陶淵明

陶淵明

陶淵明とは

陶淵明(とう・えんめい…365~427)は晋(265~420)末・宋(南朝)(420~479)初を代表する詩人で、かの有名な李白杜甫より300年ほど昔の人です。農村の自然を詠った詩や東洋のユートピアを語った文『桃花源の記』で有名です。

それではその人生を以下で紹介しましょう。

陶淵明とは

陶淵明は名前は「潜(せん)」。「淵明」は字(あざな)ですが、陶潜より陶淵明で有名です。長江下流の呉の出身。南方豪族の家の出です。20代の終わりに科挙に合格して官職に就きますが、41歳でそれを辞し故郷に戻って農業に従事します。この時の詩『帰去来の辞』(ききょらい の じ)がよく知られています。

塵世を捨てて隠棲し、田畑を耕し酒を楽しみ詩を詠んで暮らす…名利も地位も求めない理想的な生き方をまだ若い時の詩『五柳先生伝』で詠い、それを実行しようとしますが、その人生は必ずしも理想をまっとうできたわけではありません。

農作業は厳しく、自然災害や火事などにも遭って生活は困窮し、そうなると自分の選んだ人生に迷いや後悔も湧き…後年の杜甫やさらに後年の魯迅は、一見人生を超越し達観したかに見える陶淵明の中途半端ぶりを見抜いています。

陶淵明の詩約120首余りのうち半分の詩には酒が歌われていて、そのうち『飲酒』の連作では酒とともに美しい田園の風景や農村での暮らしが詠まれています。

田園詩人にして隠棲の人・陶淵明は昔から日本人に愛され、その美意識にも影響を与えてきました。

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