中国語で「あけましておめでとう」 春節・新年の挨拶集
このページでは、中国語による「あけましておめでとう」などの春節・新年の挨拶表現と、春節・新年に関する中国語表現を紹介しています。サウンドマークをクリックすると音声が流れます。
春節については「春節」のページで詳しく紹介しています。
中国語の様々な「おめでとう」の表現については「中国語で『おめでとう』」のページで紹介しています。
目次
- 1. 中国語で「あけましておめでとう」
- 2. 正月と春節について
- 3. 中国語で春節の挨拶
- 4. 新年・正月・春節に関する中国語表現集
- 5. にぎやかな中国の春節とおごそかな日本のお正月
中国語で「あけましておめでとう」
中国語の「あけましておめでとう」にはいくつもの言い方があります。基本的にこの挨拶はいわゆる新年の1月1日ではなく、旧暦の新年、つまり春節に使われます。春節期間中であれば春節の最初の日でなくても使えます。
以下では、中国語による3種類の「あけましておめでとう」と、それらの表現を使った「よいお年を」の言い回しについて紹介します。
中国語で「あけましておめでとう」-1
最もよく使われる中国語の「あけましておめでとう」は、以下のような表現になります。
この挨拶は、前に“祝你 Zhù nǐ”を入れれば、まだ春節が来なくても使えます。
中国語で「よいお年を」-1
上の表現を用いた、中国語の「よいお年を」の表現は以下のようになります。
この表現は、言葉で言ってもかまいませんし、年賀状のようなものに使ってもかまいません。ただしこの“祝”は「祝う」ではなくて、「祈る」ですから未来形です。春節が来たら逆に使えません。
中国語で「あけましておめでとう」-2
こちらも春節期間中によく使われる「あけましておめでとう」のあいさつです。
この表現は、前に“祝你 Zhù nǐ”を入れれば、まだ春節が来なくても使えます。
中国語で「よいお年を」-2
上の表現を用いた、中国語の「よいお年を」の表現は以下のようになります。
この表現は、話し言葉でも書き言葉でも使うことができます。ただしこの“祝”は「祝う」ではなくて、「祈る」ですから未来形です。春節が来たらこれも逆に使えません。
中国語で「あけましておめでとう」-3
以下の表現も、春節期間中によく使われる「あけましておめでとう」のあいさつです。
この挨拶は春節が来て初めて使える挨拶です。言葉で言っても年賀状に使ってもかまいませんが、春節前には使えません。
中国語で「よいお年を」-3
春節前なら“祝你”をつけて以下のように言います。
正月と春節について
中国では春節を盛大に祝う
中国の新年は日本と違って旧暦の新年です。旧暦の新年は常に日本で使っている暦より遅れ、また元旦の日が毎年変わります。おおよそ1月の半ばから2月の半ばにかけてのどこかが旧暦の新年です。つまり中国の新年は日本の新年から半月~一か月半遅れてやってきます。ちなみに中国語の「旧暦」は一般に“农历 nónglì”、「新暦(太陽暦・グレゴリオ暦)」は“公历 gōnglì”と言います。
お正月はなぜ日中で異なる?
日本は明治5年(1872年)にそれまで使っていた太陰太陽暦(いわゆる「旧暦」)を廃止し、欧米諸国が使っていた太陽暦を使うようになります。中国では1912年、中華民国が成立した翌年から同じく太陽暦を使うようになります。つまり今では両国とも同じ暦を使っているのですが、中国は伝統的な行事だけは旧暦でやるのです。たとえば7月7日の七夕節や8月15日の中秋節など、みな旧暦です。ですから元旦1月1日も旧暦です。実は東アジアや東南アジアのほとんどの国ではお正月を旧暦で祝います。この地域でお正月を新暦で祝うのは日本だけです。
太陽暦のお正月に“新年好”は使える?
