兵家~春秋戦国時代に戦略・戦術などを論じた武将たち~

兵家

兵家(へいか)とは諸子百家の一つで、戦争における戦術や戦略について説くものです。兵家の代表的な人物に孫武やその子孫である孫臏がいます。兵家の代表的な理論に『孫子の兵法』があり、戦わずして勝てなどの意表をついた論とともに、さまざまな実践論が書かれています。

兵家とは

兵家は、春秋戦国時代(BC.770~BC.221)の「諸子百家」の一つで、戦争における戦術や戦略、謀略などを論じています。兵家の特徴としては、戦わずして勝つことが一番という老子の思想の影響を受けている・規律を重んじていて法家的である・人間心理を重んじていて人間的であるといわれています。代表的な理論としては有名な『孫子の兵法』があります。兵家を代表する人物には「孫子の兵法」の著者・孫武、そのおよそ百年後の子孫・孫臏(そんぴん)等がいます。『孫子の兵法』は全13編、5500余字。いくさは戦わずして勝つことが最上であり、敵の城を落とすことが最悪であるとか、軍隊は敵を欺くことから始まるなど、人間心理を読み込んだ、独特で説得力ある論が述べられています。

年表
諸子百家の一つ、兵家は春秋戦国時代に存在しました。

兵家をさらに分類すると

兵家には、兵権謀家・兵形勢家・兵陰陽家・兵技巧家の諸家があります。

兵権謀家(へいけんぼうか)とは主に戦略や謀略について説くものです。孫武や孫臏、呉起はここに属します。

兵形勢家(へいけいせいか)・兵陰陽家(へいいんようか)・兵技巧家(へいぎこうか)は分類はされていてもこれらに関する書物はほとんど残っていませんので、兵権謀家がイコール兵家となります。

兵家は道家的・法家的・人間的

兵権謀家の特徴は道家的・法家的・人間的であるといわれています。

道家的とは老子の影響を受けているということで、兵家においていくさで勝つことは一番の目的ではなく、むしろ戦わずに勝つことが大切という老子の思想が流れています。

法家的ということは、規律を重んじるということです。

人間的とは人間心理を重んじているということで、これがあるからこそ兵家の思想は古来長く広く共感をよんできたといえます。