“萌萌哒” 「萌え」が中国語になって大流行!

「萌え」の中国語

“萌萌哒”とは

“萌萌哒 méngméngda”(萌え、チョーカワイイ!)は「2014年中国で最も流行したネット用語25個」に選ばれた、この年の中国語新語の一つですが、こうした新語はおおかたが一部の層にとどまるだけだったり、死語化するのですが、この言葉は勢いが衰えません。

“萌萌哒”は日本語の漫画・アニメ用語「萌え」から入った

元は日本の漫画・アニメ用語「萌え」から入ったものです。日本語の「萌え」は本来漫画・アニメなどのキャラクターなどへの強い好意を表す若者言葉で、一定の知名度は持ちますがそれほどの広がりはありません。今でも若者言葉の領域にとどまっているでしょう。少なくとも新聞の見出しなどになることはありません。

中国社会全般に広がる“萌萌哒”

日本語の「萌え」が日本で若者言葉の範疇にとどまっているのに対して、中国語の“萌萌哒”は中国社会全般に広がっています。中国では幼稚園児のような小さい子供たちも普通に使い、彼らはこの言葉が元日本語から入ったものだということなどまったく知りません。

妈妈,我爱你,萌萌哒。 Māma,wǒ ài nǐ,méngméngda.(ママ大好き、チョーカワイイ)

また中国のあるネットはドイツメディアの中国外交に関する評論を紹介し、そのドイツメディアの見出しを中国語で

“中国的特殊外交手段――“萌萌哒”(中国の特殊な外交手段――「チョーカワイイ」)

と書いています。このドイツメディアは「ドイツの声 中文網」という中国向け・中国語ニュースです。“萌萌哒”はこんなお堅いメディアにまで広がっているということでしょう。ちなみにこの「特殊な外交手段」とは「パンダ外交」のことです。なるほど“萌萌哒”ですね。

「カワイイ文化」が中国を席巻?!

ところでこの状況は、ここまで日本発「カワイイ」文化が中国を席巻している、ということを意味しているのでしょうか?答えはイエス…だと思います。だけどなぜ?日本はわかるのです。なにしろ清少納言の時代から「なにもなにも、小さきものは、皆うつくし」(小さいものはみな可愛らしい)という国柄ですから。中国はとにかくデカいことが好き、派手なことが好き。女性のタイプだって豪華絢爛系美女、花なら牡丹。ナデシコだの朝顔だの日本人が好きなあれ何?ただの草でしょ!っていう美意識です。それがなぜ?

元儒教圏・東アジアは「カワイイ文化」を受け入れる素地がある?

儒教社会は自由度が低いからそこから逃げるためカワイイ文化を受け入れるなんて説もあります。“卖萌màiméng”(可愛い子ぶる・ぶりっこをする)という新語もあり、ビジネスウーマンたちの一部が嫉妬を避けるためこの路線で行くなんていう説もあります。いずれも中国人が書いているものです。「カワイイ文化」蔓延の謎は奥が深いのです。