中国語で「ごめんなさい」「すみません」

中国語でごめんなさい

中国語で「ごめんなさい」

中国語で「ごめんなさい」と人に謝る時、最もよく使われるのは“对不起”Duì bù qǐです。

遅刻した時、

对不起,我 来 晚 了。
Duìbùqǐ,wǒ lái wǎn le。
遅くなって申し訳ありません

相手の大事なものをうっかり壊してしまった時も

实在 对不起!我 不 是 故意 的。
Shízài duìbùqǐ!Wǒ bù shì gùyì de。
本当にごめんさない、でもわざとじゃないのよ

日本人なら最後の言い訳は言わない(言ったらよけい怒られそう)と思いますが、中国人は相手の怒りを解くためにこう言います。

对不起は「動詞+不+補語」の形を取ったイディオム(慣用表現)で、もともとは「相手に顔向けできない」という意味です。

形容詞で“抱歉”bào qiànも「すまなく思う」という意味で使われます。前に程度副詞がよく置かれます。

让 你 久等 了,实在 抱歉!
Ràng nǐ jiǔděng le,shízài bàoqiàn!
お待たせしちゃって本当にごめんなさい
真 抱歉!你 的 相机 我 忘在 家里 了
Zhēn bàoqiàn!Nǐ de xiàngjī wǒ wàngzài jiāli le。
ごめんなさい!あなたのカメラうちに置いてきちゃった

对不起は口語的、抱歉は改まった言い方で、お詫びのランクもより深くなります。

日本語の「すみません」に相当する侘び言葉としては“不 好意思Bù hǎoyìsi”があります。もともとは「きまりが悪い、お恥ずかしい」という意味を持った言葉です。申しわけなさが“对不起”より軽く、たとえばお客のテーブルの水をウェートレスさんがこぼしてしまった時などに使います。日本のウェートレスさんだったら、平身低頭して“实在抱歉!”(本当に申し訳ありません)レベルの侘び言葉を使うと思いますが、中国のウェートレスさんは(人やレストランの格にもよるでしょうが)「あっごめん」くらいの感じで、口調にまったく「ごめん」感なく“不好意思”とつぶやきながらテーブルを拭きます。中国に来たなあと思う瞬間です。

不 好意思,能 帮 我 换 点 零钱 吗?
Bù hǎoyìsi,néng bāng wǒ huàn diǎn língqián ma?
すみません、小銭に換えてくれますか?

ところで日本語の「すみません」は「ありがとう」の意味や、「ちょっとお伺いしますが」の意味でも使われます。中国語の“不好意思”にそうした意味はないので、それぞれ“谢谢”“请问”などに換えなければなりません。

请问,去 北京 站 怎么 走?
Qǐngwèn,qù Běijīng zhàn zěnme zǒu?
すみません、北京駅にはどう行くんですか

「すみません」に近い言葉で、「悪いけど」に当たる言葉としては“麻烦 你”Má fan nǐがあります。

麻烦 你,请 把 那个 包 递给 我。
Máfan nǐ,qǐng bǎ nàge bāo dìgěi wǒ.
申し訳ないけど、あのカバン取ってくれる?

もっと丁寧で正式な感じのする、儀礼的な侘びの言葉としては“包涵”Bāo hánがあります。「大目に見ていただきたい」という挨拶言葉です。

今天 我们 招待得 不 周到,清 多 包涵!
Jīntiān wǒmen zhāodàide bù zhōudào,qīng duō bāohán!
今日は十分なおもてなしができませんでしたが、どうかお許しください

許しを請う言葉としては“请 原谅”Qǐng yuánliàngがあります。

我 错 了,请 原谅!
Wǒ cuò le,qǐng yuánliàng!
私が悪かったのです。許してください

書面で侘びを入れる場合は“表示 深深 的 歉意Biǎoshì shēnshēn de qiànyì”などを使います。

由于 我们 的 失误,给 贵 公司 带来了 很 大 的 损失,在此 我们 表示 深深 的 歉意。
Yóuyú wǒmen de shīwù,gěi guì gōngsī dàiláile hěn dà de sǔnshī,zàicǐ wǒmen biǎoshì shēnshēn de qiànyì。
私どものミスで御社に多大な損失をもたらしたことを心よりお詫び申し上げます

中国人の謝罪に関する文化的背景

中国人はあまり「ごめんなさい」という言葉を使いません。日本のような「相手を気遣う文化」ではなく、欧米によく似た「自分を主張する文化」です。欧米人も謝ったら負け、全責任を取らされると思う文化でめったなことでは謝らないと聞きますが、中国人も同じタイプです。

また謝る際に「わざとじゃない」と付け加えることもあります。日本人からするとよけいな一言だと一層腹が立つでしょうが、中国人にとっては相手の怒りを解こうとするための一言でもあるのです。