盤古と天地開闢

盤古

盤古とは

盤古ばんこは中国の神話に出てくる神の名前です。中国語では“盘古 Pángǔ”と書きます。盤古が崑崙山こんろんさん(…伝説の山。中国の西方にあり、黄河の源で、西王母や八仙人が住んでいる)で天地を切り開いた天地開闢かいびゃく(天地創世)神話は『三五歴紀』(三国時代220~280に作られた神話集)や『述異記』(南北朝時代439~589の志怪小説集)などの書物に書かれています。 盤古は竜の首に蛇の体を持っていたとか、人の顔に蛇の体を持っていたと言われます。後者ですと中国神話の中の人類の始祖、女媧じょか伏犠ふっきと同じです。盤古は中国の神話体系の中で最も古い神だと考えている学者もいます。

天地開闢

盤古と言えば「天地開闢かいびゃく」(盤古開天)の伝説が有名です。

昔々、天と地がまだ一つであった頃、宇宙はただ混沌としていました。開天の神盤古、この巨大な体を持つ神はこの混沌の中に生まれました。盤古は混沌の中で育ち、よく眠り、やがて1万8千年の時が経ちました。

ある日彼は突然目をさまし、目を開けようとしますが何も見えません。目の前にはただぼんやりとした世界があるだけ、盤古はなんとも言えない息苦しさを感じます。これは腹立たしい。彼はどこからか大きな斧を持ってきて、その混沌に向かって思い切り振り下ろします。すると轟音が鳴り響き、大混沌は突然切り裂かれていきました。その中になにやら軽く清らかなものがあり、それが上に向かうと天となっていきました。また重くにごったものはだんだん下に降りていって地になりました。初めの混沌とした天地は盤古の斧の一振りで分かれていったのです。

天と地とが分かれたあと、盤古はこれがまた閉じてしまうのではないかと恐れ、頭で天をつき、足で地を踏みしめ、天地の真ん中に立ってその変化に身をまかせました。すると天が一丈高くなるほどに地もまた一丈厚くなり、盤古の背丈も一丈伸びていきます。このようにしてまた1万8千年が経ちました。天は極度に高くなり、地もまた極度に厚みを増し、盤古の背丈も極度に伸びていました。盤古の背はいったいどのくらい伸びたのでしょうか?9万里と言う人もいます。この巨人はまるで長い柱のように天と地の間にすっくと立ち、二度と再び世界を混とんに戻すことを許しません。

盤古はたった一人そこに立ちつくし、非常に大変な仕事をやり続け、また1万と8千年が過ぎました。こうして天と地の構造はだんだんと形となり、それが再び閉じる心配はなくなりました。盤古には休息が必要でした。こうして彼はついに倒れたのです。

盤古が倒れた時、彼の体に大きな変化が起きました。その口から出る息は風と雲になり、その左の目は太陽となり、右の目は月となりました。手足と体は大地の4極と5方の名山(泰山、衡山、嵩山、崋山、恒山)となり、血液は長江と黄河に、静脈は道に、筋肉は田畑の土、髪の毛は天の星になりました。全身の産毛は草木になり、歯、骨、骨髄はきらめく金属や硬い石、なめらかで艶のある宝石になり、もっとも役に立ちそうもない汗さえも清らかな甘露になったのです。

盤古神話の出典

上記のような盤古の開天伝説は最初に挙げた『三五歴紀』『述異記』のほか、『五運暦年記』『雲笈七籤』(11世紀北宋の時代の道教類書)『三王歴』『路史』などに、それぞれよく似たストーリーが書かれています。

盤古のふるさと

2005年に河南省南陽市桐柏県が「中国盤古のふるさと」に正式に認定されました。この地にある「盤古廟」は国の無形文化財に指定され、2008年からはさらに「盤古山」「盤古村」などを加え、「盤古創生神話伝説群」としての無形文化財登録に向けての動きが始まっています。