松の実
Tweet松の実は中国で古来より栄養価の高い生薬として重宝されてきました。
ここでは松の実の効能・栄養・薬膳料理のレシピ・松ぼっくりとの違い・古代の文献における松の実、などについて紹介します。
目次
- 1. 松の実とは
- 2. 松の実の効能
- 3. 松の実の栄養価
- 4. 松の実の薬膳料理のレシピ
- 5. 松の実の価格
- 6. 松の実と松ぼっくりはどう違う?
- 7. 古代の文章に出てくる松の実
松の実とは
松の実とは、中国語で「紅松」という松の木の一種のタネのことで、生薬(しょうやく……薬草を加工せずそのまま使う薬のこと)として用い、中国語では「果松子」・「海松子」などと呼ばれています。「子」はタネという意味です。1本の紅松の木から松の実が採れるまで50年かかります。
中国の東北部や雲南省などで収穫されます。
松の実の効能
松の実は、常食すれば健康になり、肌が潤い、咳止め、便秘の改善・アンチエイジングなどに効果があります。
また頭を使う仕事をしている人にお勧めで、記憶力アップにも役立ち、認知症の改善にも効果があると言われています。
ただお腹を壊しやすい人や痰の多い人はあまり食べない方がいいでしょう。カロリーも高いので食べすぎると太ります。1日20~30個くらいがちょうどよい量です。
松の実の栄養価
松の実の栄養は、脂肪・タンパク質・炭水化物のほか、カリウム・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンE・パントテン酸などミネラル分も豊富に含んでいます。
松の実の薬膳料理のレシピ
松の実30g・クルミ60gをつぶしてよく練り、蜂蜜15gを混ぜ、1回6g食べ、その後お湯を飲む。
薬膳では咳止めに使われています。
お粥を作ってその上に松の実をトッピングするだけ。
中国では滋養強壮・認知症予防に食べられています。
おやつに松の実をそのままいただきます。
塩も油も含まれていないので健康的です。
中国人はカボチャのタネやスイカのタネを歯でかりっと剥いて中身を出し、上手に食べますが、松の実も殻付きの場合は同じように食べます。
こうしたおやつを食べ慣れていない日本人は、おいしい中身にはなかなかたどり着けません。
松の実の場合はあらかじめ剥いてあるものを買った方が無難です。
松の実の価格
松の実は日本では生薬としてではなく食材として売っています。100g700円くらいです。中国で買うなら場所や産地によっていろいろですが、おおよそ日本で買う時の半値くらいでしょう。
松の実と松ぼっくりはどう違う?
松ぼっくりはタネではなく果実のようなもので、あの鱗のようなところの裏側にタネが入っています。松ぼっくりの鱗が開いてタネが風に飛ばされていくと、松ぼっくりは木から落ちていきます。
古代の文章に出てくる松の実
六朝時代に書かれた漢の武帝(B.C.156~B.C.87)をめぐる小説・『漢武内伝』に、漢代に松の実が食べられていたと書かれています。
その後の文献には、松の実を食べると寿命が延びるとの記載があります。
たとえば『海薬本草』には、長く服用していると寿命が延びて年を取らない、とあります。
また『本草経疏』には、松の実の味は「甘」で血を補う、五臓を潤す。寿命が延び、体が軽くなって年を取ることがない、などと書かれています。