないようです。

ただし「八大珍味」という言い方はあります。ただしこの中に入るものは必ずしも固定されてはいません。

世界三大珍味と日本三大珍味

世界三大珍味は、トリュフ(キノコ)・キャビア(魚卵)・フォアグラ(ガチョウの肝臓)で、これは中国でもよく知られています。

日本にも三大珍味というのがあるそうで、カラスミ(魚の卵巣の塩漬け)・ウニ・コノワタ(ナマコのはらわたの塩辛)ですが、こちらは中国でも知られていました。

そうすると中国三大珍味は誰か外国人が適当に言ってみただけ…の可能性があります。

フカヒレ(サメのひれ)・アワビ・ツバメの巣…アワビ以外は食品になるとは思いつきにくい中国独特の珍しい食品で、そこで誰かが「中国三大珍味」と言い日本で広まった?のではないでしょうか。

中国の珍味

中国の珍味に関する本を読むと「ナマコ・アワビ・魚の浮き袋・フカヒレ・ツバメの巣(金糸ツバメの唾液が固まったもの)・鹿茸(ロクジョウ…鹿の角)・ウミヘビ」が珍味として説明されていますが、特に〇大珍味と銘打ってはいません。

日本の珍味も食べたことのない人はゲテモノ的に見えるでしょうが、中国の珍味も、唾液だの魚の浮き袋だのって…食べられるかもしれないと試した人はスゴイです。

中国珍味の中国語名

中国珍味は中国に行って食べるかもしれませんので、その漢字を紹介します。

海參(ナマコ)・鮑魚(アワビ)・花膠魚肚(魚の浮き袋)・魚翅(フカヒレ)・燕窩(ツバメの巣)・鹿茸(ロクジョウ)・舵蛇(ウミヘビ)です。

では以下では、日本で一般に言われている中国の三大珍味、アワビ・フカヒレ・ツバメの巣をそれぞれ紹介しましょう。

ツバメの巣

ツバメの巣

ツバメの巣とは、東アジア・東南アジアで古くから食べられてきた高価な食材で、文字通り「ツバメの巣」そのものです。ただし日本で見られるツバメとは異なり、東南アジアなどで見られる「アナツバメ」という種類のツバメの巣で、その巣はほとんどがツバメの唾液からできています。つまり「ツバメの巣」という中国珍味は、「アナツバメの唾液が固まったもの」と言うことができるでしょう。

アナツバメは漢字では「穴燕」と書きます。文字通り穴・洞窟に巣を作るのです。ただし海辺の絶壁の洞穴で、ここに集団で巣を作ります。

一方日本で見られる「ツバメの巣」は泥や枯れ葉などからできていて、巣の材料の唾液率は低く食べられません。

フカヒレ

フカヒレ

フカヒレとは、サメのヒレ…尾びれ・背びれ・胸ヒレ・尻ビレ・腹ビレの部分…を乾燥させたものです。サメにはいろいろな種類がありますが、このうちフカヒレに使われるサメは、ヨシキリザメ・ジンベイザメ・ウバザメ・アオザメ・イタチザメなどです。

アワビ

アワビ

アワビは高価な海の珍味の一つで、栄養豊富、中国では海の「軟黄金」(柔らかい黄金)と呼ばれています。アワビは中国語では呼び方が2つあり、「鮑魚」(乾燥させていない生アワビ)と乾鮑(干しアワビ)です。

乾燥させていない生アワビは可食部でタンパク質が24%、干しアワビになると同じくタンパク質40%を含むほかビタミンや微量元素を多く含み、低脂肪で栄養豊富な食品です。

生のアワビはミミガイ科の大型巻貝の総称で、成長したアワビの殻は楕円形をしており、長い方は5~20センチ、短い方は3~17センチです。耳のような形をしているので、日本では「ミミガイ」、英語では「sea ear」(海の耳)と呼ばれています。

アワビの生息地は通常水温が比較的低い水深20メートルほどの岩礁で、ワカメ・コンブなど海藻類を食べています。太平洋・大西洋・インド洋などに広く分布していますが、最も良質なアワビは日本産、次いでメキシコ産と言われています。日本産のアワビは江戸時代から中国に輸出されていました。