では太陽暦でお正月を祝う日本人が中国人に“新年好”と言ったら変か?と言えばそんなことはありません。日本で暮らす中国人は日本人と一緒、太陽暦でお正月を祝います。そして旧暦の新年…これを“春節”と言います…が来れば中国に帰り、中国の家族・親族とともに旧暦のお正月を祝うのです。また日本にいる中国人は日本人同様、新年に年賀状を出します。この年賀状にも“新年好”は使えます。春節になると中国にいる中国人の友人からは年賀状が届きます。そこにも“新年好”“新年 快乐Xīnnián kuàilè”(ハッピーニューイヤー)などの文字が入っています。
中国語で春節の挨拶
家族・親族に対する新年の挨拶
お正月にはまず家族でおじいちゃん、おばあちゃんなど年上の家族・親族のところに行き、新年の挨拶をします。この新年のあいさつのことを中国語で、
と言います。
農村などでは今も額づく礼をするそうで、額を床に打ち付ける時のコツンという音が大切なのだとか。
この時、
などとお祝いの言葉を言います。
近所の人、会社の同僚、友人などに対する新年の挨拶
近所の人、会社の同僚、友人などに会った時には“新年好”、“新年快乐”、
など「あけましておめでとうございます」の挨拶をしたり、
などの祝福の挨拶を述べます。
新年・正月・春節に関する中国語表現集
正月
中国語でお正月のことは、
と言います。ただしこの表現は旧暦のお正月、つまり春節に限ります。新暦(太陽暦つまり日本人が使っている)のお正月は指しません。また“正月”の“正”は普通の“正 zhèng”と異なり“zhēng”と第1声で読みます。
“正月”という中国語は春節の「お正月」という意味なのに、
という単語は新暦の1月1日を指し、春節の1月1日のことではありません。
春節の1月1日は、
と言います。
ややこしいですね。復習しましょう。
中国語の“正月”は春節で祝うお正月、中国語の“元旦”は新暦の元旦です。
春節
春節とは中国の旧正月のことです。春節の元旦は中国語で、
と言います。“元旦”とは言いません。中国のお正月、春節は中国人にとって最も大切な行事です。日本の「盆と正月が一緒に来たような」日です。この日はふるさとを離れている人も必ずふるさとに帰って親、兄弟とともにお正月を過ごします。
春節の帰省ラッシュ
春節が来ると日本のテレビなどでも中国のものすごい帰省ラッシュが報じられます。この春節の帰省ラッシュを中国語で、
と言います。
日本の「お盆の帰省ラッシュ」の超拡大版ですね。日本の場合、お正月・お盆のふるさと帰省ラッシュの日はおおよそ1週間くらいの間の初めと終わりですが、中国では旧暦の12月15日くらいから春節の25日くらいまで、約40日間にわたります。その間の移動人数は2017年の春節期間ではのべ約27億人でした。この数字は地球の全人口の三分の一強に相当します!
大晦日
「大晦日」のことは中国語で、
とか
などと言います。
これらの表現は両方とも、新暦の大晦日、旧暦の大晦日(春節の前日)の両方に使うことができます。
この大晦日に作る料理のことを中国語で、
と言います。
地域によっていろいろですが、北方ではギョーザを作る家が多いことでしょう。日本の「お雑煮」のようなもので、焼きギョーザではなく“水饺 shuǐjiǎo” (水ギョーザ)です。日本のように「年越しそば」を食べるとか「除夜の鐘」を聞くという習慣はありません。ただ日本の「紅白歌合戦」と似た“春节晚会 Chūnjié wǎnhuì”という番組があり、ギョーザを食べながらこうした番組を見ているうちに元日を迎えるのです。
春聯
大晦日(春節)には
と呼ばれるおめでたい言葉を対句にしたものを家の入口に飾ったりします。
年画
年画は中国語では
と言います。
これは中国の民間芸術で、専門の画家、芸術家ではなく、農民など普通の庶民がお正月のために作った版画のことです。春節に豊作や幸運、金運などを願い、これを家の中や出入り口に貼ります。今都会に住む一般家庭ではこうしたものを貼る人は少ないでしょうが(いかにもイナカーという感じ、あかぬけない感じがするのでしょう)、カラフルでヘタウマ的な図柄は外国人から見てきわめて魅力的です。
お年玉
中国語で「お年玉」は、
と言い、お年玉を入れる赤い袋のことを、
と言います。
日本と同様年長者が、年少者からお祝いの挨拶を受けた後に配ります。
爆竹
中国のお正月と言えば「爆竹」を忘れるわけにはいきません。
中国語で「爆竹」は、
または
と言います。
爆竹には二千年の歴史があるそうです。なぜお正月に爆竹を慣らすかと言えばあの音がにぎやかで、このにぎやかさこそが中国人にとっておめでたいからです。「年」という怪獣伝説もあります。
「春節」のページでこの話を詳しく紹介しています。
年賀状
中国語で「年賀状」は
と言います。
中国の年賀状は一般にハガキではなくカードです。グリーティングカードはあまり見ない中国ですが春節のグリーティングカードはたくさんあります。真っ赤な地に金色で印字されたりしています。こうしたカードはビジネス関係者や海外に出し、それ以外は、普通スマホのSNS機能を使ってやり取りしています。紙のグリーティングカードであれ、スマホ上のグリーティングカードであれ、そこには絵柄とおめでたい言葉が入っています。スマホですと動画も多いです。戌年のカードとしてはたとえば“狗 年 大吉 Gǒu nián dàjí”(犬年おめでとう)とか、ワンちゃんが口に “旺wàng”(大発展という意味と「ワン」という音をかけている)というカードをくわえているものがあります。
にぎやかな中国の春節とおごそかな日本のお正月
日本のお正月はおごそかさ、静けさ、静謐さが大切ですが、中国ではその真逆でにぎやかなどんちゃん騒ぎこそがおめでたいのです。なぜ日本ではおごそかなお正月が喜ばれるのか、または当たり前とされるかと言えば、年が改まればまた新しく人生を始めていけるからですね。つまり前の年が不運だったり、ダメダメな自分であったとしてもリセットできる。なぜって…日本では昔からそうなんです。除夜の鐘が鳴り止み初日の出を拝めば、まだ何も書かれていない真っ白なノート、新しい時間、新しい己(おの)が命を天からいただける。ありがたいことですね。ところがこうした感覚があるのはもしかしたら日本だけらしいです。日本とイスラエルだけという説も。あとの国はお正月を取り立てて祝わない、祝ってもこういう感覚はないのです。