中国語で「はい」と「いいえ」の表現集
このページでは、中国語の「はい」と「いいえ」の表現について、質問の種類別に説明していきます。日本語の「はい」との違いや、中国語特有の微妙なニュアンスなどを様々な例文で紹介しています。全ての例文に発音が付いているので、サウンドマークをクリックして聞いてみてください。
目次
中国語の「はい」「いいえ」の特徴
日本語の「はい」や「いいえ」が万能的で割と何に対しても使えるのに対して、中国語の「はい」「いいえ」は場面などに応じて異なる表現を使います。
日本語の「はい」は、「YES」、「OK」、出席を取るときの「はい」、呼ばれたときの「はい」、行動についての「はい」、所有についての「はい」、可能という意味の「はい」など、すべて「はい」で表現できます。それに対して、中国語の「はい」はそのすべての状況で異なる表現を使います。
それでは、いろいろな中国語の「はい」「いいえ」について見ていきましょう。
「YES」「NO」を意味する中国語の「はい」と「いいえ」
「YES」を意味する中国語は、“是”(はい)・“是的”(はい)・“对”(はい)
「YES」「NO」のように使える中国語の「はい」は、“是”(はい)・“是的”(はい)・“对”(はい)です。「いいえ」は、“不是”(いいえ)・“不对”(いいえ)のようになります。
“是”(はい)、“是的”(はい)の使い方と例文
では、“是”(はい)、“是的”(はい)、“对”(はい)の具体的な使い方を例文で見ていきましょう。
日本人かどうか確認している問いに対する中国語の返答は、
というように答えます。
こうした質問への「はい」は、 一般に“是”(そうです)、“是的shì de”(そうです)です。この場面で「いいえ」は
となります。
“对”(はい)の使い方と例文
“对”(はい)の使い方に関しても例文で見ていきましょう。
所有物かどうか確認している問いに対する中国語の返答は、
というように答えます。
“是”(はい)を使った疑問文でも「その問いが当たっているかどうか」に焦点が当たる場合は
を使いますが、上の文と同様“是”(はい)、“是的”(はい)、 “不 是”(いいえ)を使うこともできます。
「わかった」「OK」というニュアンスの中国語
「わかった」「OK」を意味する中国語は、“好的”(はい)・“行”(はい)
「わかった」「いいよ」「了解」「OK」というニュアンスを持つ中国語は、“好的”(はい)や“行”(はい)です。
“好的”(はい)・“行”(はい)の使い方と例文
人に何かを命じられた時の中国語の返事は、
のように表現します。
この“好的”は「わかった・いいよ・OK」というニュアンスを持つ「はい」です。同様の意味で“行 xíng”(オッケー・まかせとき)も使われます。
この場面で「いいえ」は
などのように具体的に答えます
中国語で点呼の「はい」と返事の「はい」は動詞が違う
出席の点呼に使う中国語の「はい」
教室などでの出席の点呼で使う中国語の「はい」は、“到”(はい)を使います。例えば、
のように表現します。
この“到”は「着きました」という意味を持つ「はい」です。
授業中に指名された時の中国語の「はい」
では、出欠点呼が終わって授業が始まった後、先生が何かを質問し、誰かを指名して答えさせます。その時に使う中国語の「はい」は、“在”です。例えば、
のように表現します。
この“在”は「います」という意味の「はい」です。ここでは“到”は使いません。
これらの場面では「いいえ」という返事はありません。
中国語は質問をそのままオウム返しにしても「はい」になる
行動についての質問を受けた時の中国語の「はい」と「いいえ」
行動についての質問を受けた時の中国語の「はい」は、質問をオウム返しにすることで答えます。例えば、
のように表現します。
特に「はい」に相当する言葉を使わず、オウム返しに答えます。
同じ質問に対する中国語の「いいえ」は、
などと答えます。「完了」を表す助詞“了”がついた文には、「未然」(まだ起きていないこと)を表す副詞“没”や “没有”で「いいえ」の意味を表すのです。
行動への意思について問われた時の中国語の「はい」と「いいえ」
中国語で行動への意思について問われた時も、「はい」の場合は質問をオウム返しにすることで答えます。例えば、
のように表現します。
