中国語で「頑張れ」“加油” 応援と励ましの表現集
日本人は口癖のように「頑張って」「頑張ります」「頑張ろう」などと言いますが、中国語で「頑張れ」はどう訳すのでしょう? 中国語でよく“加油!”と言い、日本人はこの漢字の意味がおおよそわかるので「頑張って」=「加油」だと思ってしまうのですが、本当に同じなのでしょうか? ここではそうしたことをご紹介します。
目次
中国語の「頑張れ」「頑張って」「頑張る」“加油”
日本人の大好きな「頑張って!」、中国語ではふつう「頑張れ」を
と訳されます。これは読んで字のごとく「油を注ぐ」こと。ガソリンスタンドでガソリンを入れる、あれのことです。ですから「ガソリンスタンド」は“加油站jiāyóuzhàn”と言います。ただこの“加油”は必ずしも日本語の「頑張って!」とイコールではありません。
“加油”(頑張れ)はスポーツの応援にピッタリなフレーズ
マラソンの沿道で選手たちに「頑張って!」と声をかけるのは正ににガソリン――力を注いであげている行為ですから、この“加油!jiāyóu!”がピッタリです。試験会場に向かう子供たちに“加油!jiāyóu”もOKです。でもそんなこと言われたらプレッシャーで萎縮してしまう子もいる? そういう子には“加油!”ではなくて
などと声をかけた方がいいかもしれません。“加油!jiāyóu!”は頭にハチマキかなんかして闘志満々な人への応援にピッタリなのです。
困難な状況の相手に中国語で「頑張って」と伝えたいとき
でも日本語の「頑張って!」は闘志満々タイプ以外にも使いますね。たとえば落ち込んでいる人に「頑張って」と耳元でささやくとか。これは“加油!”は使いにくいのです。こうした場合は普通は
を使います。「へこたれるな!もちこたえよ!」という意味です。相手は崩れそうになっている、そのまま崩れてしまわないで、という意味です。相手の困難、悲痛を理解している人の言葉です。これは“加油!”のある意味ノー天気さに比べると深みがあるのですね。
災害時の中国語の「頑張って」は“加油”より“挺住”
中国で大地震や大きな災害があると、日本の各地で「〇〇加油!」という張り紙とともに募金箱が置かれたりします。でもこうした災害が起きた時中国では“加油!”はあまり使いません。まったくということはないのですが、こうした時は“挺住!”を使う方が一般的です。2008年に起きた四川大地震(震源は汶川)の時のスローガンは“汶川挺住! Wènchuān tǐngzhù!”(汶川よ、へこたれるな!)でした。
「頑張れ」と“加油”の違い
日本語はいろいろな場面で「頑張って!」を使います。上に書いたように、これらをすべて“加油!”に置き換えることはできません。“加油!”はどちらかというと「フレー!フレー!」という掛け声的な言葉なのです。日本語の「頑張って!」は単純な掛け声というより、もっと実体のある表現です。ですからいろいろな場面で使えるわけです。運動会の競争、試験に行く人、チャレンジする人、困難の中で奮闘している人、病気の人、災害に遭った人…場合によっては身近な人が亡くなって悲しみにくれている人にも使えるでしょう、「頑張ってくださいね」と。こうした多様な表現を中国語に訳す場合は“加油!”という掛け声的表現ではなく、それぞれに即した、よりふさわしい表現を探さなくてはなりません。
いろいろな場面の中国語の「頑張れ」
「運動会などの競争の応援」、「チャレンジする人への応援」など前向きに奮闘している人には自分も含めて“加油!”が使えます。単に「頑張って!」「フレー!フレー!」だけではなくもう少し複雑なフレーズにも使えます。
“加油”の複雑形
この種の「頑張る」は“努力 nǔlì”も使えます。
目上の人への「頑張って」
目上の人にどうかというと、家族など親密な間柄以外“加油!”はちょっと使いづらいです。そうした時は
などを使うといいでしょう。
ただ「頑張って!」と呼びかける言葉そのものが、中国語でもやや上から目線というか、目上の人が目下の人に使うのが一番自然な言葉ですから、目上の人に使う時は場を読む必要があります。このへんは日本語と同じですね。
困難の中にいる人へのいろいろな「頑張って!」
困難の中で奮闘している人には先に挙げたように “加油!”ではなく一般に“挺住!”を使います。友人などが重い病気にかかるなど困難の状況に陥った時の励ましの言葉は“挺住!”です。
この返事はいろいろです。あまりのショックに呆然としている人は無言でしょうし、気を取り直して
と言う人もいるでしょう。
失意の中にいる人には
ということわざを使ってもいいかもしれません。
悲嘆に沈む遺族には
という美しい言葉もあります。