構文 【中国語文法】

構文

“把”構文というのは、本来動詞の後ろに来るべき目的語を前に置く構造のことです。

たとえば“我扔掉垃圾”Wǒ rēngdiào lājī(私はごみを捨てる)で、動詞は“扔掉”、目的語は“垃圾”ですが、“把”構文では我把垃圾扔掉 Wǒ bǎ lājī rēngdiào(私はごみを捨てる)となります。

 青マークが動詞、 緑マークが目的語です。

何が違うのでしょうか?これはこの構文にすることによって、動作主(ここでは「私」)が目的語(ここでは「ごみ」)に対して、「何らかの働きかけ、何らかの処置をした」という意図が加わるのです。そこでこの構文を「処置文」とも言います。また“把”は一般に「を」または「は」と訳されます。

“把”構文の特徴

“把”構文にはいくつかの特徴があります。

1. 目的語は特定のもの。ぼんやりとした不定のものではなく、はっきりと特定できるものに限られます。もちろん文面上特定されていないこともありますが、前後から、書かなくても特定のものであることがわかります。

2. 働きかけ、処置が加わるわけですから、動詞単独で使われることはありません。処置の後どうなったかを示す補語や助詞などを伴います。

我把厨房里的垃圾扔掉了
Wǒ bǎ chúfángli de lājī rēngdiàole.
訳:
私は台所のごみを捨てた
   → 前の 緑マークは特定の目的語。後ろの 青マークのうち“掉”は結果補語、“了”は実現・完了の助詞。
我把他的衣服洗干净了
Wǒ bǎ tā de yīfu xǐgānjìngle.
訳:
私は彼の服をきれいに洗った
   → 前の 緑マークは特定の目的語。後ろの 青マークのうち“干净”は結果補語、“了”は実現・完了の助詞。

“把”構文に否定辞や助動詞がつく時

否定辞や助動詞が“把”構文につく時は“把”の前に置かれます。

主語+否定辞・助動詞+“把”+目的語+動詞(フレーズ)

他们把垃圾随便扔在地面上。
Tāmen bù bǎ lājī suíbiàn rēngzài dìmiànshang.
訳:
彼らはごみを適当に地面に捨てません
把房间收拾干净。
Wǒ xiǎng bǎ fángjiān shōushigānjìng.
訳:
私は部屋をきれいにかたづけたい

練習問題

“把”構文として正しいものに○、間違っているものには×をつけ、その理由を書いてください。

問題:

  • (1)我把门关。
  • (2)我把电视看了。
  • (3)我把那个电视机搬过来了。
  • (4)他把衣服没洗干净。

単語:

  • 门mén(ドア)
  • 关guān(閉める)
  • 电视diànshì(テレビ)
  • 电视机diànshìjī(テレビ受像機)
  • 搬过来bānguolai(運んでくる)

正解:クリックして正解を見る

  • (1)× 動詞1個だけでは処置した結果どうなったかを伝えることはできない。
  • (2)× テレビを見る」という意味の時、主語の「私」は「テレビ」に対して何らかの処置は加えていない。
  • (3) 「テレビを運んでくる」という意味の時、主語の「私」は「テレビ受像機」に対して「それを動かす」という処置を加えている。
  • (4)× という否定辞はの前に置かなければならない。