同じ質問に対する中国語の「いいえ」は、
と動詞の前に“不”をつけます。
具体的な事実を問われた時の中国語の「はい」と「いいえ」
行動への意思ではなく、その行動をしたかどうか具体的な事実について問われた時は、
のように、やはり質問に対してオウム返しで答えます。
同じ質問に対する中国語の「いいえ」は、
と動詞の前に「未然」の意味を持つ“没”をつけます。つまり同じ動詞を使った文でも「そういうことをするつもりはあるのか」と意思を問われた時と、「そういうことをしたか」と具体的事実を問われた時とでは「いいえ」に用いる副詞が変わり、意思の場合は“不”を、具体的事実の場合は“没”を使います。
状態についての質問を受けた時の中国語の「はい」と「いいえ」
状態についての質問を受けた時の中国語による返答は、
のように、これも特に「はい」に相当する言葉を使わず、オウム返しに答えます。
上の質問に対して中国語で「いいえ」と答える時は、
などと“不”を使って答えます。なぜ上記のように“没”や “没有”ではないのかというと、“好”という形容詞を使った文の否定は“不”を使うという決まりがあるからです。
中国語で、所有を意味する“有”の文の「はい」は“有”で答える
所有を意味する“有”を使った質問への「はい」は“有”で答えます。
「~がいますか?」という質問に対しての中国語の「はい」と「いいえ」
中国語で「~がいますか?」と質問されたときの返答は、
のように表現します。
同じ質問に対して「いいえ」と答える中国語は、
と言います。この場合の“没有”は動詞で「存在への否定」を表します。
「~を持っていますか?」という質問に対しての中国語の「はい」と「いいえ」
「~を持っていますか?」という質問に対しての中国語の「はい」は、
のように表現します。
「いいえ」と答える中国語は上の文と同じく、
となります。
「~ありますか?」という質問に対しての中国語の「はい」と「いいえ」
「~ありますか?」という質問に対しての中国語の「はい」は、
と、やはり同じように表現します。
「いいえ」と答える中国語は、
あるいは、
と表現します。
中国語で、助動詞を使った文の「はい」はその助動詞で答える
助動詞を使った文に対して、中国語で「はい」と答える時はその助動詞を使います。
「~したいですか?」という質問に対しての中国語の「はい」と「いいえ」
「~したいですか?」という質問に対しての中国語の「はい」の表現は、
のようになります。助動詞“想”(~したい)で聞かれた質問への「はい」は“想”を使って答えます。
「いいえ」の表現は
などと言います。
助動詞も形容詞同様“不”で否定します。
「~できるか?」という質問に対しての中国語の「はい」と「いいえ」
「~できるか?」という質問に対しての中国語の「はい」の表現は、
のように言います。「できる」という意味を持つ助動詞“会“で聞かれた質問への「はい」は“会“を使って答えます。
「いいえ」の表現は
となります。
「~してかまわないか?」という質問に対しての中国語の「はい」と「いいえ」
「~してかまわないか?」という質問に対しての中国語の「はい」は、
のように表現します。「さしつかえない」という意味を持つ助動詞“可以”で聞かれた質問への「はい」は“可以”を使って答えます。
「いいえ」と答える場合は
と表現します。“不能”の方が一般的な表現です。
「~できるか?」という質問に対しての中国語の「はい」と「いいえ」
「~できるか?」という質問に対しての中国語の「はい」は、
のように表現します。「できる」という意味を持つ助動詞“能“で聞かれた質問への「はい」は“能“を使って答えます。
「いいえ」の場合は、
と表現します。“不能游”は「泳いではいけない」という禁止の意味になるので、ここでは使えません。
中国語の「はい」と「いいえ」のまとめ
このように中国語には、日本語の「はい」のような、どんな場面でも「イエス」という返答なら「はい」を使うというような決まった表現はありません。場面によっていろいろな「はい」を使い分けていくのです。
「いいえ」は一般に“不”か“没”という副詞を動詞や形容詞、助動詞の前に使います。動詞で具体的な事実を問われた場合は一般に“没”、意思を問われた場合は“不”、“有”という動詞の文では“没(有)”、形容詞や助動詞では“不”を使ってそれぞれ答えます。